引当ひきあ)” の例文
旧字:引當
幸福な運命の一つを首尾しゆびよく自分に引当ひきあてたらしく思はれて、内心ほつとしたほどであつた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
貧乏鬮びんぼうくじ引当ひきあてた者は、祖先伝来の家屋敷や畑をすてゝ、代地だいちと云えば近くて十丁以内にはなく、他郷に出るか、地所が不足では農をよして他に転業しなければならぬ者もあろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
信覚が今の石垣島の外に引当ひきあてられぬ以上は、その後に続く球美もまた、その西隣の古見にちがいないと、島の人たちは信じているのだが、何分にも是と前に挙げた『旧記帳』の記事との間には
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)