“逢:お” の例文
“逢:お”を含む作品の著者(上位)作品数
夏目漱石7
田中貢太郎3
谷崎潤一郎3
泉鏡花2
太宰治1
“逢:お”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 神道 > 神祇・神道史50.0%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 風俗史・民俗誌・民族誌2.9%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸1.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「しかし鉄片が磁石にうたら?」「はじめて逢うても会釈えしゃくはなかろ」と拇指の穴をさかでて澄ましている。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが、その夜は、あいにく、にもめぐまれず、しかもそれ以後まもなく、二人の恋は、致命的な事件に会わねばならなかった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌日また正午頃ひるごろ、里近く、滝のある処で、昨日きのう馬を売りに行った親仁おやじの帰りにうた。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三谷と倭文子は、東京へ帰ってからも、三日に一度は、場所を打合わせて置いて、楽しいを続けていた。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
無理な一瞥いちべつもとに余のひとみに映った顔は、うたとしるすよりもむしろ眺めたと書く方が適当なくらい離れていた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この夜は、牽牛星けんぎゅうせいと織女星が、一年にいちどのう瀬をたのしむ夜だったはずではないか。
作家の手帖 (新字新仮名) / 太宰治(著)
男がしんから今夜のに感激しているなら、片時も女の側を離れまいとするのが当り前である。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
最前うた五六匹のじゃらんじゃらんもことごとくこの婆さんの腹の中でまた誰ぞ来たと思われては山をくだり、思われては山を登ったのだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眞「成程、じゃアわしが師匠にうてお前様お梅はんと寝て居りみすから、私に何うか賭博ばくち資本もとでを貸してお呉んなさませと云うか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「今日は、えらい目にうた、主翁、お前は、あの毎日碁を打ちに来る坊主を、んと思う」
竈の中の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「おお、先生はどうしとるか。帰ってから、まだ尋ねるひまがないから、行かんが。君先生にうたらよろしく云うてくれ。ついでに御嬢さんにも」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
不折ハ今巴里パリニ居テコーランノ処ヘ通ッテ居ルソウジャナイカ。君ニウタラ鰹節一本贈ルナドトイウテ居タガ、モーソンナ者ハ食ウテシマッテアルマイ。
しかしただうてただ別れるそでだけのえにしならば、星深き春の夜を、名さえびたる七条しちじょうに、さして喰い違うほどの必要もあるまい。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お千代が心ある計らいによって、おとよは一日つぶさに省作にうて、将来の方向につき相談をぐる事になった。それはもちろんお千代の夫も承知の上の事である。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
いわんやその人のためにはあらゆる背徳と忘恩の罪を犯してまで熱情を傾け盡したのに、う瀬を楽しめる時が来てから幾程もなく仲をかれてしまうのである。
「今曲者くせものうたのじゃ」若衆は既に沈着に声も乱さず云うのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
宮地翁が河野が神仙にうたことを知ったのは、明治九年の夏のことであった。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「それは目に見えておる。どういう目にうても」こう言いさして三男市太夫は権兵衛の顔を見た。「どういう目に逢うても、兄弟離れ離れに相手にならずに、固まって行こうぞ」
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そいで夏過ぎてからも、大阪の家が近いとこにあったさかい常時孰方どっちぞから呼び出してはうてたら、或る時女学校時代のお友達から綿貫のことについて妙なうわさあるのん聞いた。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かれがお通のあとを追うはほとん旬日前じゅんじつぜんよりにして、美人が外出をなすにうては、影の形に添う如く絶えずそこここ附絡つきまとうを、お通は知らねど見たる者あり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「月あかり見ればおぼろの舟のうち、あだな二上にあが爪弾つまびきに忍びうたる首尾の松。」と心悪こころにくいばかり、目前の実景をそのまま中音の美声に謡い過ぎるものがあった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あ、そうか。この間、何でも博士に一人うた」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人が昼間のうちに見合わせる眼付きは、こうしていよいよ冷やかになって行くばかりでした。そのかわりに二人の心は、日が暮れるのを待ちかねてこの地境の黒い土の上でを楽しみ合うのでした。
(新字新仮名) / 夢野久作(著)
相思の恋人を余儀なく人の夫にして近くに見ておったという悲惨な経過をとった人が、ようやく春の恵みにうて、新しき生命を授けられ、梅花月光の契りを再びする事になったのはおとよの今宵こよいだ。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
佐渡さどでは能登のとと土佐と二つの国から漂着した男女が、行きうてここに島人の始祖となったという伝説もあるそうだが、それはおそらく空想の翼が、え揃うてからのちの飛躍であった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
草履ぞうりつっかけ門口出づる、途端に今まで黙っていたりし女は急に呼びとめて、この二三日にのっそりめにうたか、と石から飛んで火の出しごとく声をはしらし問いかくれば、清吉ふりむいて、逢いました逢いました
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
時刻とき
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「長唄も岡安おかやすならまんざらでもないけれども、松永は唯つッこむばかりで面白くもなんとも有りゃアしない。それよりか清元の事サ、どうも意気でいいワ。『四谷よつやで始めてうた時、すいたらしいと思うたが、因果な縁の糸車』」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
光子さんもまた、「なんぼ神経麻痺してたかて、あてにうたらハッキリするやろ? そやなかったら熱情足らんねんし」いいなさって、興奮の程度で孰方どっちパッション強いか分る、そやさかい睡眠剤飲ますこと尚更なおさら止められへんいいなさいますねん。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
話と言うはこうで厶ります。ついこの冬の末にそれもこの二本松のお城下にあった話じゃそうに厶りまするが、怪談にうたは旅の憎じゃとか申すことで厶りました。多分修行なかばの雲水うんすいででも厶りましたろう。雪の深い夕暮どきだったそうで厶ります。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
「ありがたいことじゃ、ないないかような大難にうて、天主でうす様の御救おたすけにあずかり、天国はらいそうへ生れて、安楽な活計たつきに、ひもじい目にもわず、瓔珞ようらくをさげていたいと願うていたところじゃ、早う打ち殺して、天国はらいそうへやってくだされ」
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「薔薇のに酔える病を、病と許せるは我ら二人のみ。このカメロットに集まる騎士は、五本の指を五十度繰り返えすとも数えがたきに、一人として北に行かぬランスロットの病を疑わぬはなし。つかの間に危うきをむさぼりて、長きふちと変らば……」といいながら挙げたる手をはたと落す。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「いいえ、ただ名前だけ聞いているばかりで、——おやじは先刻せんこく御話をした通り、わしと終夜激論をしたくらいな間柄じゃが、せがれは五六歳のときに見たぎりで——実は貢五郎が早く死んだものだから、屋敷へ出入でいりする機会もそれぎり絶えてしもうて、——そのとんうた事がありません」
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)