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申譯
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まをしわけ
御新姐樣が
目の
前へお
立ち
遊ばしたやうに
見えましたものでござりますから、
豫て
胸充滿の
申譯をうか/\
喋舌つたでござります。
私は
申譯のない
御無沙汰して
居りましたが
貴君もお
母樣も
御機嫌よくいらつしやりますかと
問へば、いや
最う
私は
嚔一つせぬ
位、お
袋は
時たま
例の
血の
道と
言ふ
奴を
始めるがの
北側に
床があるので、
申譯の
爲に
變な
軸を
掛けて、
其前に
朱泥の
色をした
拙な
花活が
飾つてある。
欄間には
額も
何もない。
唯眞鍮の
折釘丈が二
本光つてゐる。
其他には
硝子戸の
張つた
書棚が
一つある。
合點が
行つたら
兎も
角も
歸れ、
主人の
留守に
斷なしの
外出、これを
咎められるとも
申譯の
詞は
有るまじ、
少し
時刻は
遲れたれど
車ならば
遂ひ一ト
飛、
話しは
重ねて
聞きに
行かう
此處は
空屋に
成つて
居ります……
昨年住んで
居ましたつて
最う
何の
縁もありませんものが、
夜中、
斷りもなしに
入つて
參りましたんですもの。
知れましては
申譯がありません……
この
時も、さいはひ
何處の
窓も
戸も
閉込んで
居たから、きなつ
臭いのを
通り
越して、
少々小火の
臭のするのが
屋根々々の
雪を
這つて
遁げて、
近所へも
知れないで、
申譯をしないで
濟んだ。
子たる
我々が
申譯の
言葉なし、
是非に
止まり
給へと
言へども、いや/\
其樣の
事はお
前樣出世の
曉にいふて
下され、
今は
聞ませぬとて
孤身の
風呂敷づゝみ、
谷中の
家は
貸家の
札はられて
……
炭が
刎ねまして、あのお
布團へ。……
申譯がございません。
此家の
内に
一人もなし
老婆さまも
眉毛よまれるなと
憎々しく
言ひ
放つて
見返りもせずそれは
御尤の
御立腹ながら
是れまでのこと
露ばかりも
私知りての
事はなしお
憎しみはさることなれど
申譯の
一通りお
聞き
遊ばして
昔の
通りに
思召してよと
詫入る
詞聞きも
敢へず
何といふぞ
父親の
罪は
我れは