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たんぼ
そして、もう
奉公に
出るには、あまり
年をとってしまったので、
自分は、
村に
残って
圃に
出て、くわをとって
働くことにいたしました。
さびしくなった
圃の
方から
夕日の
光を
身に
受け、やってきて、この
美しい、
紅い
花を
見たときに、とんぼは、どんなに
喜んだでありましょう。
おまえさんは、どう
思う。そんなにちょうがたくさんいて、どの
圃にも、どの
花壇にも、いっぱいで、みつを
吸うばかりでなく
卵を
産みつけたとしたら。
「いま、
赤い
実が
熟れています。
圃には、
取り
残された
豆が、まだすこしは
落ちているはずです……。」と、
山からきた、
兄のほうのはとがいいました。
もし、これをお
花が、
圃に
出て
見たなら、かならず、
自分のなくなった
赤いえり
巻きを
思い
出し、
東京の
坊ちゃんたちのことを
思い
出したでありましょう。
子供たちは、これを
見ると、なんとなくかわいそうに
思いました。それで、あわもちがあったからそれを
小さくして、
圃の
方へ、
窓から
投げてやりました。
一
日、
町の
裏や、
圃や、また
河の
淵や、
海浜など、
方々で
食を
求めるのでした。一
羽がなにかいいものを
見つけましたときは、これをみんなに
知らせました。
彼は、なんの
気なしに、
圃の
中へはいってゆきますと、
見知らぬ
大きな
男が、すぐ
前に
突っ
立っていました。
ある、よく
晴れた
日のこと、
兄弟の
子ばとは
母の
許しを
得て
山を一つ
越して、あちらの
圃へゆくことにしました。これまでは、
母親がついていったのでした。
種子を
持ってきてまいたほうせんかが
咲いたが、ふるさとの
前の
圃にもたくさん
咲くことであろう……。
一陣大きな
雪片が風に
煽られて
圃の方から走って来た、立っている自分の胸は
忽ち白壁のように真白になった。ただ
幸に大きな吹雪はこれ
限りで後は少し晴間となった。
ある
日のこと、
姉や
弟が、
窓から
外を
見ていますと、四、五
羽のからすが、
鳴きながら、
野原の
方から
飛んできて、
圃の
中の
木立に
止まり、
悲しそうに
鳴いていました。
秋になると、
田舎は、
圃や、
野原にかきの
木があって、
実が
真っ
赤にうまそうに
熟しました。
かわいそうに、こう
寒くては、
死んでしまうだろう。
悪い
時節に
生まれてきたものだ。
野にも、
圃にも、
花と
光がないごとく、この
社会にも、
自由と
空想と
芸術が
滅びたのだから。
村は、
小高いところにありました。
春から、
夏にかけて、
養蚕に
忙しく、
秋に、また、
果物が
美しく
圃に
実りました。
大きな
池があって、
池のまわりは、しらかばの
林でありました。
「
天気ぐあいはいいようだが、
圃のものは、いまごろどんなになったろう?」と、
故郷のことが
考えられました。おじいさんは、
土産物などを
買って、
帰りを
急いだのでありました。
そんなことを
思いながら、
小舎の
中へは
遠慮して、
圃の
方へ
走ってゆきました。
もはや、
空には、
太陽の
光と
熱とがみなぎっていました。とんぼは、ちょうど
昨日、
屈託も
知らずに、
遊んでいたように、
圃へ
降りると、そこで、ぼんやりと、また一
日を
過ごしたのでした。
ここにはもう
長年いるけれど、そんな
心配はすこしもない。それに
山には、
赤く
熟した
実がなっているし、あの
山一つ
越せば、
圃があって、そこには
私たちの
不自由をしないほどの
食物も
落ちている。
Aは、
秋の
圃へやってきました。