大島おほしま)” の例文
声 下田しもだ監視哨報告。三十機以上より成る敵の爆撃機編隊はその先頭を以て、只今、大島おほしま南端上空を北進中。高度三千。
大島おほしまといふ名前なまへ火山島かざんとう伊豆いづ渡島おしまとにある。伊豆いづ大島おほしまゆうする火山かざん三原山みはらやまたか七百五十五米しちひやくごじゆうごめーとる)とづけられ、噴火ふんかふる歴史れきしゆうしてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
〔評〕幕府ばくふ南洲にわざはひせんと欲す。藩侯はんこう之をうれへ、南洲を大島おほしまざんす。南洲貶竄へんざんせらるゝこと前後數年なり、而て身益さかんに、氣益さかんに、讀書是より大に進むと云ふ。
殊に大島おほしまと云ふ僕の親友のちやんと机に向つたまま、いつかうんこをしてゐたのは喜劇中の喜劇だつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それあつければうめ、ぬるければたけきやくまつ揚場あがりばに、奧方おくがたはおさだまりの廂髮ひさしがみ大島おほしままがひのお羽織はおりで、旦那だんな藻脱もぬけかごそばに、小兒こども衣服きものあかうらを、ひざひるがへしてひかへてる。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
然ありて後還ります時に、吉備きび兒島こじまを生みたまひき。またの名は建日方別たけひがたわけといふ。次に小豆島あづきしまを生みたまひき。またの名は大野手比賣おほのでひめといふ。次に大島おほしま二〇を生みたまひき。
どんよりくもつてり/\小雨こさめさへ天氣てんきではあるが、かぜまつたいので、相摸灣さがみわんの波しづか太平洋たいへいやう煙波えんぱゆめのやうである。噴煙ふんえんこそえないが大島おほしまかげ朦朧もうろうかんでる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いもいへぎて見ましを大和やまとなる大島おほしまいへもあらましを 〔巻二・九一〕 天智天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
寶暦九年ほうれきくねん七月二十八日しちがつにじゆうはちにち弘前ひろさきおい西北方せいほくほうにはかくもはひらしたが、そのなかには獸毛じゆうもうごときものもふくまれてゐたといふ。これは渡島おしま大島おほしま噴火ふんかつたものである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あつくるしいね、かすりの、大島おほしまなにかでせう、襟垢えりあかいたあはせに、白縮緬しろちりめん兵子帶へこおびはらわたのやうにいて、近頃ちかごろだれます、鐵無地てつむぢ羽織はおりて、温氣うんきに、めりやすの襯衣しやつです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昨年さくねんなつ女中ぢよちゆうから小田原をだはらのお婿むこさんなどなぶられてたのを自分じぶんつてる、あゝ愈々いよ/\さうだ! とおもふとぼくいやになつてしまつた。一口ひとくちへば、うみやまもない、おき大島おほしまれがなんだらう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
爆發ばくはつちからすこぶ輕微けいびであつて、活動中かつどうちゆうおいても、中央火口丘ちゆうおうかこうきゆうちかづくことが容易よういである。渡島おしま大島おほしま歴史年代れきしねんだい數回すうかい噴火ふんか繰返くりかへしたが、兩者りようしやとも火山毛かざんもうさんすることは注意ちゆういすべきことである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
眞鶴まなづるはま風景ふうけいことし、大島おほしままで十三里じふさんり、ハジマまで三里さんりとぞ。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
むかうにかすかえるのが大島おほしまですよ。』
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)