征伐せいばつ)” の例文
もっとこまったことには、天井はねずみの牧場となり、ねこをたびたび征伐せいばつにつかわさぬかぎり、鼠算ねずみざんといってたちまち繁殖してしまう。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
仲哀天皇ちゅうあいてんのうは、ある年、ご自身で熊襲くまそをお征伐せいばつにおくだりになり、筑前ちくぜん香椎かしいの宮というお宮におとどまりになっていらっしゃいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
帆村探偵というのは、理学士かなんかで、なかなか新しい探偵術をもって、科学応用の悪人を征伐せいばつしてあるくという変り者だ。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
するとほか小猿こざるが「おれの父様ちやんはもつとえらいや、おにしま征伐せいばつにいつたんだもの」「うそだあ、ありやむかしことぢやないか」
これ実に破天荒はてんこうの卓識といわざるを得ず。しかれども彼の卓識も、桃太郎鬼が島征伐せいばつ昔噺むかしばなしの如く、何人なんぴと真面目まじめにこれを聞くものなきぞ遺憾なる。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
大きくなって、義家よしいえはおとうさんの頼義よりよしについて、奥州おうしゅう安倍貞任あべのさだとう宗任むねとうという兄弟きょうだいあらえびすを征伐せいばつに行きました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
こうなるとこうおつへいていらは、まったく自分じぶんらがったものとおもいました。そしてうちかえると四にんはそろって太郎たろう征伐せいばつするのだといってかけました。
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太史公たいしこういはく、司馬しば兵法へいはふむに、(三六)閎廓くわうくわく深遠しんゑんにして、(三七)だい征伐せいばついへども、いま其義そのぎつくす※あたはず、其文そのぶんごときは、また(三八)すこしくはうせり。
朝鮮征伐せいばつの時の俘虜ふりょの男女千三百四十余人も、江戸からの沙汰さたで、いっしょに舟に乗せてかえされた。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたしはいつでもアフリカから、百万の黒ん坊の騎兵きへいと一しょに、あなた方の敵を征伐せいばつに行きます。
三つの宝 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
征伐せいばつあられしも悉々こと/″\く此八幡宮の神力しんりきに因所なればじつに有難き御神おんかみなり然ば末代まつだいに至る迄此御神を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ちかく出師すいしせんとする柴田しばたがたの滝川征伐せいばつ、その兵を糾合きゅうごうする諸大名しょだいみょうへの檄文げきぶんであるらしい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どこの国でも、政府は、科学者をよびあつめ、軍の参謀部と連絡して、宇宙怪人征伐せいばつのてだてを、しんけんに相談しました。そして、このことで、国際会議がひらかれるうわささえありました。
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ハハハハ、山ねこをとってきて、ねずみ征伐せいばつをやろうって寸法なんだ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
幾年いくとせかにまたが賊徒ぞくと征伐せいばついくさ旅路たびじに、さながらかげかたちともなごとく、ただの一にちとしてきみのおそばはなれなかった弟橘姫おとたちばなひめなみだぐましい犠牲ぎせい生活せいかつは、じつにそのとき境界さかいとしてはじめられたのでした。
筑後ちくごにはむかし繼體天皇けいたいてんのう御時おんとき磐井いはゐといふつよひとがをつて、朝鮮ちようせん新羅しらぎくに同盟どうめいして、天皇てんのうめいそむいたので、とう/\征伐せいばつされてしまひましたが、このひときてゐる時分じぶんから、いしでおはかつく
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
征伐せいばつ言上ごんしやうしければ、王鬼わうおに火※ほのほ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
やしろをお作りになって、今度のご征伐せいばつについていちいちお指図さしずをしてくださった、底筒男命そこつつおのみこと以下三人の神さまを、この国の氏神うじがみさまにおまつりになった後
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
桃から生れた桃太郎ももたろうおにしま征伐せいばつを思い立った。思い立ったわけはなぜかというと、彼はお爺さんやお婆さんのように、山だの川だの畑だのへ仕事に出るのがいやだったせいである。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「それは、わるいやつらです。わたしが、征伐せいばつをしてあげます。あなたは、そのかわり、しばらく窮屈きゅうくつおもいをしなくてはなりません。」と、命令めいれいするようにいって、くもは、ろくろくはな返答へんとうかずに
くもと草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
らう征伐せいばつのよしを聞及きゝおよび、ねがはくは
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
命が諸方を征伐せいばつしておまわりになる間は、七拳脛ななつかはぎという者が、いつもご料理番としてお供について行きました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
あれ日本につぽん征伐せいばつし、桃太郎奴もゝたらうめ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)