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憤然
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ふんぜん
ふりがな文庫
“
憤然
(
ふんぜん
)” の例文
尤
(
もつと
)
も、あれで
若
(
も
)
しどつちかが
斷然
(
だんぜん
)
強
(
つよ
)
くでもなつたとしたら、
恐
(
おそ
)
らく
進
(
すゝ
)
まぬ方は
憤然
(
ふんぜん
)
町内を
蹴
(
け
)
つて
去
(
さ
)
つたかも知れない。
桑
(
くは
)
原、
桑
(
くは
)
原!
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
平次は
憤然
(
ふんぜん
)
としました。如何に封建制度の惡政の下でも、一町内の家搜しは、岡つ引風情には許されるべきことではありません。
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いたずらに、
我説
(
がせつ
)
を
固持
(
こじ
)
して、論争の陣を張っていた酒井忠次も石川数正も、かれが
憤然
(
ふんぜん
)
と席を蹴ったすがたに、眼をみはって
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いつも
憤然
(
ふんぜん
)
として
大
(
おおい
)
に
怒
(
いか
)
り、さながら自分の愛人を
侮辱
(
ぶじょく
)
された時の
騎士
(
きし
)
のごとく、
鋭
(
するど
)
い
反撃
(
はんげき
)
の
槍
(
やり
)
をふるって
突
(
つ
)
き当って行った。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
小町 (
憤然
(
ふんぜん
)
と)それをほんとうだと思ったのですか? 嘘ですよ。あなた! 少将は今でもあの人のところへ
百夜通
(
ももよがよ
)
いをしているくらいですもの。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「私ですか?」びっくりしたように見上げて娘は
憤然
(
ふんぜん
)
とした顔になった。「私、お勤めです。今日は日曜日ですから、プールに泳ぎに行ったんです」
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
額からぽたぽた
滴
(
こぼ
)
れる血を
押
(
お
)
し
拭
(
ぬぐ
)
い「覚えてなはれ」と
捨台辞
(
すてぜりふ
)
を残して
憤然
(
ふんぜん
)
と座を立ちそれきり姿を見せなかった
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
山嵐が
憤然
(
ふんぜん
)
とやって来て、いよいよ時機が来た、おれは例の計画を断行するつもりだと云うから、そうかそれじゃおれもやろうと、
即座
(
そくざ
)
に一味徒党に加盟した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は、そう
思
(
おも
)
うと、
憤然
(
ふんぜん
)
として、すきを
見
(
み
)
て、このサーカス
団
(
だん
)
から
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
そうと
苦心
(
くしん
)
したのであります。
サーカスの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ちょいと何が有名なのさ。
止
(
よ
)
して
頂戴
(
ちょうだい
)
よ。」と君江はわざとらしく
憤然
(
ふんぜん
)
と椅子を立って、
先刻
(
さっき
)
から
打捨
(
うちす
)
てて置いた自動車商会の矢田さんの方へと行ってしまった。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
興世王もこれには
憤然
(
ふんぜん
)
とせざるを得なかつたが、根が負け嫌ひの、恐ろしいところの有る人とて、それなら
汝
(
きさま
)
も勝手にしろ、
乃公
(
おれ
)
も勝手にするといつた調子なのだらう
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
向島の小梅にいた頃、
寒声
(
かんごえ
)
を練るため、夜半物干台に出ておさらいをしていたところ裏隣りの家の窓が開いていきなり「気違い。」と
怒鳴
(
どな
)
られた。勿論助ちゃんは
憤然
(
ふんぜん
)
とした。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
「僕が篠田の
誣告
(
ぶこく
)
でもすると云ふんですか」と、吾妻は
憤然
(
ふんぜん
)
として浦和に詰め寄る
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
折角
(
せっかく
)
いい機嫌になった彼は、大使館に於けるこの押し問答によって、また
憂鬱
(
ゆううつ
)
を取り戻した。なんという頭の悪い、そして礼儀知らずの館員だろう。彼は
憤然
(
ふんぜん
)
、大使館の門を後にした。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
掃除の手をつけようもない。女連は長い顔をして居る。彼は
憤然
(
ふんぜん
)
として竹箒押取り、下駄ばきのまゝ
床
(
ゆか
)
の上に飛び上り、ヤケに塵の雲を立てはじめた。女連も是非なく
手拭
(
てぬぐい
)
かぶって、
襷
(
たすき
)
をかけた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
虎
(
とら
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
愚
(
おろか
)
な
動物
(
どうぶつ
)
で、
憤然
(
ふんぜん
)
身
(
み
)
を
躍
(
をど
)
らして、
鐵車
(
てつしや
)
の
前方
(
ぜんぽう
)
から
飛付
(
とびつ
)
いたから
堪
(
たま
)
らない、
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
旋廻圓鋸機
(
せんくわいえんきよき
)
のために、
四肢
(
しゝ
)
や、
腹部
(
ふくぶ
)
を
引裂
(
ひきさ
)
かれて、
苦鳴
(
くめい
)
をあげて
打斃
(
うちたを
)
れた。
最
(
もつと
)
も
狡猾
(
こうくわつ
)
なるは
猛狒
(
ゴリラ
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
が、
茲
(
ここ
)
まで黙って聴いていた青年は、
憤然
(
ふんぜん
)
として、立ち上った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
窓口にいた兵六さんは
憤然
(
ふんぜん
)
として
雑居家族
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
次郎は
憤然
(
ふんぜん
)
として答えた。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
顧は
憤然
(
ふんぜん
)
としていった。
連城
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
隱されたるやうなるべし
併
(
しかし
)
此事
屹度
(
きつと
)
九助が殺したると聞受難と申さるゝに兩人は
憤然
(
ふんぜん
)
となり
否々
(
いや/\
)
相違御座りませんと云ふ大岡殿コリヤ九郎兵衞夫婦其方共が
悴
(
せがれ
)
や娘の殺されし所は何と云地所なるやと有に九郎兵衞はヘイ
大井川
(
おほゐがは
)
の
端
(
はし
)
下伊呂村
(
しもいろむら
)
辨天堂
(
べんてんだう
)
の前なりと云ければ而て
其
(
そ
)
の
下
(
しも
)
伊呂村辨天堂の前より水呑村迄は何程なるや又惣内夫婦は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
野々村
主水
(
もんど
)
は、ぜひなげに、立ち上がった。何か、胸のいたむものが、部下たちのうえに、思いやられ、つい、
憤然
(
ふんぜん
)
と、色になって、かれの顔をかすめていた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
杉
(
すぎ
)
の
根
(
ね
)
がたに
落
(
お
)
ちてゐたのは、その
時
(
とき
)
捨
(
す
)
て忘れた
繩
(
なは
)
なのです。)
男
(
をとこ
)
は
血相
(
けつそう
)
を
變
(
か
)
へた
儘
(
まま
)
、
太
(
ふと
)
い
太刀
(
たち
)
を
引
(
ひ
)
き
拔
(
ぬ
)
きました。と
思
(
おも
)
ふと
口
(
くち
)
も
利
(
き
)
かずに、
憤然
(
ふんぜん
)
とわたしへ
飛
(
と
)
びかかりました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平次の話の突飛さに、萬七は
憤然
(
ふんぜん
)
として口を
揷
(
はさ
)
みました。
銭形平次捕物控:322 死の秘薬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
伯爵の顔は
悄然
(
しょうぜん
)
たる顔から、
憤然
(
ふんぜん
)
たる顔に移行した。
すり替え怪画:烏啼天駆シリーズ・5
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
憤然
(
ふんぜん
)
としてつめよる冬太郎へ
雑居家族
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
青年は
憤然
(
ふんぜん
)
としたらしかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
小寺政職
(
おでらまさもと
)
もつよく叱った。で、
憤然
(
ふんぜん
)
たるまま、末席の五、六名が唇をかんで、座に直ったのを見とどけると、官兵衛は初めて胸を正した。語気声色、常と変らない彼に
回
(
かえ
)
っていった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神将 (
憤然
(
ふんぜん
)
と)この
戟
(
ほこ
)
を
食
(
く
)
らって
往生
(
おうじょう
)
しろ! (使に飛びかかる)
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蛾次郎、口をとンがらかして、すこぶる
威厳
(
いげん
)
を傷つけられたように、
憤然
(
ふんぜん
)
と
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少将はほとんど、
憤然
(
ふんぜん
)
と、青年の言葉を
遮
(
さえぎ
)
った。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
憤然
(
ふんぜん
)
として、その
真
(
ま
)
ッ
暗
(
くら
)
な
部屋
(
へや
)
からかけだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
憤
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“憤”で始まる語句
憤
憤怒
憤懣
憤慨
憤々
憤激
憤怨
憤恚
憤恨
憤悶