義務ぎむ)” の例文
それでもわたくしはどうしてもこの方たちをおたすけするのが私の義務ぎむだと思いましたから前にいる子供らをしのけようとしました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ミハイル、アウエリヤヌヰチも猶且やはり初中終しよつちゆう、アンドレイ、エヒミチを訪問たづねてて、氣晴きばらしせることが自分じぶん義務ぎむ心得こゝろえてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ところ宗助そうすけがゐなくなつて、自分じぶん義務ぎむ一段落いちだんらくいたといふゆるみがるとひとしく、にごつた天氣てんきがそろ/\御米およねあたまはじめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ひと人以上ひといじやうものになることは出來できない、しかひとひと能力のうりよく全部ぜんぶつくすべき義務ぎむもつる。此義務このぎむつくせばすなは英雄えいゆうである、これが先生せんせい英雄經えいゆうきやうです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
法律ほうりつはこのおさない子どもを学校にかよわせることを義務ぎむづけてはいるが、そのために子どもを守る制度はないのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
してみると、かれに義務ぎむ責任せきにんなどいう考えのありようもなければ、きゅうくつも心配も不安もないわけだ。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
貴下あなた海上かいじやう法則ほうそくりませんか、たとへ如何どんことがあらうとも船員せんゐん以外いぐわいものそれくちばしれる權利けんりいです、またわたくし貴下あなたから其樣そん報告ほうこくける義務ぎむいです。
あれには義務ぎむということばの意味がわかっていない。それが犬におとるところだ。わかったかね
此の相續人になツた資格のうらには、種馬たねうまといふ義務ぎむになはせられてゐた。それで彼が甘三四と]なると、もう其の候補者こうほじやまでこしらへて、結婚をまられた。無論周三は、此の要求を峻拒した。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
わたしも一しよかんれよとてきわけもなくりし姿すがたのあくまであどけなきが不愍ふびんにて、もとよりれたのまねば義務ぎむといふすぢもなく、おんをきせての野心やしんもなけれどれより以來いらい百事萬端ひやくじばんたん
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私は町会長の義務ぎむを果して、博雄と二人だけでさんたんたる町を行くと、天地の間、私とこの孤児こじと二人のみがいるような錯覚さっかくをおぼえた。事実一瞬にして、世は孤立人のみの世界に変じたのである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
彼女かのじょは、子供こどもたいする最後さいご義務ぎむえたのでありました。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
『いやわたくし哲学者てつがくしゃでもなんでもい。が、これを主張しゅちょうするのは、おおい各人かくじん義務ぎむだろうとおもうのです、これは道理どうりのあることで。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それというのも、義務ぎむとか責任せきにんとかいうことを、まじめに正直しょうじきに考えておったらば、実際じっさい人間のはない。手足をばくして水中すいちゅうにおかれたとなんのわるところもない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
いや、よしんばそれ眞個ほんたう難破信號なんぱしんがうであつたにしろ、此樣こんな平穩おだやか海上かいじやう難破なんぱするやうなふねまつた我等われ/\海員かいゐん仲間以外なかまはづれです、なに面倒めんだう救助きうじよおもむ義務ぎむいのです。
「きみは一家といっしょにいるのが義務ぎむだと言うのかい。でもこれがきみの一家だろうか」
ハヾトフは折々をり/\病氣びやうき同僚どうれう訪問はうもんするのは、自分じぶん義務ぎむるかのやうに、かれところ蒼蠅うるさる。かれはハヾトフがいやでならぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
如何いかなる仕事しごとでも、わたくしちからかな相當さうたう義務ぎむつくしたいとかんがへたので、わたくしひざすゝめた。
あの日からわたしはおまえのためにできるだけつくしてやる義務ぎむができたのだ。だがわたしはいまの場合、なにもしてやることができない。それでわたしはわかれるのがいちばんいいと考えたわけだ。
ハバトフは折々おりおり病気びょうき同僚どうりょう訪問ほうもんするのは、自分じぶん義務ぎむであるかのように、かれところ蒼蠅うるさる。かれはハバトフがいやでならぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ミハイル、アウエリヤヌイチもやはり、しょっちゅう、アンドレイ、エヒミチを訪問たずねてて、気晴きばらしをさせることが自分じぶん義務ぎむ心得こころえている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いやわたくし哲學者てつがくしやでもなんでもい。が、これ主張しゆちやうするのは、おほい各人かくじん義務ぎむだらうとおもふのです、これ道理だうりことで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)