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詮議
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せんぎ
ふりがな文庫
“
詮議
(
せんぎ
)” の例文
私が渡辺七兵衛らと共に、綱宗さま側近の
奸物
(
かんぶつ
)
を斬って御
詮議
(
せんぎ
)
にかけられましたとき、御屋形さまお一人が私どもを
庇護
(
ひご
)
されました。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「野郎。ぬかしたな! 不浄役人の下っぱたアどなたさまに向かっていうんだ。
詮議
(
せんぎ
)
の筋があって来たんだ。うぬのうちア三蓋松か!」
右門捕物帖:34 首つり五人男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
番頭脇坂山城守は、不取締りの故をもって一件
落着
(
らくちゃく
)
まで
閉門謹慎
(
へいもんきんしん
)
を仰せつかっている。番士一同もそれぞれ理由に就いて
詮議
(
せんぎ
)
を受ける。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それで、墨の製法を詳しく知りたくなって、製造元を
詮議
(
せんぎ
)
してみると、日本の墨の製造所は、ほとんど全部奈良にあることがわかった。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
実際の力も物もない、その尊厳を、守るためだけに、無数の
雲上人
(
うんじょうびと
)
は、
衣冠
(
いかん
)
を正し、位階
勲職
(
くんしょく
)
の古制度だけをやかましく
詮議
(
せんぎ
)
していた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そこに妹の蔦代がいて、その身の上についての
詮議
(
せんぎ
)
が進められているのに、彼はそれに対しても耳さえ傾けてはいないような様子だった。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
もしまちがっているなら、彼はただ僕が何かの事情で考え違いをしたのだと思って、それについて
詮議
(
せんぎ
)
したりなどしないだろう。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
云うのであろうそのうちには本音を
吐
(
は
)
くであろうともうそれ以上の
詮議
(
せんぎ
)
は
止
(
や
)
めて
取敢
(
とりあ
)
えず
身二
(
みふた
)
つになるまで有馬へ
湯治
(
とうじ
)
にやることにした。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
山下さんは俊一君の無事な顔を見てから急に気が強くなって、その夜深更まで
詮議
(
せんぎ
)
を続けたが、縁談としては
何
(
ど
)
の点からも申分なかった。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
で法王がその履を穿くとご病気が起ったとかいうのでだんだん
詮議
(
せんぎ
)
の末その履の中を調べて見ると、ポン教の
咒文
(
じゅもん
)
が入って居ったという。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
萩之進を
窮命
(
きゅうめい
)
どうように押しこめて
詮議
(
せんぎ
)
をなさいましたが、もとより根もないことでございますから、
陳弁
(
ちんべん
)
いたしようもない。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
神に造られた一個の神聖な人命においてあらゆる
掟
(
おきて
)
が残酷に破棄されたことについて、どの法廷も
詮議
(
せんぎ
)
をしたものはなかった。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
これほどの人が何故に殺されたか、その
詮議
(
せんぎ
)
よりもまず何者が殺したかという詮議であったが、そこに残された刀が物を言う。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
紋所の
詮議
(
せんぎ
)
の最もやかましかったのは、足利時代から徳川時代へかけて、
名乗
(
なのり
)
の半分を家人にやる慣習の行われた頃である。
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その友人達が
詮議
(
せんぎ
)
をしていると、早稲田の某空家の中に原因の判らない
死方
(
しにかた
)
をして死んでいたと云う記事が、ある日の新聞に短く載っていた。
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
だから、もちろん、この問題に関して、ロシアの小僧っ子たちが夢中になっている近来のいっさいの原理を
詮議
(
せんぎ
)
だてすることもやはり御免だ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
吐
(
はい
)
て
遂
(
つひ
)
に其夜の九ツ時に感應院は
淺
(
あさ
)
ましき
最期
(
さいご
)
をこそ
遂
(
とげ
)
たりける名主を始め
種々
(
しゆ/″\
)
詮議
(
せんぎ
)
すれば
煤掃
(
すゝはき
)
の
膳部
(
ぜんぶ
)
より外に何にも
喰
(
たべ
)
ずとの事なり
依
(
よつ
)
て膳部を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これから家を移すにしても方角の
詮議
(
せんぎ
)
もしてみるが
可
(
い
)
い、こう言って、
猶
(
なお
)
この家の図は自分の方から送って置く、と親切な口調で話して行った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
帳消しにすることによって次郎が現在以上の人間になれると
請合
(
うけあ
)
えない以上、今さらとやかく
詮議
(
せんぎ
)
立てしてみても、はじまらないことなのである。
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
水を指さしてむかしの氷の形を語ったり、空を望んで花の
香
(
か
)
の
行衛
(
ゆくえ
)
を説いたところで、役にも立たぬ
詮議
(
せんぎ
)
というものだ。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
されば、日柄の
詮議
(
せんぎ
)
もばかばかしいものである。
諺
(
ことわざ
)
に「知らぬが仏」というが、日柄などは知らぬ方がはるかにましだ。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「隠語が浮世に現われたなら、また一騒動起こるだろう。イマニエル司僧様や天童様が、
詮議
(
せんぎ
)
されないものでもない」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
即ち極く広義の恋愛情調であるから、説く人によっては、恋人のことを歌ったのではないかと
詮議
(
せんぎ
)
するのであるが、
其処
(
そこ
)
まで云わぬ方が
却
(
かえ
)
っていい。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
余は
固
(
もと
)
より下級社員合宿所の標本として、化物屋敷の中を一覧したまでで、化物の
因縁
(
いんねん
)
はまだ
詮議
(
せんぎ
)
していなかった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
役人たちは当然の順序として、まずその
詮議
(
せんぎ
)
に取りかかった。町内の者もことごとく吟味をうけたが、誰もこの雪達磨を作ったと白状する者はなかった。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「切腹を仰せ付けられたからは、一応
尤
(
もっと
)
もな申分のように存ずる。
詮議
(
せんぎ
)
の上で沙汰いたすから、
暫時
(
ざんじ
)
控えておれ」
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
直接の弟子や孫弟子が気に留めなかった宿を、なぜ百五十年の後に人々が
詮議
(
せんぎ
)
したのか。それはこのころに孔子の伝記が形成されつつあったからである。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
詮議
(
せんぎ
)
もひどく容易なのになあ、と真顔でくやしがって
溜息
(
ためいき
)
をつき、あたら勇士も、しどろもどろ、既に正気を失い命のほどもここ一両日中とさえ見えた。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
しかし、そんなことをこれ以上かれこれ
詮議
(
せんぎ
)
だてしたって詰まらないから、じゃあ
奮発
(
ふんぱつ
)
して一ルーブリ半ずつで買いましょう。それ以上は出せませんよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
彼が江戸獄中にて、いよいよ死刑の
詮議
(
せんぎ
)
一決したるを洩れ聞くや、彼は実にその父母に向って、左の歌を贈れり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
あんな記事が現われてはもう会社としても黙ってはいられなくなって、大急ぎで
詮議
(
せんぎ
)
をした結果、倉地と船医の
興録
(
こうろく
)
とが処分される事になったというのだ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
その
詮議
(
せんぎ
)
はあとまわしだ。今は、なには
兎
(
と
)
もあれ、
待避
(
たいひ
)
しなければならない。私は、椅子から腰をあげた。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
巳之松は
詮議
(
せんぎ
)
中牢死し、根岸から山谷へかけて
蔓
(
はび
)
こつた切支丹も、それつ切り消息を絶つてしまひました。
銭形平次捕物控:250 母娘巡礼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あれこれと
詮議
(
せんぎ
)
していたが、結局何も買わずに出てしまうと、今度は帽子屋の店へもちょっと入ってみた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
さういふその男の
魂膽
(
こんたん
)
はどこにあつたか? しかしおきみと周三は、その疑問を
詮議
(
せんぎ
)
する前に、背に腹は代へられぬ、といふせつぱ詰つた氣持ちから、とりあへず
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
されど
妾
(
しょう
)
の学校はその翌日、時の県令
高崎
(
たかさき
)
某より、「
詮議
(
せんぎ
)
の
次第
(
しだい
)
有之
(
これあり
)
停止
(
ていし
)
候事
(
そうろうこと
)
」、との命を
蒙
(
こうむ
)
りたり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
見ざる所を信ずる信をして信たらしむるもの、是れ
即
(
やが
)
て既に幾分か見たる所の或物を根柢とせるが故に
非
(
あら
)
ずや。
勿論
(
もちろん
)
詮議
(
せんぎ
)
を厳にしていはば、見は
竟
(
つひ
)
に信に帰著すべし。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
圍者
(
かこひもの
)
の
相談
(
さうだん
)
とおぼしけれど、
懲
(
こ
)
りて
詮議
(
せんぎ
)
に
及
(
およ
)
ばず。まだ
此方
(
こつち
)
が
助
(
たすか
)
りさうだと
一笑
(
いつせう
)
しつゝ
歸途
(
きと
)
に
就
(
つ
)
く。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
處へもツて來て、一日々々に
嬌態
(
しな
)
を見せられるやうになツて行くのだから耐らぬ。周三がお房を
詮議
(
せんぎ
)
する眼は一日々々に
寛
(
ゆる
)
くなツた。そして
放心
(
うつかり
)
其の事を忘れて了ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
著者は過去の歴史に徴しまた現在の物理学を
詮議
(
せんぎ
)
して見た時に、少くも今のままの姿でそれ(註、物理学の進歩の経路)が必然だという説明は存しないと思うものである。
比較科学論
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
私は大江春泥の脅迫めいた手紙について、あれこれと
詮議
(
せんぎ
)
立てをすることよりは、優しい言葉で静子を慰めることの方に力を注いだ。無論私にはそれが嬉しかったからだ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それよりもむしろそれから先は宗教家の努力の領域として残し、その道徳上の罪悪を他より
訐
(
あば
)
かずとも、自ずから悔悟せしむるに勉むるが
宜
(
よろ
)
しい。外人はその様な
詮議
(
せんぎ
)
立てをせぬ。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
父は
閑日月
(
かんじつげつ
)
の
詮議
(
せんぎ
)
よりもむしろその方をよろこんでいたのだろう。そこに父の平生抑えていて
弛
(
ゆる
)
めぬ
克己心
(
こっきしん
)
の発露がある。こうして父は苦行の道を
択
(
えら
)
んで一生を過したといって好い。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
幕府が令を発して世人の
漫
(
みだり
)
に海防の論議をなし人心を騒すことを禁じたのはあたかもこの年の五月である。毅堂は『聖武記採要』を刊行したために町奉行所の
詮議
(
せんぎ
)
するところとなった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
道教の徒がつとにこの飲料を用いたことを確証するようないろいろな話の真偽をゆっくりと
詮議
(
せんぎ
)
するのも価値あることではあるが、それはさておきここでいう道教と禅道とに対する興味は
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
さては
放蕩
(
のら
)
かと人々顔を見合せてお峯が
詮議
(
せんぎ
)
は無かりき、孝の余徳は我れ知らず石之助の罪に成りしか、いやいや知りて
序
(
ついで
)
に
冠
(
かぶ
)
りし罪かも知れず、さらば石之助はお峯が守り本尊なるべし
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そんな下らんことばかり
詮議
(
せんぎ
)
だてする暇に、なぜ殿下に近付く工夫でもしないんですよ! と
詰
(
なじ
)
らんばかりの、この
我儘
(
わがまま
)
な婦人を促して嬢の聞き得たところは、大体こういうことであった。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
のりにしましても、どういうのりがもっともよいかという比較
詮議
(
せんぎ
)
をする。
日本料理の基礎観念
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
誰が殺したにしたところで、それはもう
過去
(
すぎさ
)
ったことで、幾ら
詮議
(
せんぎ
)
したとて彼女は
生還
(
いきかえ
)
っては来ないではありませんか。蕗子が生存しない以上私がこの世に残って何をしようと同じことです。
流転
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
周ははじめて夢が
醒
(
さ
)
めたように思った。そこで周は弟に事情を話して、もう
詮議
(
せんぎ
)
することをやめるがいいといった。弟はびっくりして暫くは眼をみはっていた。周はそこで子供のことを聞いた。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
“詮議”の意味
《名詞》
詮 議(せんぎ)
評議して物事を説き明かすこと。
罪人を取り調べたり、行方を捜索したりすること。
(出典:Wiktionary)
詮
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
議
常用漢字
小4
部首:⾔
20画
“詮議”で始まる語句
詮議立
詮議中
詮議方
詮議法