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しやべ
ふりがな文庫
“
喋舌
(
しやべ
)” の例文
「
喋舌
(
しやべ
)
るな/\? さあ始めろ! あの滅茶苦茶に賑やかな
when you are alone
(
おまへがたつたひとりのときに
)
あの Fox-trot!」
センチメンタル・ドライヴ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
丁
(
ちやう
)
ど道臣が朝の
日供
(
につく
)
に拜殿へ出てゐたので、千代松は竹丸を相手にして、社務所を兼ねた家の勝手口でこんなことを
喋舌
(
しやべ
)
つてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
御新姐樣
(
ごしんぞさま
)
が
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へお
立
(
た
)
ち
遊
(
あそ
)
ばしたやうに
見
(
み
)
えましたものでござりますから、
豫
(
かね
)
て
胸充滿
(
むねいつぱい
)
の
申譯
(
まをしわけ
)
をうか/\
喋舌
(
しやべ
)
つたでござります。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
色がはりした、黒いまぐろをつまんで、平気でお
喋舌
(
しやべ
)
りしてゐる。没落しつこのない原始的な女の強さが、富岡には憎々しかつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「君は独逸語が
喋舌
(
しやべ
)
れるんだね。一寸待つてくれ。今朋輩を起して来るから。丁度今は士官が居ないから一等都合がいいんだよ。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
べら/\べら/\と口中を泡だらけにして
喋舌
(
しやべ
)
り立てる其綾子さんの監督の下に赤い机掛を掛けてチョコナンと坐つてゐた。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
平次が問ひかけると、娘多世里は自分の
喋舌
(
しやべ
)
り過ぎたことに氣が付いたらしく、ハツと口を
緘
(
つぐ
)
んで平次の顏を見上げました。
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
新聞
(
しんぶん
)
は
今朝
(
けさ
)
出
(
で
)
る
前
(
まへ
)
に
讀
(
よ
)
み
盡
(
つく
)
して
了
(
しま
)
つたし、
本
(
ほん
)
を
讀
(
よ
)
む
元氣
(
げんき
)
もなし、
眠
(
ねむ
)
くもなし、
喋舌
(
しやべ
)
る
對手
(
あひて
)
もなし、あくびも
出
(
で
)
ないし、さて
斯
(
か
)
うなると
空々然
(
くう/\ぜん
)
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
なに
引
(
ひ
)
つ
掛
(
かゝ
)
つちや
不可
(
いけ
)
ませんがね。
默
(
だま
)
つて
向
(
むかふ
)
に
喋舌
(
しやべ
)
らして、
聞
(
き
)
いてゐる
分
(
ぶん
)
には、
少
(
すこ
)
しも
危險
(
きけん
)
はありません。たゞ
面白
(
おもしろ
)
い
丈
(
だけ
)
です
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ミラア先生は、その時この室にゐたたつた一人の先生で、彼女をとりまいて立つてゐる大きい生徒の
群
(
むれ
)
は、眞面目な
險
(
けは
)
しい顏付で
喋舌
(
しやべ
)
つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「今顔洗つて直ぐ行くから、一寸待つて居て言うて呉れ——お前余計なことを
喋舌
(
しやべ
)
らねばよかつたのに——」
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「そうだとも、そうだとも。こりや一つ
何
(
なん
)
とかせにあなるめえ」その
癖
(
くせ
)
、
何
(
なに
)
一つ
爲
(
し
)
たことはないのです。
唯
(
たゞ
)
、
喋舌
(
しやべ
)
るばかりです。
爲
(
し
)
たくも
出來
(
でき
)
ないんでせう。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
一体、私は左様
他人
(
ひと
)
のことを
喋舌
(
しやべ
)
るのが嫌ひです——まして、貴方とは今日始めて御目に懸つたばかりで——
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
意地にでも黙つてゐたいんだけれど、あなたは、若いに似合はず、人の心の中を見抜くことがお上手だから、うつかり
喋舌
(
しやべ
)
らされてしまつたんです。さうです。
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
勝は外を通つてる人の聲を聞いても時々
氣疎
(
けうと
)
いことがありますぞな。ようあんな下卑たことを大きな聲で
喋舌
(
しやべ
)
つて、げら/″\笑つて居られると
愛相
(
あいそ
)
が盡きてしまふ。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
是
(
これ
)
は
怪
(
け
)
しからん事をするものだな、どうか
勘忍
(
かんにん
)
してやつて
呉
(
く
)
れまいか。亭「いや
勘忍
(
かんにん
)
出来
(
でき
)
ません、
彼
(
あ
)
れを
助
(
たす
)
けると
外
(
ほか
)
へ
行
(
い
)
つて
喋舌
(
しやべ
)
るからいけません……お
燗
(
かん
)
が
附
(
つ
)
きましたよ。 ...
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
行く
途
(
みち
)
でも新太郎ちやんは、紙鳶のことばかり話した。そして話に夢中になつてゐるときは、背中の赤ん坊が泣いても、ほつたらかして置き、口を
尖
(
とが
)
らして
喋舌
(
しやべ
)
るのであつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
と、少し調子づいて、
喋舌
(
しやべ
)
り續けてゐたS中尉は、その聲にふいと言葉を途切つて、一すすり番茶をすすると、また始めました。四人の眼が好奇心に輝いてゐたのは云ふまでもありません。
S中尉の話
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
仕方なく又次の日に行くと、今度は文句無しに
喋舌
(
しやべ
)
つてくれた。
足相撲
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「えへん、えへん、えへん。」と續けさまに咳をした道臣は、千代松が
喋舌
(
しやべ
)
る電報の中味を、竹丸やお駒に聞かせぬやうにしようとした。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
成程林檎は
沈黙家
(
むつゝりや
)
だが、芸者はよくお
喋舌
(
しやべり
)
をする。そして一番悪いのは長次郎氏のやうな人に、よく解らない事を
喋舌
(
しやべ
)
る事だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
喋舌
(
しやべ
)
り捲くるのを、唯一のお世辭と思ひ込んで居るのでせう、平次もやゝ暫らく、此饒舌の大
氾濫
(
はんらん
)
を、どうしやうもなく苦笑ひをするばかりです。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『だつて、校長先生、人の一生の名誉に
関
(
かゝ
)
はるやうなことを、
左様
(
さう
)
迂濶
(
うくわつ
)
には
喋舌
(
しやべ
)
れないぢや有ませんか。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
少
(
すくな
)
くとも
喋舌
(
しやべ
)
らないことを
以
(
もつ
)
て
甚
(
ひど
)
く
自分
(
じぶん
)
で
豪
(
え
)
らがる
者
(
もの
)
は
馬鹿者
(
ばかもの
)
の
骨頂
(
こつちやう
)
と
言
(
い
)
つて
可
(
よ
)
ろしい
而
(
そ
)
して
此種
(
このしゆ
)
の
馬鹿者
(
ばかもの
)
を
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
にチヨイ/\
見受
(
みう
)
ける
に
(
ママ
)
は
情
(
なさけ
)
ない
次第
(
しだい
)
である。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其處で、彼女は二人の間に坐らされて、佛蘭西語とあやしげな英語とを代る/″\
喋舌
(
しやべ
)
るのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ゆき子は三日も放つておかれた淋しさで、富岡の顔を見るなり、あれもこれも
喋舌
(
しやべ
)
りたかつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
此某は英語を
喋舌
(
しやべ
)
る天才を以て自ら任ずる男で、
欠
(
か
)
かさず英語会へ出席して、日本人と英語の会話を
遣
(
や
)
つて、それから英語で卓上演説をするのを、何よりの
楽
(
たのし
)
みにしてゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
他人
(
ひと
)
のことよりや、勝は自分の身に間違ひのないやうに考へとれ。
女子
(
をなご
)
が愚圖々々して歳を取つて、英語を
喋舌
(
しやべ
)
つて學校の先生になつたつて、何が面白いことがあらうぞい。」
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
人に
決
(
き
)
めてもらつた人物になるんでもなく、人の書いた
台詞
(
せりふ
)
を云ふんでもない、今日のやうな場合でも、自分が何処へ行くのかわからず、
一言
(
ひとこと
)
喋舌
(
しやべ
)
つた後で、何をしでかすかわからないんですもの。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
喋舌
(
しやべ
)
り出してみると、思ひの外私の舌は
滑
(
なめら
)
かに動いた。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
とうつかり
喋舌
(
しやべ
)
る。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
女史は急に日本語で
喋舌
(
しやべ
)
り出した。人間といふものは、すべて込み合つた事柄は自分の国の
語
(
ことば
)
で話した方が都合が
好
(
よ
)
いものだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お萬殺しの證據が見付かつたとか、何んとか言やあいゝ、家中の者が來たら、その
唐櫃
(
からびつ
)
を落した仕掛けの綱を見せて、馬鹿なことでも
喋舌
(
しやべ
)
つてゐてくれ
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と身振手真似を加へて
喋舌
(
しやべ
)
りたてたので、住職はもとより、其を聞く人々は笑はずに居られなかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
旅
(
たび
)
は
道連
(
みちづれ
)
、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
といふが、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
であらうと
無
(
な
)
からうと
別問題
(
べつもんだい
)
として
旅
(
たび
)
の
道連
(
みちづれ
)
は
難有
(
ありが
)
たい、マサカ
獨
(
ひと
)
りでは
喋舌
(
しやべ
)
れないが
二人
(
ふたり
)
なら
對手
(
あひて
)
が
泥棒
(
どろぼう
)
であつても
喋舌
(
しやべ
)
りながら
歩
(
ある
)
くことが
出來
(
でき
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
上がり口で
二人連
(
ふたりづれ
)
ではないと断わる筈の所を、
入
(
い
)
らつしやい、——どうぞ
御上
(
おあが
)
り——御案内——梅の四番
抔
(
など
)
とのべつに
喋舌
(
しやべ
)
られたので、
已
(
やむ
)
を得ず無言の儘
二人
(
ふたり
)
共梅の四番へ通されて仕舞つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなことを
喋舌
(
しやべ
)
つて、心をいら立たせるのは、折角保養に來た目的に背く譯ではあるし、そんな話のために昂奮して、今夜また熟睡されないやうではたまらないと、口に出かゝつた兄嫁の惡口を
新婚旅行
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
と、旦那は
反齒
(
そつぱ
)
の口から
唾液
(
つば
)
を飛ばして
喋舌
(
しやべ
)
つた。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
女弁護士はその弁護を
引請
(
ひきう
)
けて、法廷に立つた。そして色々の方面から熱心に
喋舌
(
しやべ
)
つた
効
(
かひ
)
があつて、
黒人
(
くろんぼ
)
は
巧
(
うま
)
く無罪になつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
使ひ走りや火の番をして居る與三松といふ中年男は、平次に縛られると、ペラペラと
喋舌
(
しやべ
)
つてしまひました。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
一人
(
ひとり
)
で
喋舌
(
しやべ
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
多くの代議士に
狗
(
いぬ
)
のやうな日本語で
喋舌
(
しやべ
)
らしておいて、黙つてそれを聴く事の出来る日本人の無神経さが
熟々
(
つく/″\
)
思はれる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
少し鼻を詰らせ乍らも、ガラツ八の身分柄も考へずに、思つた事を皆んな
喋舌
(
しやべ
)
らずには濟まない人柄です。
銭形平次捕物控:108 がらツ八手柄話
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
呉々
(
くれ/″\
)
も言つておくが、自分は知事や警部長や神様やを伯父さんには持つて居ない。自分の伯父さん達は何も知らない代りに、何も
喋舌
(
しやべ
)
らない人ばかりさ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
菊之助は、お粂と主人の事は何にも知らなかつた樣子ですが、その代り、他に主人を殺し兼ねまじき重大な動機を持つて居たことを自分で
喋舌
(
しやべ
)
つて了ひました。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
衛生学者は自分の口から出る一語一語が、生みたての卵のやうに滋養に富んでるらしい
口附
(
くちつき
)
をして
喋舌
(
しやべ
)
つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「あの男が五年前のことをぺら/\
喋舌
(
しやべ
)
つたばかりに、私は板倉屋の旦那に捨てられさうになりました。これほど
口惜
(
くや
)
しかつたら、殺しても不思議はないでせう」
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
政事家が余り
喋舌
(
しやべ
)
り過ぎて大臣の椅子から滑り落ちるやうに、雷も
時偶
(
ときたま
)
図に乗り過ぎて海へ落ちる事がある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
立てつ續けに
喋舌
(
しやべ
)
り捲くるので、訊く方では掛引も技巧も要りませんが、その代り恐ろしい
出鱈目
(
でたらめ
)
で、父親が死んで三日經たないうちに、お筆の後を追ひ廻して居る伜を
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
児玉氏はそれを聞くと、
唖
(
おし
)
のやうに黙つて荷物を包みにかゝつた。「お為めのいい」
石鹸
(
しやぼん
)
は
眇
(
すがめ
)
のやうな眼附で、利いた風な事を
喋舌
(
しやべ
)
る大学生の顔を見てゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
喋
漢検準1級
部首:⼝
12画
舌
常用漢字
小6
部首:⾆
6画
“喋舌”で始まる語句
喋舌家
喋舌立