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こみせ
ふりがな文庫
“
小店
(
こみせ
)” の例文
更に
小店
(
こみせ
)
を追って行きますと、駄菓子屋がとても沢山ある通りに出ます。こんなに盛な駄菓子屋の町は全国にないでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
五六軒
(
ごろくけん
)
の
藁屋
(
わらや
)
ならび、
中
(
なか
)
にも
浅間
(
あさま
)
な
掛小屋
(
かけこや
)
のやうな
小店
(
こみせ
)
を
開
(
あ
)
けて、
穴
(
あな
)
から
商売
(
しやうばい
)
をするやうに
婆
(
ばあ
)
さんが
一人
(
ひとり
)
戸
(
と
)
の
外
(
そと
)
を
透
(
す
)
かして
居
(
ゐ
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
近所の
小店
(
こみせ
)
で時を打つ
柝
(
き
)
の音が拍子を取って遠くきこえるのも寂しかった。行燈の暗いのに気がついて、綾衣は袂をくわえながら、片手で燈心をかかげた。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
最後のものを売り
損
(
そこ
)
ねた一家はどうにもこうにもならなくなった。家主は毎日のように家賃の
居据
(
いすわ
)
り
催促
(
さいそく
)
をする。近所の
小店
(
こみせ
)
は何一つ貸売りしてくれない。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
河岸
(
かし
)
の
小店
(
こみせ
)
の
百囀
(
ももさへ
)
づりより、優にうづ高き
大籬
(
おほまがき
)
の楼上まで、絃歌の声のさまざまに沸き来るやうな面白さは大方の人おもひ出でて忘れぬ物に
思
(
おぼ
)
すも有るべし。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
村落
(
むら
)
の
者
(
もの
)
は
段々
(
だん/\
)
に
瞽女
(
ごぜ
)
の
泊
(
とま
)
つた
小店
(
こみせ
)
の
近
(
ちか
)
くへ
集
(
あつ
)
まつて
戸口
(
とぐち
)
に
近
(
ちか
)
く
立
(
た
)
つた。
戸
(
と
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
開放
(
あけはな
)
つて
障子
(
しやうじ
)
も
外
(
はづ
)
してある。
瞽女
(
ごぜ
)
は
各自
(
かくじ
)
に
晩餐
(
ばんさん
)
を
求
(
もと
)
めて
去
(
さ
)
つた
後
(
あと
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ある時日光へ往つての
帰途
(
かへりみち
)
に、夫人は誰かに買つて帰るつもりで、土産物を売つてゐる一軒の
小店
(
こみせ
)
へ入つた。村井氏は葉巻を
咥
(
くは
)
へたまゝ
後
(
あと
)
からのつそり
蹤
(
つ
)
いて往つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
小店
(
こみせ
)
の訛りであると一般に信じられてゐるやうだが、私は、
隠瀬
(
このせ
)
あるいは
隠日
(
こもひ
)
とでもいふ漢字をあてはめたはうが、早わかりではなからうか、などと考へてひとりで悦にいつてゐる次第である。
津軽
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
家
(
うち
)
で
晩酌
(
ばんしゃく
)
に飲み、村の集会で飲み、有権者だけに衆議院議員の
選挙
(
せんきょ
)
振舞
(
ぶるまい
)
で飲み、どうやらすると
昼日中
(
ひるひなか
)
おかず
媼
(
ばあ
)
さんの
小店
(
こみせ
)
で一人で飲んで
真赤
(
まっか
)
な
上機嫌
(
じょうきげん
)
になって、笑って
無暗
(
むやみ
)
にお辞義をしたり
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
河岸
(
かし
)
の
小店
(
こみせ
)
の
百囀
(
もゝさへ
)
づりより、
優
(
ゆう
)
にうづ
高
(
たか
)
き
大籬
(
おほまがき
)
の
樓上
(
ろうじやう
)
まで、
絃歌
(
げんか
)
の
聲
(
こゑ
)
のさま/″\に
沸
(
わ
)
き
來
(
く
)
るやうな
面白
(
おもしろ
)
さは
大方
(
おほかた
)
の
人
(
ひと
)
おもひ
出
(
い
)
でゝ
忘
(
わす
)
れぬ
物
(
もの
)
に
思
(
おぼ
)
すも
有
(
あ
)
るべし。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
橋詰
(
はしづめ
)
の
小店
(
こみせ
)
、荒物を
商
(
あきな
)
う家の亭主で、
身体
(
からだ
)
の
痩
(
や
)
せて
引緊
(
ひっしま
)
ったには似ない、
褌
(
ふんどし
)
の
緩
(
ゆる
)
い男で、
因果
(
いんが
)
とのべつ釣をして、はだけていましょう、
真
(
まこと
)
にあぶなッかしい形でな。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小店
(
こみせ
)
の
座敷
(
ざしき
)
には
瞽女
(
ごぜ
)
の
大
(
おほ
)
きな
荷物
(
にもつ
)
と
袋
(
ふくろ
)
へ
入
(
い
)
れた
三味線
(
さみせん
)
とが
置
(
お
)
いてあつて
淋
(
さび
)
しく
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
これがいわゆる「
小店
(
こみせ
)
」でそれがどこまでも連なり、一種の風情を
醸
(
かも
)
し出します。ですが
度重
(
たびかさ
)
なる大火のために
漸次
(
ぜんじ
)
少くなりました。もっとも小店は弘前ばかりではありません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
その
傍
(
かたわら
)
に
小店
(
こみせ
)
一軒、軒には
草鞋
(
わらじ
)
をぶら下げたり、土間には大根を土のまま、
煤
(
すす
)
けた天井には
唐辛
(
とうがらし
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
停車場
(
ステーシヨン
)
の一
方
(
ぱう
)
の
端
(
はし
)
を
取
(
と
)
つて、
構内
(
こうない
)
の
出
(
で
)
はづれの
処
(
ところ
)
に、
火
(
ひ
)
の
番小屋
(
ばんごや
)
をからくりで
見
(
み
)
せるやうな
硝子窓
(
がらすまど
)
の
小店
(
こみせ
)
があつて、ふう/\
白
(
しろ
)
い
湯気
(
ゆげ
)
が
其
(
そ
)
の
窓
(
まど
)
へ
吹出
(
ふきだ
)
しては、
燈
(
ともしび
)
に
淡
(
うす
)
く
濃
(
こ
)
く
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どの
蛙
(
かへる
)
も、コタマ! オタマ! と
鳴
(
な
)
く、と
言
(
い
)
ふのである。
同
(
おな
)
じ
男
(
をとこ
)
が、
或時
(
あるとき
)
、
小店
(
こみせ
)
で
遊
(
あそ
)
ぶと、
其合方
(
そのあひかた
)
が、
夜
(
よ
)
ふけてから、
薄暗
(
うすぐら
)
い
行燈
(
あんどう
)
の
灯
(
ひ
)
で、
幾
(
いく
)
つも/\、あらゆるキルクの
香
(
にほひ
)
を
嗅
(
か
)
ぐ。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そのかわり、町の出はずれを国道へついて左へ折曲ろうとする角家の
小店
(
こみせ
)
の前に、雑貨らしい箱車を置いて休んでいた、
半纏着
(
はんてんぎ
)
の若い男は、軒の藤を
潜
(
くぐ
)
りながら、向うから声を掛けた。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
うっかりして立ったのが、
小店
(
こみせ
)
の
方
(
かた
)
に目を注いで
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
店
常用漢字
小2
部首:⼴
8画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父