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家中
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うちぢう
ふりがな文庫
“
家中
(
うちぢう
)” の例文
曾祖母
(
ひいばあ
)
さん、
祖父
(
おぢい
)
さん、
祖母
(
おばあ
)
さん、
伯父
(
おぢ
)
さん、
伯母
(
おば
)
さんの
顏
(
かほ
)
から、
奉公
(
ほうこう
)
するお
雛
(
ひな
)
の
顏
(
かほ
)
まで、
家中
(
うちぢう
)
のものゝ
顏
(
かほ
)
は
焚火
(
たきび
)
に
赤
(
あか
)
く
映
(
うつ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
番頭の和助は四十男、これは物の影のやうな存在で、勘兵衞には信用されて居りましたが、
家中
(
うちぢう
)
の者は、まるつきり相手にもしません。
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
能樂師
(
のうがくし
)
、
松本金太郎
(
まつもときんたらう
)
叔父
(
をぢ
)
てきは、
湯
(
ゆ
)
どうふはもとより、
何
(
ど
)
うした
豆府
(
とうふ
)
も
大
(
だい
)
のすきで、
從
(
したが
)
つて
家中
(
うちぢう
)
が
皆
(
みな
)
嗜
(
たしな
)
んだ。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今にもあの電鈴の愉快な音が、勢よく
家中
(
うちぢう
)
に鳴り渡つたら、おれはこの肱掛椅子から立上つて、
早速
(
さつそく
)
遠来の珍客を迎へる為に、両腕を大きくひろげた儘、戸口の方へ歩いて
行
(
ゆ
)
かう。
窓
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
頼んで置いた車が
来
(
き
)
しとて
此処
(
ここ
)
からして乗り出せば、
家中
(
うちぢう
)
表へ送り出してお出を待まするの愛想、御祝義の
余光
(
ひかり
)
としられて、
後
(
あと
)
には力ちやん大明神様これにも有がたうの御礼山々。
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
蠶
(
かひこ
)
は
皆
(
みな
)
お玉の母親の心に感じたものか眼も
眩
(
まばゆ
)
い金銀の糸を吐いて大きな繭を
家中
(
うちぢう
)
にかけて
居
(
を
)
りましたから今まで
真暗
(
まつくら
)
なみじめなお玉の
家
(
いへ
)
の中はまるで王様のお
住居
(
すまゐ
)
の様に光り輝いて
居
(
を
)
りました。
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
これといつて
何
(
なに
)
一
(
ひと
)
つ取りとめたお
話
(
はなし
)
もいたしませんでしたのねえ、
狹
(
せま
)
い私の
家中
(
うちぢう
)
を
驅
(
か
)
け
廻
(
まは
)
つてゐるまあちやんとせつちやんの
遊
(
あそ
)
びは、
二人
(
ふたり
)
のやりかけた話をたび/\さらつて
行
(
ゆ
)
きました、私はたゞ
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
五千兩の紛失と、隱居の葬式の行惱みで、
家中
(
うちぢう
)
の者が
逆上
(
のぼせ
)
て居る間に、誰かの手が、この少年を後ろから一突にやつたのでせう。
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
の
石臼
(
いしうす
)
は
青豆
(
あをまめ
)
を
挽
(
ひ
)
くのが
自慢
(
じまん
)
でした。それを
黄粉
(
きなこ
)
にして、
家中
(
うちぢう
)
のものに
御馳走
(
ごちさう
)
するのが
自慢
(
じまん
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
……
急
(
きふ
)
ごしらへの
油
(
あぶら
)
の
足
(
た
)
りない
白
(
しら
)
ちやけた
提灯
(
ちやうちん
)
一具
(
ひとつ
)
に、
小
(
ちひ
)
さくなつて、
家中
(
うちぢう
)
が
目
(
め
)
ばかりぱち/\として、
陰氣
(
いんき
)
に
滅入
(
めい
)
つたのでは、
何
(
なん
)
にも
出來
(
でき
)
ず、
口
(
くち
)
もきけない。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まあ
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふてお
出
(
いで
)
なさると
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
を
問
(
と
)
ひかけるに、
仰
(
おつ
)
しやるまでもなく、どんなに
家中
(
うちぢう
)
が
淋
(
さび
)
しく
成
(
な
)
りましよう、
東京
(
こゝ
)
にお
出
(
いで
)
あそばしてさへ、一ト月も
下宿
(
げしゆく
)
に
出
(
で
)
て
入
(
い
)
らつしやる
頃
(
ころ
)
は
日曜
(
にちえう
)
が
待
(
まち
)
どほで
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
樂
(
たのし
)
い
爐邊
(
ろばた
)
には、
長
(
なが
)
い
竹
(
たけ
)
の
筒
(
つゝ
)
とお
魚
(
さかな
)
の
形
(
かた
)
と
繩
(
なは
)
とで
出來
(
でき
)
た
煤
(
すゝ
)
けた
自在鍵
(
じざいかぎ
)
が
釣
(
つ
)
るしてありまして、
大
(
おほ
)
きなお
鍋
(
なべ
)
で
物
(
もの
)
を
煮
(
に
)
る
塲所
(
ばしよ
)
でもあり
家中
(
うちぢう
)
集
(
あつ
)
まつて
御飯
(
ごはん
)
を
食
(
た
)
べる
塲所
(
ばしよ
)
でもありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一人
(
ひとり
)
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
して
置
(
お
)
いた
處
(
ところ
)
で、
留守
(
るす
)
に
山
(
やま
)
から
猿
(
さる
)
が
來
(
き
)
て、
沸湯
(
にえゆ
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
使
(
つか
)
はせる
憂慮
(
きづかひ
)
は
決
(
けつ
)
してないのに、
誰
(
たれ
)
かついて
居
(
を
)
らねばと
云
(
い
)
ふ
情
(
なさけ
)
から、
家中
(
うちぢう
)
野良
(
のら
)
へ
出
(
で
)
る
處
(
ところ
)
を、
嫁
(
よめ
)
を
一人
(
ひとり
)
あとへ
殘
(
のこ
)
して
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
剰
(
まけ
)
に
家中
(
うちぢう
)
、
無事
(
ぶじ
)
なものは
一人
(
ひとり
)
も
無
(
な
)
かつた。が
不思議
(
ふしぎ
)
に
私
(
わし
)
だけが
助
(
たすか
)
りました。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
氣
(
き
)
をつけて
居
(
ゐ
)
るのだから、
臺所
(
だいどころ
)
、もの
置
(
おき
)
は
荒
(
あら
)
しても、めつたに
疊
(
たゝみ
)
は
踏
(
ふ
)
ませないのに、
大地震
(
おほぢしん
)
の
一搖
(
ひとゆ
)
れで、
家中
(
うちぢう
)
、
穴
(
あな
)
だらけ、
隙間
(
すきま
)
だらけで、
我家
(
わがや
)
の
二階
(
にかい
)
でさへ、
壁土
(
かべつち
)
と
塵埃
(
ほこり
)
と
煤
(
すゝ
)
と、
襖
(
ふすま
)
障子
(
しやうじ
)
の
骨
(
ほね
)
だらけな
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
家中
(
うちぢう
)
なめた
男
(
をとこ
)
でも、
村
(
むら
)
がある。
世間
(
せけん
)
がある。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“家中”の意味
《名詞》
(かちゅう、いえじゅう)家、屋敷の中。
(かちゅう、いえじゅう)家全体。家族全員。
(かちゅう)大名の家臣全体。
(出典:Wiktionary)
“家中”の解説
家中(かちゅう)は、日本の中世から近世にかけての武家、およびその家臣団のことである。江戸時代においては大名領(藩)を支配する組織、または大名に仕える武士(藩士)のこと、あるいは大名の領土自体を指した。
(出典:Wikipedia)
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“家中”で始まる語句
家中誰
家中取鎮
家中粒選