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極
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きわま
ふりがな文庫
“
極
(
きわま
)” の例文
お
蔭
(
かげ
)
で
名誉
(
めいよ
)
は
助
(
たす
)
かった。もう
出発
(
しゅっぱつ
)
しましょう。こんな
不徳義
(
ふとくぎ
)
極
(
きわま
)
る
所
(
ところ
)
に一
分
(
ぷん
)
だって
留
(
とどま
)
っていられるものか。
掏摸
(
すり
)
ども
奴
(
め
)
、
墺探
(
おうたん
)
ども
奴
(
め
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
人形の手足を
掙
(
も
)
いでおいたのに
極
(
きわま
)
って、蝶吉の血相の容易でなく、
尋常
(
ただ
)
では
納
(
おさま
)
りそうもない光景を見て、居合すは
恐
(
おそれ
)
と、
立際
(
たちぎわ
)
の
悪体口
(
にくていぐち
)
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若しそうだとすれば、この力のない子供みたい奴が、残虐
極
(
きわま
)
りなき数々の殺人を思い立った動機は、一体何にあったのであろう。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私は一人の婦人教育家をも加えない教育会議というものは全く世界の
趨勢
(
すうせい
)
を透察せず、日本の女子を
蔑視
(
べっし
)
した不親切
極
(
きわま
)
る組織だと考えます。
三面一体の生活へ
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
艫
(
とも
)
と
舳
(
へさき
)
の二カ所に赤々と
篝
(
かがり
)
を焚いて、
豪奢
(
ごうしゃ
)
極
(
きわま
)
りない金屏風を風よけに立てめぐらし、乗り手釣り手は船頭三人に目ざむるような小姓がひとり。
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
既にシャーターが
宰相
(
さいしょう
)
に任ぜられた時分に、前の法王であったテーモ・リンボチェが、ああもう
乃公
(
おれ
)
の寿命もこれで
極
(
きわま
)
ったといったそうですが
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
その談話は何かと聞けば、競馬の掛けごとに
麻雀賭博
(
マージャンとばく
)
、友人の悪評、出版屋の盛衰と原稿料の
多寡
(
たか
)
、その他は女に関する
卑猥
(
ひわい
)
極
(
きわま
)
る話で持切っている。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何だか苦痛
極
(
きわま
)
って暫く病気を感じないようなのも不思議に思われたので、文章に書いて見たくなって余は口で
綴
(
つづ
)
る、虚子に頼んでそれを記してもろうた。
九月十四日の朝
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
諸物の貴きこと此ときに
極
(
きわま
)
れり。酒は一升三百三十二文より下価の物なし。それも水を加味しぬるより、味ひ水くさく酔はずといふ。多く飲む者は必ず下痢す。
酒渇記
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
... どうも
遺憾
(
いかん
)
ですな、遺憾
極
(
きわま
)
るですなと調子を合せたのです」「ごもっともで」と主人が賛成する。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この横光氏が、日本というものについての複雑
極
(
きわま
)
る質問に、彼の標準による作家らしさ、手際よさで答えなければならない
端目
(
はめ
)
におかれたのである。焦慮察すべきものがある。
「迷いの末は」:横光氏の「厨房日記」について
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
里のことは
明
(
あきら
)
かに分るという、
応験化道
(
おうげんけどう
)
極
(
きわま
)
りなく百千年の
前
(
さき
)
まで
看
(
み
)
ぬくというえらいお比丘尼で、五十余歳でございますが、
年齢
(
とし
)
よりも十歳も若く見え、でっぷりして色白く
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
誰か
凋落
(
ちょうらく
)
の秋に
遭
(
お
)
うては
酸鼻
(
さんび
)
せざらん。人生酔うては歌い、醒めては泣く、
就中
(
なかんずく
)
余は
孤愁
(
こしゅう
)
極
(
きわま
)
りなき、漂浪人の胸中に思い到る
毎
(
ごと
)
に堪えがたき哀れを感じて、無限の同情を捧ぐるのである。
面影:ハーン先生の一周忌に
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
教門の弊、ここにおいてか
極
(
きわま
)
る。天運循環して
路得
(
ルター
)
氏興り、はじめてその弊を救い、しかして法王の権とみに衰う。けだしその弊のよりて起るところを察するに、教にあらずして人に存す。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
「堀川氏の筆に成れる、
哀婉
(
あいえん
)
極
(
きわま
)
りなき恋愛小説」とか何とか広告しますよ。
或恋愛小説
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「火をかけて逃げ去りおったに
極
(
きわま
)
った」
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
感
極
(
きわま
)
りて泣かざるはなし。
蘭学事始再版序
(新字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と下枝は引立られ、殺気満ちたる得三の面色、こは殺さるるに
極
(
きわま
)
ったりと、
屠所
(
としょ
)
の羊のとぼとぼと、廊下伝いに歩は一歩、死地に近寄る哀れさよ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな
不都合
(
ふつごう
)
極
(
きわま
)
る
汽車
(
きしゃ
)
は
無
(
な
)
いとか、
皆
(
みな
)
盗人
(
ぬすびと
)
のような
奴等
(
やつら
)
ばかりだとか、
乗馬
(
じょうば
)
で
行
(
ゆ
)
けば一
日
(
にち
)
に百ヴェルスタも
飛
(
と
)
ばせて、その
上
(
うえ
)
愉快
(
ゆかい
)
に
感
(
かん
)
じられるとか
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
無理にも感謝せまいと思うと、
何故
(
なぜ
)
それが我ながら苦しく空恐ろしく感じられるのでしょう。ああ、人間が血族の関係ほど重苦しく、不快
極
(
きわま
)
るものはない。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
東栄館に移った当座は、それでも、新しい友達が出来たりして、いくらか気がまぎれていましたけれど、人間というものは何と退屈
極
(
きわま
)
る生物なのでしょう。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
如何に不完全
極
(
きわま
)
る労働制度の中にあって、苛酷な労働を忍びながら、決して正当の報酬でない貧弱な賃銀を以て、なおかつ父兄の厄介とならない独立の生活を申訳だけにも建てつつあるかを思う時
平塚・山川・山田三女史に答う
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
この複雑
極
(
きわま
)
りなき開化と云うものができるのだと私は考えています。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これけだし教法多端にして、人心を二、三ならしむればなり。教門の弊、ここにおいてか
極
(
きわま
)
る。この時にあたりて新教を分布し、旧弊を救わずんば、その政に害ある、言うべからざるものあらんとす。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
上より
見下
(
みおろ
)
す花笠日傘の行列と左右なる家屋との対照及びその遠近法はいふまでもなく
爽快
(
そうかい
)
極
(
きわま
)
りなき感を与ふ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それがまた
勘
(
かん
)
が悪いと見えて、
船着
(
ふなつき
)
まで手を
牽
(
ひか
)
れて来る始末だ。
無途方
(
むてっぽう
)
も
極
(
きわま
)
れりというべしじゃないか。これで波の上を
漕
(
こ
)
ぐ気だ。
皆
(
みんな
)
呆
(
あき
)
れたね。
険難千方
(
けんのんせんばん
)
な話さ。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
動
(
うご
)
きもせぬ
大食
(
おおぐ
)
いな、
不汚
(
ふけつ
)
極
(
きわま
)
る
動物
(
どうぶつ
)
で、
始終
(
しじゅう
)
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
くような、
胸
(
むね
)
の
悪
(
わる
)
くなる
臭気
(
しゅうき
)
を
放
(
はな
)
っている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「何だ。」「何者だ。」「野蛮
極
(
きわま
)
る。」「
狂人
(
きちがい
)
だ。」と一時に
動揺
(
どよ
)
めく声の下より
朗
(
ほがらか
)
に歌うものあり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然れども人間の欲情もと
極
(
きわま
)
る処なし。我は遂に
棲
(
す
)
むべき
家
(
いえ
)
着るべき衣服
食
(
くら
)
ふべき料理までをも芸術の
中
(
うち
)
に数へずば止まざらんとす。進んで
我
(
わが
)
生涯をも一個の製作品として取扱はん事を欲す。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この明さんと、御自分の
令室
(
おくがた
)
が、てっきり不義に
極
(
きわま
)
った、と最早その時は言訳立たず。鶴谷の本宅から買い受けて、そしてこの空邸へ、その令室をとじ
籠
(
こ
)
めましょう。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
散るものに
極
(
きわま
)
る秋の柳かな
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ひとえに御目玉の
可恐
(
おそろし
)
いのも、何を
秘
(
かく
)
そう
繻子
(
しゅす
)
の帯に
極
(
きわま
)
ったのであるから、これより門口へかかる……あえて、のろけるにしもあらずだけれども、自分の
跫音
(
あしおと
)
は、聞覚えている。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其家
(
そこ
)
のなにがし、遠き昔なりけん、村隣りに尋ぬるものありとて、
一日
(
あるひ
)
宵のほどふと家を出でしがそのまま帰らず、捜すに処無きに至りて世に亡きものに
極
(
きわま
)
りぬ。三年の
祥月
(
しょうつき
)
命日の真夜中とぞ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目的物が出る
筈
(
はず
)
の、三の面が一小間切抜いてあるので、
落胆
(
がっかり
)
したが、いや、この
悪戯
(
いたずら
)
、嬢的に
極
(
きわま
)
ったり、と
怨恨
(
うらみ
)
骨髄に徹して、いつもより
帰宅
(
かえり
)
の遅いのを、玄関の障子から
睨
(
ね
)
め
透
(
すか
)
して待構えて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも窮苦
極
(
きわま
)
りなきに際して家を教えられたのであるから、事は小なりといえども梓は
大
(
おおい
)
なる恩人のごとくに感じた。感ずるあまり、梓は
亡
(
なき
)
母が仮に姿を
現
(
あらわ
)
して自分を救ったのであろうと思った。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“極”の意味
《名詞》
(きょく)2端のうちの一方。
(ごく)1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 = 1048を表す。載の次で恒河沙の前の位。
《形容動詞》
(ごく)程度の大きい様。
(出典:Wiktionary)
極
常用漢字
小4
部首:⽊
12画
“極”を含む語句
京極
極刑
見極
極端
極光
北極
極微
至極
極々
極彩色
取極
極月
極熱
極楽寺
感極
北極星
終極
結極
極限
極付
...