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ふりがな文庫
“
辞
(
いな
)” の例文
旧字:
辭
こころ合はでも
辞
(
いな
)
まむよしなきに、日々にあひ見て
忌
(
い
)
むこころ
飽
(
あ
)
くまで
募
(
つの
)
りたる時、これに添はする
習
(
ならい
)
さりとてはことわりなの世や。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
強ての頼みを
辞
(
いな
)
み難く、態々迎ひに来たと語るのであつたが、然し一言もお定に対して小言がましい事は言はなかつた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
辞
(
いな
)
みやらんとは思へどもさすがに打付けにさいはんも何となく気の毒にてそのままに打過ごす、余はかほどまで果断なき乎、歎ずべき事の第一なり
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
道士が塩官州へくだったのち、朝廷からさらに天師に命令があったので、天師も
辞
(
いな
)
むことを得ずして
起
(
た
)
った。
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
十兵衞も分らぬことに思へども
辞
(
いな
)
みもならねば、
既
(
はや
)
感応寺の門くゞるさへ
無益
(
むやく
)
しくは考へつゝも、何御用ぞと行つて問へば、天地顛倒こりや
何
(
どう
)
ぢや、夢か現か真実か
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
あまり
良
(
よ
)
い
気持
(
きもち
)
は
致
(
いた
)
しませんでしたが、
修行
(
しゅぎょう
)
とあれば
辞
(
いな
)
むこともできず、
私
(
わたくし
)
はとある
巌
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
に
坐
(
すわ
)
って
統一状態
(
とういつじょうたい
)
に
入
(
はい
)
って
見
(
み
)
ますと、
果
(
はた
)
して
湖水
(
こすい
)
の
中
(
なか
)
は
肌
(
はだ
)
の
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
っぽい
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
書生として使いくれよとの重井の頼み
辞
(
いな
)
みがたく、先ずその
旨
(
むね
)
を承諾して、さて何故にかかる
変性男子
(
へんしょうだんし
)
の真似をなすにやと
詰
(
なじ
)
りたるに、
貴女
(
あなた
)
は男の如き
気性
(
きしょう
)
なりと聞く
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
乃
(
すなは
)
ち
辞
(
いな
)
び譲りて曰く、
臣
(
やつがれ
)
、
不幸
(
さいはひなき
)
、元より
多
(
さはの
)
病有り。何ぞ
能
(
よ
)
く
社稷
(
くにいへ
)
を保たむ。願くは
陛下
(
きみ
)
、天
の
下を挙げて皇后に附けよ。
仍
(
よ
)
りて大友皇子を立てて、
宜
(
よろ
)
しく
儲君
(
まうけのきみ
)
と
為
(
し
)
たまへ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
瓦師どう
仕
(
つかまつ
)
りまして、それを私方へ
将
(
つ
)
れ
往
(
ゆ
)
いたら瓦器が残らず踏み砕かれましょうと
辞
(
いな
)
む。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
今夜の御気分からお
辞
(
いな
)
みになることはできずに院は珍しい曲を一つだけお弾きになった。そんなこともあって大がかりな演奏ではないがおもしろい音楽の夜になったのである。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
兎角
(
とかく
)
は胸迫りて最後の会合すら
辞
(
いな
)
み候心、お察し被下度候、新橋にての別離、
硝子戸
(
ガラスど
)
の前に立ち候毎に、茶色の帽子うつり候ようの心地致し、今
猶
(
なお
)
まざまざと御姿見るのに候
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
兄長
(
このかみ
)
今夜
(
こよひ
)
菊花の
約
(
ちかひ
)
に
特
(
わざわざ
)
来る。
一〇九
酒殽
(
しゆかう
)
をもて迎ふるに、
再三
(
あまたたび
)
辞
(
いな
)
み給うて云ふ。しかじかのやうにて
約
(
ちかひ
)
に
背
(
そむ
)
くがゆゑに、
自
(
みづか
)
ら
刃
(
やいば
)
に伏して
陰魂
(
なきたま
)
百里を来るといひて見えずなりぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
平次の持出した
猪口
(
ちょく
)
、ガラッ八は
辞
(
いな
)
みもならず、冷で注いでキューッとやります。
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一仔細
(
ひとしさい
)
なくてはならぬ様子があるので、ぎょっとしながら、
辞
(
いな
)
むべき
数
(
すう
)
ではない。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
戦
(
たたかい
)
に臨む事は大小六十余度、闘技の場に登って槍を交えたる事はその数を知らず。いまだ佳人の贈り物を、身に帯びたる
試
(
ため
)
しなし。
情
(
なさけ
)
あるあるじの子の、情深き賜物を
辞
(
いな
)
むは礼なけれど……」
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが、京にのぼるのぞみだけは二つの乳ぶさのまんなかに、
誓文
(
ちかいぶみ
)
をはさみ込んでいるように棄てなかった。右馬の頭も下じもの役につき、なりわいを建てなおすことではどんなことでも
辞
(
いな
)
まなかった。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そして何んとなく懐かしい感じがする花である事は
辞
(
いな
)
み難い。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
大原も今は
辞
(
いな
)
むべきにあらず「アア
有難
(
ありがた
)
い」
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
既に重井と諸所を遊説せし身の
特
(
こと
)
に葉石との同行を
辞
(
いな
)
まんようなく、かつは
旧誼上
(
きゅうぎじょう
)
何となく不人情のように思われければ、重井の東京に帰るを機として妾も
一旦
(
いったん
)
帰郷し
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
十兵衛も分らぬことに思えども
辞
(
いな
)
みもならねば、はや感応寺の門くぐるさえ
無益
(
むやく
)
しくは考えつつも、何御用ぞと行って問えば、天地
顛倒
(
てんどう
)
こりゃどうじゃ、夢か
現
(
うつつ
)
か真実か
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
連れなる男は、
途
(
みち
)
にてやさしくのみ扱ひて、かしこにては『バワリア』といふ
座敷船
(
ザロンダムフェル
)
に乗り、食堂にゆきて物食はせつ。酒もすすめぬれど、そは慣れぬものなれば、
辞
(
いな
)
みて飲まざりき。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一二二
物のはじめに
辞
(
いな
)
みなんは
一二三
祥
(
さが
)
あしければとて、とりて
納
(
をさ
)
む。
今夜
(
こよひ
)
はここに
明
(
あか
)
させ給へとて、
一二四
あながちにとどむれど、まだ
一二五
赦
(
ゆるし
)
なき旅寝は、親の
一二六
罪
(
つみ
)
し給はん。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
辞
(
いな
)
みて唄わざらむには、うつくしき金魚もあわれまた継母の手に
掛
(
かか
)
りやせむ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かれも
辞
(
いな
)
みかねて十一ばかりの牡丹餅を持たせてやった。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
岩沼卿
(
いわぬまきょう
)
と
呼
(
よば
)
せらるる
尊
(
たっと
)
き御身分の
御方
(
おんかた
)
、是も御用にて欧州に御滞在中、数ならぬ我を見たて
御子
(
おんこ
)
なき家の跡目に
坐
(
すわ
)
れとのあり難き仰せ、再三
辞
(
いな
)
みたれど許されねば
辞
(
いなみ
)
兼
(
かね
)
て承知し
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
されどこの病児を産みてよりは、全くその楽しみを捨てたるに、福田は気の毒がりて、
機
(
おり
)
に触れては勧め
誘
(
いざな
)
いたれど、既に無形の娯楽を得たり、
復
(
ま
)
た
形骸
(
けいがい
)
を要せずと
辞
(
いな
)
みて応ぜず。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
須坂にて
昼餉
(
ひるげ
)
食べて、乗りきたりし車を山田まで
継
(
つ
)
がせんとせしに、
辞
(
いな
)
みていう、これよりは
路
(
みち
)
嶮
(
けわ
)
しく、牛馬ならでは
通
(
かよ
)
いがたし。偶〻牛
挽
(
ひ
)
きて山田へ帰る翁ありて、牛の
背
(
せな
)
借さんという。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
砕けた源太が
談話
(
はなし
)
ぶり
捌
(
さば
)
けたお吉が
接待
(
とりなし
)
ぶりにいつしか遠慮も打ち忘れ、
擬
(
さ
)
されて
辞
(
いな
)
まず受けてはつと
干
(
ほ
)
し
酒盞
(
さかずき
)
の数重ぬるままに、
平常
(
つね
)
から可愛らしき
紅
(
あか
)
ら顔を一層みずみずと
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其気色
辞
(
いな
)
むべくもあらず。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
清吉酔ふては
撿束
(
しまり
)
なくなり、砕けた源太が
談話
(
はなし
)
ぶり
捌
(
さば
)
けたお吉が
接待
(
とりなし
)
ぶりに何時しか遠慮も打忘れ、
擬
(
さ
)
されて
辞
(
いな
)
まず受けては突と干し
酒盞
(
さかづき
)
の数重ぬるまゝに、
平常
(
つね
)
から可愛らしき紅ら顔を一層
沢〻
(
みづ/\
)
と
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
辞
常用漢字
小4
部首:⾟
13画
“辞”を含む語句
返辞
讃辞
辞儀
辞退
言辞
別辞
台辞
世辞
遁辞
措辞
弔辞
楚辞
空世辞
辞義
諛辞
辞柄
悼辞
固辞
辞別
美辞
...