“ひきあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引揚26.3%
紹介21.3%
引上20.0%
引合7.5%
引当3.8%
引明3.8%
引挙2.5%
曳上2.5%
曳合2.5%
引啓1.3%
引宛1.3%
引開1.3%
抽当1.3%
挽上1.3%
曳開1.3%
牽合1.3%
紹合1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つて、それ引揚ひきあげたが、如何どうつてえられぬので、ふたゝ談判だんぱんかうとおもつてると、友人いうじん眉山子びさんしれい自殺じさつ
当日の演説家を案内して、会場へ入つて来たの高い司会者は、先づつて、この名高い政治家を聴衆に紹介ひきあはしたが、そのなかに次ぎのやうな言葉があつた。
わかいものをれて、どたばた引上ひきあげる時分じぶんには、部屋へやまへから階子段はしごだんうへけて、女中ぢよちゆうまじりに、人立ひとだちがするくらゐ、二階にかいしたなにとなくさはつ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あのやうな良人をつとなに不足ふそくつるぎ刃渡はわたりするやうな危險あぶな計較たくみをするのやら、可愛かあいさうにあのひと仲町なかまちねえさんまでを引合ひきあひにして三方さんばう四方しはううそかためて、此足このあしはまあ何處どこ
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貧乏鬮びんぼうくじ引当ひきあてた者は、祖先伝来の家屋敷や畑をすてゝ、代地だいちと云えば近くて十丁以内にはなく、他郷に出るか、地所が不足では農をよして他に転業しなければならぬ者もあろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
たゝきければ八五郎は飛でいで先生せんせい樣子やうすは如何やと云ながら門の戸引明ひきあければ後藤はあせ押拭おしぬぐ如何いかゞどころか誠に危き事なり亭主貴樣の云し通り今一トあしおそいと間に合ぬ處なりしが丁度ちやうど
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『一昨年だアな! あそこをそつくり引挙ひきあげたのは?』
あさぢ沼 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
からでないと曳上ひきあげられなかった……雨降りには滝になろう、縦に薬研形やげんがた崩込くずれこんで、人足の絶えた草は、横ざまに生え繁って、真直まっすぐつえついた洋傘こうもりと、路の勾配との間に、ほとんど余地のないばかり
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
男同士でも交情なかくって手を曳合ひきあって歩いても、わきの人とこそ/\耳こすりでもされますと男同士でも嫉妬ちん/\を起して、あれ茂山しげやま氏のそばへばかり往って居る、一体彼奴あいつは心掛けが宜くない
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かどの戸引啓ひきあけて、酔ひたる足音の土間に踏入りたるに、宮は何事とも分かず唯慌ただあわててラムプを持ちてでぬ。台所よりをんなも、出合いであへり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あんたの夫を助けることは引受けたが、これには何か引宛ひきあてがありそうなものだ。早く云えば、助けて上げる代りのお礼が。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
エリス帰りぬと答ふる間もなく、戸をあらゝかに引開ひきあけしは、半ばしらみたる髪、しき相にはあらねど、貧苦の痕をぬかに印せし面の老媼にて、古き獣綿の衣を着、汚れたる上靴を穿きたり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
岡田の苦悶くもんを眺めながらも、悪いくじ抽当ひきあてたのは岡田の方であることを少しも気附かぬらしく、相手も彼と同じく、ただ、二つに一つの悪運におびえているのだと思い込んでいる様子だった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
唯有とある横町を西に切れて、なにがしの神社の石の玉垣たまがきに沿ひて、だらだらとのぼる道狭く、しげき木立に南をふさがれて、残れる雪の夥多おびただしきが泥交どろまじりに踏散されたるを、くだんの車は曳々えいえい挽上ひきあげて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と部屋の戸を曳開ひきあくれば、銀平のうしろに続きて、女房も入って見れば、こはいかに下枝の寝床は藻脱もぬけの殻、ぬしの姿は無かりけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若い男若い女が手を牽合ひきあって歩いて行くのを見るごとに、羨ましいような妬ましいような、蔑むような侮るような、名状のならぬ心持が自分に起り、傍らの古本を覗き込むと
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
ペタペタとお辞儀をしながら、口早に低い声で桃輔が今松を紹合ひきあわせた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)