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一日
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いちんち
ふりがな文庫
“
一日
(
いちんち
)” の例文
御帰りに——なった? ならないでも? 好さそうなものだって仕方がないよ。学問で夢中になってるんだから。——だから
一日
(
いちんち
)
都合を
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俺
(
お
)
ら
一日
(
いちんち
)
に十六
度
(
ど
)
手水場
(
てうづば
)
へ
行
(
い
)
つたの一
等
(
とう
)
だつけが、なあに
病氣
(
びやうき
)
なんぞにや
負
(
ま
)
けらツるもんかつちんだから、
其
(
そ
)
ん
時
(
とき
)
にや
村落中
(
むらぢう
)
かたではあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もう、あれから五十日もたつてることですし、センイチは
一日
(
いちんち
)
、森の中をうろつきまはつても、悪魔の穴を見つけることが出来ませんでした。
悪魔の宝
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
いま小倉のいった通り、俺の釣堀だって芝居のたまの休みに、それこそ
一日
(
いちんち
)
か二日の忙しい中を無理をして行くからこそたのしみにもなるんだ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
……博覧会に出ていた時なんか、暑うい時分に、私は朝早くから起きて、自分で御飯を炊いて、私が
一日
(
いちんち
)
居なくっても好いようにして出て行く。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
▼ もっと見る
が、ちょうどこの時ポーレンカは、
一日
(
いちんち
)
気分のすぐれなかった弟を寝かせつけようと、着物を脱がせているところだった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
私
(
わっし
)
どもは、どうかすると
一日
(
いちんち
)
の
中
(
うち
)
にゃ人間の数より多くお目に
掛
(
かか
)
る、至極
可懐
(
なつか
)
しいお方だが……後で分りました。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ねえドクトル、この子を
叱
(
しか
)
ってやって下さいな。
一日
(
いちんち
)
じゅう、氷水ばかり飲んでいるんですよ。それが、体にいいことでしょうかねえ、胸が弱いくせに」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
戴きましても、
一日
(
いちんち
)
に割ってみると何程にもなりやしませんから、なか/\旨い物なんぞ喰う事ア出来ません
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いくらいうても、同じじゃ」と、辻木が声を荒らげて、「もう、帰んなさい。
一日
(
いちんち
)
そこに坐っとっても、百万べん頭を下げても、こればっかりは駄目じゃ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「
一日
(
いちんち
)
に
一人
(
ひとり
)
しか会わせませんからね。お
前
(
まえ
)
さんの前に誰か会っているんでしょう。」
冬
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「おかみさん。湯に行って暖たまって
来
(
こ
)
よう。今日は
一日
(
いちんち
)
楽
(
らく
)
休みだ。」と兼太郎は夜具を踏んで柱の
釘
(
くぎ
)
に
引掛
(
ひっか
)
けた手拭を取り、「大将はもう芝居かえ。
一幕
(
ひとまく
)
のぞいて来ようかな。」
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
晩は晩で、
毛布
(
ケット
)
のしたにちぢこまって、今にも患者から呼び出しが来やしまいかと、びくびくしている始末だ。この十年のあいだ、わたしは
一日
(
いちんち
)
だって、のんびりした日はなかった。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ところが或とき、犬は一ぴきだけ来て、そのやせた犬は
一日
(
いちんち
)
すがたを見せない日がありました。出て来た方は、夕方になると、もらった肉のきれを食べないでくわえてかえりました。
やどなし犬
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
こねえだも、夜の明けねえうちにわっしをまいて、その日
一日
(
いちんち
)
いねえんでがす。わっしは、旦那が
帰
(
けえ
)
って来たらしたたかぶん殴ってくれようと思って、でっけえ棒をこせえときました。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
竹山は、「
一日
(
いちんち
)
も早く新聞の仕事に慣れる様に、」と云つて、自分より二倍も身体の大きい長野を、手酷しく小言を云つては毎日々々
使役
(
こきつか
)
ふ。校正係なら校正だけで沢山だと野村は思つた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「あしたもう
一日
(
いちんち
)
着てらっしゃい、シューラちゃん。」
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
「それで
一日
(
いちんち
)
幾何
(
いくら
)
出
(
だ
)
すと
置
(
お
)
いて
呉
(
く
)
れるんです」と
小六
(
ころく
)
が
聞
(
き
)
いた。「
鐵砲
(
てつぱう
)
でも
擔
(
かつ
)
いで
行
(
い
)
つて、
獵
(
れふ
)
でもしたら
面白
(
おもしろ
)
からう」とも
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ちつたあ
黴臭
(
かびくさ
)
くなつたやうだが、そんでも
此
(
この
)
位
(
くれえ
)
ぢや
一日
(
いちんち
)
干
(
ほ
)
せば
臭
(
くさ
)
えな
直
(
なほ
)
つから」
勘次
(
かんじ
)
は
分疏
(
いひわけ
)
でもするやうにいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
母の方は、あまり身を入れずに聞いていて、わたしの姿を見ると、
一日
(
いちんち
)
どこへ
雲隠
(
くもがく
)
れしていたのかと
尋
(
たず
)
ねた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
その癖、光起さんを恋しがって、懐しがって、
一日
(
いちんち
)
と顔を見ないと、苦労にする、三日四日となると
鬱
(
ふさ
)
ぎ出す、
七日
(
なのか
)
も逢わなかろうものなら、涙ぐむという始末。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「わたしは猟師だ。鉄砲をかついで
一日
(
いちんち
)
歩きまはつてるので、どつちからつてことはない。」
悪魔の宝
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「やれやれ、この谷は
一日
(
いちんち
)
がよその半分しかないよ。仕事も半分しか、でけやせん」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
一日
(
いちんち
)
じゅう何もせずに、まるで影みたいにあなたの後ろばかり追っかけているし、わたしだってこのとおり、仕事も何もほったらかして、ママのところへお話に来てしまうでしょう。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「けれども始めからそう思っていたのよ。姉さんはきっとわたしたちのためには
何
(
なん
)
でもして下さるのに違いないって。——実は
昨日
(
きのう
)
も大村と
一日
(
いちんち
)
姉さんの話をしたの。それでね、……」
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、
一日
(
いちんち
)
隔
(
お
)
いたそのあくる日は
河岸
(
かし
)
の連中のある日だった。河岸の問屋の人たちが、古馴染のかれのため、大挙して見物に来てくれる日だった。それを思うと安閑とは寝ていられなかった。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
『ハア、
怎
(
ど
)
うも。…………それでゐて
恁
(
か
)
う、
始終
(
しよつちゆう
)
何か喰べて見たい様な気がしまして、
一日
(
いちんち
)
口案配が悪う御座いましてね。』とお柳も
披
(
はだか
)
つた襟を合せ、片寄せた煙草盆などを
医師
(
いしや
)
の前に直したりする。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「今日は
山端
(
やまばな
)
の
平八茶屋
(
へいはちぢゃや
)
で
一日
(
いちんち
)
遊んだ方がよかった。今から登ったって中途
半端
(
はんぱ
)
になるばかりだ。
元来
(
がんらい
)
頂上まで何里あるのかい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母は気持が落着いて、食事を命じたりしたが、とはいえやはり姿を見せず、決心を変えもしなかった。忘れもしない——わたしはその日は
一日
(
いちんち
)
じゅう散歩ばかりしていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ほんに、もうお十夜だ——気むずかしい治兵衛の
媼
(
ばば
)
も、やかましい芸妓屋の親方たちも、ここ
一日
(
いちんち
)
二日
(
ふつか
)
は
講中
(
こうじゅう
)
で出入りがやがやしておるで、その
隙
(
ひま
)
に
密
(
そっ
)
と逢いに行ったでしょ。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「えゝ、
箆棒
(
べらぼう
)
、
一日
(
いちんち
)
の
手間
(
てま
)
鍛冶屋
(
かぢや
)
へ
打
(
ぶ
)
つ
込
(
こ
)
んちあなくつちやなんねえ」
彼
(
かれ
)
は
呟
(
つぶや
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
お前が
一日
(
いちんち
)
猟に出て、手ぶらで帰るのを見て、少し気の毒になつたから、貸してやらうと思つたんだが、どうともお前の心まかせだ。だがこれがあれば、十分いゝ猟が出来るがね……。
悪魔の宝
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
……そこでまる
一日
(
いちんち
)
、あくせく働いて、ちょいと一服するまもないし、これっぽっちの物を、口へ入れる暇もなかった。やっとこさで、
家
(
うち
)
へ帰ってみると、やっぱり休ましちゃもらえない。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
罷めてからは、
一日
(
いちんち
)
外へ出ないで、何時でも
蟄居
(
ちつきよ
)
して居るんです。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
小路
(
こうじ
)
の
泥濘
(
ぬかるみ
)
は雨上りと違って
一日
(
いちんち
)
や
二日
(
ふつか
)
では容易に乾かなかった。外から靴を
汚
(
よご
)
して帰って来る
宗助
(
そうすけ
)
が、
御米
(
およね
)
の顔を見るたびに
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから、今日
一日
(
いちんち
)
、あの
馬車
(
ばしゃ
)
を貸してください。あれに馬をつけてあちこち駆けまわって、どうだい、メーソフさんの馬車はこのとおり立派じゃないかと、みんなに見せつけてやりたいんです。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
小路
(
こうぢ
)
の
泥濘
(
ぬかるみ
)
は
雨上
(
あめあが
)
りと
違
(
ちが
)
つて
一日
(
いちんち
)
や
二日
(
ふつか
)
では
容易
(
ようい
)
に
乾
(
かわ
)
かなかつた。
外
(
そと
)
から
靴
(
くつ
)
を
汚
(
よご
)
して
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
る
宗助
(
そうすけ
)
が、
御米
(
およね
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
るたびに
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それで
一日
(
いちんち
)
いくら出すと置いてくれるんです」と小六が聞いた。「鉄砲でも
担
(
かつ
)
いで行って、
猟
(
りょう
)
でもしたら面白かろう」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
一日
(
いちんち
)
ぐらい遊んだってよかろう。ああ云う美くしい所へ行くと、好い心持ちになって、翻訳もはかが行くぜ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と友人の迷惑はまるで忘れて、一人嬉しがったというが、小説中の人間の名前をつけるに
一日
(
いちんち
)
巴理
(
パリ
)
を探険しなくてはならぬようでは随分
手数
(
てすう
)
のかかる話だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いい積りだなあ。僕も、あんな風に
一日
(
いちんち
)
本を読んだり、音楽を聞きに行ったりして暮していたいな」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いゝ
積
(
つも
)
りだなあ。僕も、あんな風に
一日
(
いちんち
)
本
(
ほん
)
を読んだり、音楽を聞きに行つたりして
暮
(
くら
)
して居たいな」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一日
(
いちんち
)
に二三人はきっと逃げますよ。そうかと云って、おとなしくしているかと思うと、病気になって、死んじまう奴が出て来て——どうも始末に行かねえもんでさあ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぐうという声がしたので、
蒲団
(
ふとん
)
の下に
潜
(
もぐ
)
り
込
(
こ
)
んでいる彼をすぐ引き出して、相当の
手当
(
てあて
)
をしたが、もう間に合わなかった。彼はそれから
一日
(
いちんち
)
二日
(
ふつか
)
してついに死んでしまった。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まあもう
一日
(
いちんち
)
二日
(
ふつか
)
はよろしいじゃございませんか」とお兼さんは
愛嬌
(
あいきょう
)
に云ってくれた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
からHさんの手紙が心待に待ち受けられた。自分は
一日
(
いちんち
)
、
二日
(
ふつか
)
、
三日
(
みっか
)
と指を折って日取を
勘定
(
かんじょう
)
し始めた。けれどもHさんからは何の
音信
(
たより
)
もなかった。
絵端書
(
えはがき
)
一枚さえ来なかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「じゃ君が亭主に、僕が御者だぜ。負けた方が今日
一日
(
いちんち
)
命令に服するんだぜ」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
延岡と云えば山の中も山の中も大変な山の中だ。赤シャツの云うところによると船から上がって、
一日
(
いちんち
)
馬車へ乗って、宮崎へ行って、宮崎からまた
一日
(
いちんち
)
車へ乗らなくっては着けないそうだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実際僕が不適当なら仕方がないが、まだやって見ない事なんだから——せっかく山を越して遠方をわざわざ来た
甲斐
(
かい
)
に、
一日
(
いちんち
)
でも
二日
(
ふつか
)
でも、いいですから、まあ試しだと思って使って下さい。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
つづらの
蓋
(
ふた
)
をとって見たり、かぶせて見たり
一日
(
いちんち
)
そわそわして暮らしてしまいましたがいよいよ日が暮れて、つづらの底で
蛼
(
こおろぎ
)
が鳴き出した時思い切って例のヴァイオリンと弓を取り出しました
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“一日”の意味
《名詞・形容動詞》
(いちにち)午前0時から午後12時までの24時間。
(いちにち)24時間に相当する時間の長(なが)さ。
(いちにち、いちじつ、ひとひ(古語))ある日。
(いちにち)終日。
(いちにち、いちじつ)わずかな期間。
(いちにち、ついたち、いっぴ)月の第1日目。朔。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“一日”で始まる語句
一日々々
一日一夜
一日中
一日目
一日市
一日毎
一日路
一日一日
一日一晩
一日半前