高々たか/″\)” の例文
あんまりですから、主人あるじ引返ひつかへさうとしたときです……藥賣くすりうり坊主ばうずは、のない提灯ちやうちん高々たか/″\げて、しひ梢越こずゑごしに、大屋根おほやねでもるらしく、仰向あをむいて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
殊更ことさらいまより可愛かわゆものさへ出來いでこんに二人ふたりなか萬々歳ばん/\ざいあまはらふみとゞろかし鳴神なるがみかと高々たか/″\とゞまれば、はゝ眼下がんか視下みおろして、はなれぬもの一人ひとりさだめぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヂュリ histヒスト! ローミオー! histヒスト!……おゝ、こちの雄鷹をたかをば呼返よびかへ鷹匠たかじゃうこゑしいなア、囚人とらはれゆゑこゑしゃがれて、高々たか/″\とはばぬ。
としおそしと待居たり然るにあけ寅刻頃なゝつごろとも思ふ頃はるかに聞ゆる驛路えきろすゞ馬士唄まごうたこゑ高々たか/″\と來掛る挑灯てうちん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あれは弥勒みろく出世しゆつせの暁に弘法大師が皆の手を執つてお迎へに出られる誓願があつたからださうだが、大師の考へでは高々たか/″\三十人位の積りらしかつたが今のやうにたんと納まつては一寸始末に困るだらう。
飯島平左衞門も心嬉しく、鼻高々たか/″\
前垂まへだれがけの半纏着はんてんぎ跣足はだし駒下駄こまげた穿かむとして、階下かいかについ下足番げそくばん親仁おやぢのびをするに、一寸ちよつとにぎらせく。親仁おやぢ高々たか/″\押戴おしいたゞき、毎度まいどうも、といふ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
見らるゝに手跡しゆせきも見事にして其文章も勿々なか/\よくわかりしかば則ち目安方へ渡され目安方高々たか/″\讀上よみあげる其ぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ローザラインのほしのやうな眼附まみつき、あの高々たか/″\としたひたひ、あの眞紅まっくれなゐくちびる、あの可憐かはゆらしいあし、あの眞直まっすぐすね、あのぶる/\とふるへる太股ふともゝ乃至ないしその近邊ちかまにある處々ところ/″\けていのりまするぞ。
ちやう小脇こわきひきそばめてげつゝ、高々たか/″\仰向あふむいた、さみしいおほきあたまばかり、屋根やねのぞ來日くるひヶ峰みね一處ひとところくろいて、影法師かげぼふしまへおとして、たからかにふえらした。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
進まれければ目安方めやすかたこゑ高々たか/″\と小普請組宮崎内記支配嘉川主税之助同人家來安間平左衞門と呼上よびあげる時各々一同に平伏へいふくやがて越前守殿目安めやす方に建部郷右衞門ばんすけ十郎兩人の口書をと申されければ目安方めやすかたこれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(あれ、気味きみわるいよ。)といふと婦人をんな背後うしろ高々たか/″\かがとげてむかふへんだ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……其處そこで、昨日きのふ穿いたどろだらけの高足駄たかあしだ高々たか/″\穿いて、透通すきとほるやうな秋日和あきびよりには宛然まるでつままれたやうなかたちで、カラン/\と戸外おもてた。が、咄嗟とつさにはまぼろしえたやうで一疋ひとつえぬ。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
高々たか/″\いだいて、大童おほわらは
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)