白晝はくちう)” の例文
新字:白昼
しかれども白晝はくちう横行わうぎやう惡魔あくまは、四時しじつねものにはあらず。あるひしうへだててかへり、あるひつきをおきてきたる。そのとききたとき進退しんたいつねすこぶなり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぢいよう」とんでくれゝばふいとものうくびもたげてあかるい白晝はくちうひかりることによつてなんともれぬうれしさになみだが一ぱいみなぎることもあるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
滿船まんせんてらそのひかり白晝はくちうあざむかんばかり、そのひかりした一個いつこ異樣ゐやうなる人影ひとかげあらはれて、たちま檣桁しやうかうたか信號旗しんがうきあがつた。
吹通ふきとほしのかぜすなきて、雪駄せつたちやら/\とひととほる、此方こなた裾端折すそはしをりしか穿物はきものどろならぬ奧山住おくやまずみ足痕あしあとを、白晝はくちういんするがきまりわるしなどかこつ。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うしておつぎもいつかくちのばつたのである。それでも到底たうてい青年せいねんがおつぎとあひせつするのは勘次かんじ監督かんとくもと白晝はくちう往來わうらいで一べつしてちがその瞬間しゆんかんかぎられてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
明鏡めいきやううつ海上海底かいじやうかいてい光景くわうけいながめつゝ、白晝はくちうならばたん水雷方位盤ダイレクターうごかすのみ、夜戰やせんならば發火電鑰はつくわでんやく一牽いつけんして、白色はくしよく緑色りよくしよく強熱電光きようねつでんくわう射出しやしつし、照星照尺せうせいせうしやくさだめて、旋廻輪せんくわいりん一轉いつてんすると
彼等かれらとなり主人しゆじんたいして平素へいそむくいようとするよりも將來しやうらいおそれてる。彼等かれらみなひとしくしづかにおちついた白晝はくちうにはたつことが家族かぞくやすいことをつてるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたしは——白晝はくちう北海ほくかい荒波あらなみうへおこところ吹雪ふゞきうづことがあります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みせかまどうへで、ざるすかすまで、あか/\とのさしたところは、燒芋屋やきいもやとしては威嚴ゐげんとぼしい。あれはれるほどなさむばんに、ぱつといきれがつにかぎる。で、白晝はくちう燒芋屋やきいもやは、呉竹くれたけさと物寂ものさびしい。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、へんじてきつねつて、白晝はくちうまどから蝙蝠かうもりごとくにえぬ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)