申譯まをしわけ)” の例文
新字:申訳
御新姐樣ごしんぞさままへへおあそばしたやうにえましたものでござりますから、かね胸充滿むねいつぱい申譯まをしわけをうか/\喋舌しやべつたでござります。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたし申譯まをしわけのない御無沙汰ごぶさたしてりましたが貴君あなたもお母樣つかさん御機嫌ごきげんよくいらつしやりますかとへば、いやわしくさみ一つせぬくらゐ、おふくろときたまれいみちやつはじめるがの
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
北側きたがはとこがあるので、申譯まをしわけためへんぢくけて、其前そのまへ朱泥しゆでいいろをしたせつ花活はないけかざつてある。欄間らんまにはがくなにもない。たゞ眞鍮しんちゆう折釘丈をれくぎだけが二ほんひかつてゐる。其他そのたには硝子戸がらすどつた書棚しよだなひとつある。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
合點がてんつたらかくかへれ、主人あるじ留守るすことはりなしの外出ぐわいしゆつ、これをとがめられるとも申譯まをしわけことばるまじ、すこ時刻じこくおくれたれどくるまならばひ一トとびはなしはかさねてきにかう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此處こゝ空屋あきやつてります……昨年さくねんんでましたつてなんえんもありませんものが、夜中やちうことわりもなしにはひつてまゐりましたんですもの。れましては申譯まをしわけがありません……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このときも、さいはひ何處どこまど閉込とぢこんでたから、きなつくさいのをとほして、少々せう/\小火ぼやにほひのするのが屋根々々やね/\ゆきつてげて、近所きんじよへもれないで、申譯まをしわけをしないでんだ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たる我々われ/\申譯まをしわけ言葉ことばなし、是非ぜひまりたまへとへども、いや/\其樣そのやうことはお前樣まへさま出世しゆつせあかつきにいふてくだされ、いまきゝませぬとて孤身みひとつ風呂敷ふろしきづゝみ、谷中やなかいへ貸家かしやふだはられて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……すみねまして、あのお布團ふとんへ。……申譯まをしわけがございません。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此家このやうち一人ひとりもなし老婆ばあさまも眉毛まゆげよまれるなと憎々にく/\しくはなつて見返みかへりもせずそれは御尤ごもつとも御立腹ごりつぷくながられまでのことつゆばかりもわたくしりてのことはなしおにくしみはさることなれど申譯まをしわけ一通ひととほりおあそばしてむかしとほりに思召おぼしめしてよと詫入わびいことばきもへずなんといふぞ父親てゝおやつみれは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
申譯まをしわけがございません。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)