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潵
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しぶき
余りの
労働、
羽の
間に
垂々と、
汗か、
潵か、
羽先を
伝つて、
水へぽた/\と
落ちるのが、
血の
如く
色づいて
真赤に
溢れる。……
この紀事の七尾湾も
一手の風に
潵を飛ばす、霊山の威を思うとともに、いまも吹きしむ
思がして、——大笹の
夜の宿に、ゾッと寒くなりました。
窓に
手をついてのびあがつて、づゝと
肩まで
出すと
潵がかゝつて、
眼のふちがひやりとして、
冷たい
風が
頬を
撫でた。
宝の山を暗まぎれ、
首領の隠家に泳がそうと、
潵のかかる
巌陰に
艪づかを掴んで、
白髪を乱して控えたのは、崖の小屋の総六で、これが明方
名告って出た。
しばらく
経つと、重さに半ば枕に
埋んで、がっくりとした我が
頭髪が、その
潵……ともつかぬ水分を受けるにや、じとりと濡れて、
粘々とするように思われた。
で、
老爺は
今度は
自分の
刻んだ
魚を、これは
又、
不状に
引握つたまゝ
斉しく
投げる、と
潵が
立つたが、
浮草を
颯と
分けて、
鰭を
縦に
薄黒く、
水際に
沈んでスツと
留る。
あら! あら!
短服に
靴を
穿いたものが
転がつて
来るぜと、
思つて、じつと
見て
居ると、
橋のまんなかあたりへ
来て
鼻眼鏡をはづした、
潵がかゝつて
曇つたと
見える。
村の
誰にかも
見せて、
怪しさを
唯潵の
如く
散らさう、と
人に
告げぬのでは
無いけれども、
昼間さへ、
分けて
夜に
成つて、
城ヶ
沼の
三町四方へ
寄附かうと
言ふ
兄哥は
居らぬ。
「
真個だよ、
霰だって、半分は、その海坊主が
蹴上げて来る、波の
潵が交ってるんだとさ。」
「
眞個だよ、
霰だつて、
半分は、
其の
海坊主が
蹴上げて
來る、
波の
潵が
交つてるんだとさ。」
私は
其まゝ
目を
外らしたが、
其の一
段の
婦人の
姿が
月を
浴びて、
薄い
煙に
包まれながら
向ふ
岸の
潵に
濡れて
黒い、
滑かな、
大な
石へ
蒼味を
帯びて
透通つて
映るやうに
見えた。
私はそのまま目を
外らしたが、その一段の
婦人の姿が月を浴びて、薄い煙に包まれながら向う岸の
潵に
濡れて黒い、
滑かな大きな石へ
蒼味を帯びて
透通って映るように見えた。
そうすると、
明くなって、
巌に
附着いた、
皆の形が、顔も
衣服も蒼黒くなって、あの、
大な
鮪が、巌に附着いておりますようで、
打着ります浪の
潵が白くかかって見えました。
菅笠を
目深に
冠つて
潵に
濡れまいと
思つて
向風に
俯向いてるから
顔も
見えない、
着て
居る
蓑の
裾が
引摺つて
長いから
脚も
見えないで
歩行いて
行く、
背の
高さは
五尺ばかりあらうかな