たんぼ)” の例文
そして、もう奉公ほうこうるには、あまりとしをとってしまったので、自分じぶんは、むらのこってたんぼて、くわをとってはたらくことにいたしました。
赤いえり巻き (新字新仮名) / 小川未明(著)
さびしくなったたんぼほうから夕日ゆうひひかりけ、やってきて、このうつくしい、あかはなたときに、とんぼは、どんなによろこんだでありましょう。
寒い日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
おまえさんは、どうおもう。そんなにちょうがたくさんいて、どのたんぼにも、どの花壇かだんにも、いっぱいで、みつをうばかりでなくたまごみつけたとしたら。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いま、あかれています。たんぼには、のこされたまめが、まだすこしはちているはずです……。」と、やまからきた、あにのほうのはとがいいました。
兄弟のやまばと (新字新仮名) / 小川未明(著)
もし、これをおはなが、たんぼたなら、かならず、自分じぶんのなくなったあかいえりきをおもし、東京とうきょうぼっちゃんたちのことをおもしたでありましょう。
赤いえり巻き (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもたちは、これをると、なんとなくかわいそうにおもいました。それで、あわもちがあったからそれをちいさくして、たんぼほうへ、まどからげてやりました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にちまちうらや、たんぼや、またかわふちや、海浜かいひんなど、方々ほうぼうしょくもとめるのでした。一がなにかいいものをつけましたときは、これをみんなにらせました。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、なんのなしに、たんぼなかへはいってゆきますと、見知みしらぬおおきなおとこが、すぐまえっていました。
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある、よくれたのこと、兄弟きょうだいばとはははゆるしをやまを一つして、あちらのたんぼへゆくことにしました。これまでは、母親ははおやがついていったのでした。
兄弟のやまばと (新字新仮名) / 小川未明(著)
種子たねってきてまいたほうせんかがいたが、ふるさとのまえたんぼにもたくさんくことであろう……。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一陣ひとしきり大きな雪片せっぺんが風にあおられてたんぼの方から走って来た、立っている自分の胸はたちまち白壁のように真白になった。たださいわいに大きな吹雪はこれりで後は少し晴間となった。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、あねおとうとが、まどからそとていますと、四、五のからすが、きながら、野原のはらほうからんできて、たんぼなか木立こだちまり、かなしそうにいていました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あきになると、田舎いなかは、たんぼや、野原のはらにかきのがあって、にうまそうにじゅくしました。
竹馬の太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かわいそうに、こうさむくては、んでしまうだろう。わる時節じせつまれてきたものだ。にも、たんぼにも、はなひかりがないごとく、この社会しゃかいにも、自由じゆう空想くうそう芸術げいじゅつほろびたのだから。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
むらは、小高こだかいところにありました。はるから、なつにかけて、養蚕ようさんいそがしく、あきに、また、果物くだものうつくしくたんぼみのりました。おおきないけがあって、いけのまわりは、しらかばのはやしでありました。
愛は不思議なもの (新字新仮名) / 小川未明(著)
天気てんきぐあいはいいようだが、たんぼのものは、いまごろどんなになったろう?」と、故郷こきょうのことがかんがえられました。おじいさんは、土産物みやげものなどをって、かえりをいそいだのでありました。
銅像と老人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そんなことをおもいながら、小舎こやなかへは遠慮えんりょして、たんぼほうはしってゆきました。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
もはや、そらには、太陽たいようひかりねつとがみなぎっていました。とんぼは、ちょうど昨日きのう屈託くったくらずに、あそんでいたように、たんぼりると、そこで、ぼんやりと、また一にちごしたのでした。
寒い日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここにはもう長年ながねんいるけれど、そんな心配しんぱいはすこしもない。それにやまには、あかじゅくしたがなっているし、あのやま一つせば、たんぼがあって、そこにはわたしたちの不自由ふじゆうをしないほどの食物しょくもつちている。
兄弟のやまばと (新字新仮名) / 小川未明(著)
エーは、あきたんぼへやってきました。
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)