電信柱でんしんばしら)” の例文
こらこら、それはここへ持って来て、お前たちは外へ行って遊んで来い。外に行けば、電信柱でんしんばしらでも何でも遊ぶものはいくらでもあるに
おじいさんのランプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「こりゃ不思議ふしぎだ、あんなまちなか電信柱でんしんばしらが一ぽんっている。そして、あの屋根やねにいるおとこが、しきりときながらおがんでいる。」
電信柱と妙な男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
シグナルつきの電信柱でんしんばしらが、いつかでたらめの歌をやめて、頭の上のはりがねのやりをぴんと立てながらをパチパチさせていました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そうして、町の中に、こんなに電信柱でんしんばしらやなにかが立たなかった時分じぶんには、東京でも、どんなに大きなたこを上げたかを話したりして
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
電信柱でんしんばしらがあるごとに、その根元ねもとへおしっこをかけたり、ほかの犬の姿をみつけると遠くからにらめていたり、ちっともおちついていないのです。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
電信柱でんしんばしらに燃えついた。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「おい。本線ほんせんシグナルつきの電信柱でんしんばしら、おまえの叔父おじ鉄道長てつどうちょうに早くそうって、あの二人はいっしょにしてやった方がよかろうぜ」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
電信柱でんしんばしら往来おうらい沿って、あちらまでとおくつづいていました。そして、そのさきは、あおい、あおい、そらしたえなくなっていました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
本線ほんせんシグナルつきの電信柱でんしんばしらは、ものを言おうとしたのでしたが、もうあんまり気が立ってしまってパチパチパチパチるだけでした。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
電信柱でんしんばしらはいうに、昼間ひるま人通ひとどおりがしげくて、おれみたいなおおきなものがあるけないから、いまごろいつも散歩さんぽするのにめている、とこたえた。
電信柱と妙な男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
父親ちちおやが、街道かいどうあるいていますと、電信柱でんしんばしら付近ふきんいているつばめは、「いま、おかえりですか。」と、いうようにこえました。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもは、ふたたびたからかに、口笛くちぶえらしました。すると、あかとりは、すぐみんなのあたまうえ電信柱でんしんばしらにきてまりました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、このものには、幾本いくほんあしがあって、それがへびのように、電信柱でんしんばしら街灯がいとうはしらに、まきついて、つめからがしたたっている。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
電信柱でんしんばしらさん、世間せけんひとはみんなきらいでも、おまえさんはきだ。これからいっしょに散歩さんぽしよう。」といって、二人ふたりはともにあるした。
電信柱と妙な男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、からびたつと、はるかあちらへんでゆきました。そして、街道かいどうにあった、一ぽん電信柱でんしんばしらにきてまったのです。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつであったか、電信柱でんしんばしらが、なんでも自分じぶんけば、このなかのことで、らないものはないといった、そのことをおもしたからでした。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかも、そのまどからは、これまでられなかったもりや、電信柱でんしんばしらや、とおくのたか煙突えんとつまでが、さながら、油絵あぶらえるようににうつったのです。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このまえこの地方ちほうに、稀有けう暴風ぼうふうおそったことがあります。そのときは、電信柱でんしんばしらをかたっぱしからたおしてしまいました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にんは、うすぐらい、建物たてものかべにそってあるいていました。そこの電信柱でんしんばしらしたにも、なが機械きかいのねているように、おおきな鉄管てっかんころがっていたのです。
石段に鉄管 (新字新仮名) / 小川未明(著)
電信柱でんしんばしらは、あたまに、いままでかぶったこともない帽子ぼうしをかぶされて迷惑めいわくしました。かれ自身じしんには、がないから、それをりはらうことができなかった。
頭をはなれた帽子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、ひとつやってみましょう。」と、かぜは、こたえて、電信柱でんしんばしらにかぶさっている帽子ぼうしばそうとしました。
頭をはなれた帽子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くもれめから、すごいほしひかりが、きらきらとかがやいている。しろしもは、電信柱でんしんばしらに、屋根やねうえっている。さむ北風きたかぜが、あのようにおとをたててゆく。
少女がこなかったら (新字新仮名) / 小川未明(著)
あおれた、そらしたで、電信柱でんしんばしら居眠いねむりをしていました。そのあたまうえまると、小鳥ことりは、くろいくちばしでコツ、コツとつついて、かれねむりをさました。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひか下界げかいおろしながらんでゆくうちに、わしは電信柱でんしんばしらのかぶっている帽子ぼうしつけて、つーうとりると、それをさらっていってしまったのです。
頭をはなれた帽子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ながあいだきたあおうみうえんだり、電信柱でんしんばしらうえにとまって、さえずっていましたつばめたちは、秋風あきかぜがそよそよといて、いろづくころになると、もはや
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
おまえは、毎日まいにち出歩であるくことがきだから、このむらはずれから十あちらのまちるまで、電信柱でんしんばしらかず幾本いくほんあるか、かぞえてみれ。それをてたら財産ざいさんけてやる。
星と柱を数えたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、だれか、小石こいしひろって、電信柱でんしんばしらいただきまっているあかとりがけて、げました。あかとりおどろいて、くもをかすめて、ふたたび夕空ゆうぞら先刻さっききたほうへと、んでいってしまいました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうとは、電信柱でんしんばしらを一ぽんずつかぞえてゆきました。
星と柱を数えたら (新字新仮名) / 小川未明(著)