持參ぢさん)” の例文
新字:持参
四郎右衞門先々まづ/\引止ひきとめ下女に云付さけさかなを出し懇切ねんごろ饗應もてなして三郎兵衞を歸しけり其後三月十日に三郎兵衞二十兩加賀屋へ持參ぢさん先達せんだつての禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いつつださうで。……それ持參ぢさんで、取極とりきめた。たつたのは、日曜にちえうあたつたとおもふ。ねんのため、新聞しんぶん欄外らんぐわいよこのぞくと、その終列車しうれつしや糸崎行いとざきゆきとしてある。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
入物いれもの其方そつちのですが、そのつまらん中身なかみ持參ぢさんですとひたいところを、ぐツと我慢がまんして、余等よら初對面しよたいめい挨拶あいさつをした。
今歳ことし今日けふ十二ぐわつの十五にち世間せけんおしつまりてひと往來ゆきかひ大路おほぢにいそがはしく、お出人でいり町人てうにん歳暮せいぼ持參ぢさんするものお勝手かつて賑々にぎ/\しく、いそぎたるいゑにはもちつきのおとさへきこゆるに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
遂て遣はすシテ其遺書かきおき持參ぢさん致居るかと問るゝに御意ぎよいの如く持參ぢさん仕つりしと吉兵衞は懷中ふところより取出して指出さしいだしければ越前守殿是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
屹度きつと持參ぢさんこと、とふ……けだ發會はつくわい第一番だいいちばんの——おたうめでたうござる——幹事かんじとんさんが……じつ剩錢つりせんあつめる藁人形わらにんぎやうよろひせた智謀ちぼう計數けいすうによつたのださうである。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
菓子くわしくにたひらげてしまつて、其後そのあと持參ぢさん花竦薑はならつきやうを、びんから打明うちあけて、さけさかなにしてる。
いとなむがうへれは本家ほんけとてもちひもおもかるべくわれとて信用しんよううすきならねど彼方かなた七分しちぶえきあるときこゝにはわづかに三分さんぶのみいへ繁榮はんえい長久ちやうきうさく松澤まつざはきにしかずつはむすめ容色きりやうすぐれたればこれとてもまたひとつの金庫かねぐら芳之助よしのすけとのえにしえなばとほちやうかど地面ぢめん持參ぢさんむこもなきにはあらじ一擧兩得いつきよりやうとくとはこれなんめりとおもこゝろ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
入給いれたまひては如何いかゞもつとも外に男の子も御在おはさぬ事ゆゑ熊殿くまどの年のふけぬうちに聟養子むこやうしをなし持參ぢさん金子きんすを以て山方やまがた問屋とひやかり償却つぐなひくらし方もを付て身上しんしやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
風流自喜偶歩ふうりうおのづからぐうほをよろこぶ、とふので、一六いちろく釜日かまびでえす、とそゝりる。懷中くわいちうには唐詩選たうしせん持參ぢさん見當けんたう世間せけんでは、あれは次男坊じなんばうと、けいしてとほざかつて、御次男ごじなんとさへふくらゐ。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其奴そいつ引捕ひつとらへてれようと、海陸軍かいりくぐん志願しぐわんで、クライブでん三角術さんかくじゆつなどをかうじて連中れんぢうが、鐵骨てつこつあふぎ短刀たんたうなどを持參ぢさん夜更よふけまで詰懸つめかける、近所きんじよ仕出屋しだしやから自辨じべん兵糧ひやうらう取寄とりよせる
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
へえ、へえ、早速さつそくこれへ持參ぢさんいたしました人參にんじん一應いちおう御覽下ごらんくださりまするやう、へえ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)