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もくろみ
ふりがな文庫
“
目論見
(
もくろみ
)” の例文
そのうちにお信さんは、金太郎の
目論見
(
もくろみ
)
を察し、それを止めようとしたが、金太郎にしてはいまさら思ひ留るわけにも行かなかつた。
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一、
最初
(
さいしよ
)
の
一瞬間
(
いつしゆんかん
)
に
於
(
おい
)
て
非常
(
ひじよう
)
の
地震
(
ぢしん
)
なるか
否
(
いな
)
かを
判斷
(
はんだん
)
し、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
目論見
(
もくろみ
)
を
立
(
た
)
てること、
但
(
たゞ
)
しこれには
多少
(
たしよう
)
の
地震知識
(
ぢしんちしき
)
を
要
(
よう
)
す。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
その声は葉子の
目論見
(
もくろみ
)
に反して恐ろしくしとやかな響きを立てていた。するとその男は
大股
(
おおまた
)
で葉子とすれすれになるまで近づいて来て
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
苦労をさせたことを忘れないので銀子のことは銀子の好きなようにさせ、娘を
操
(
あやつ
)
って自身の
栄耀
(
えいよう
)
を図ろうなどの
目論見
(
もくろみ
)
は少しもなかった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いよいよ
蓋
(
ふた
)
を明けましたのが確か五月の六日……五日の節句という
目論見
(
もくろみ
)
であったが、間に合わず、六日になったように記憶しております。
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
セレブリャコーフ どうもわからん、なぜ君はそう興奮するのかね? わたしだって何も、この
目論見
(
もくろみ
)
が理想的なものだなどと言いはしない。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あんな高価な紙鳶を手に入れるどういふ
目論見
(
もくろみ
)
なのか解らなかつたが、その声の中には、きつと返して見せるといふ
凜
(
りん
)
とした意志の
閃
(
ひらめき
)
があつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
これが
彼奴等
(
あいつら
)
の本音であったのだ。長い道中を、散々怖がらせ、いじめ抜いて置いて、最後には、今の世に聞いたこともない磔刑の
目論見
(
もくろみ
)
とは。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
仮令
(
たとえ
)
兄の言うように、小父さんにどんな
目論見
(
もくろみ
)
があろうとも、そのために小父さんを憎む気にはどうしても成れなかった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日本人種
(
にほんじんしゆ
)
といふものは
却々
(
なか/\
)
器用
(
きよう
)
でござりますから、
忽
(
たちま
)
ち一つの
発明
(
はつめい
)
をいたし、
器械
(
きかい
)
が
出来
(
でき
)
て見ると、
之
(
これ
)
に
就
(
つ
)
いて一つの
新商法
(
しんしやうはふ
)
の
目論見
(
もくろみ
)
を
起
(
おこ
)
しました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
職長は
目論見
(
もくろみ
)
外れから工合悪そうに、肩を振って帰って行った。職工たちの眼はそれを四方から思う存分
嘲
(
あざけ
)
った。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
然
(
さ
)
候わば今日道通りの民家を焼払わしめ、明日は高清水を
踏潰
(
ふみつぶ
)
し候わん、と氏郷は云ったが、
目論見
(
もくろみ
)
の
齟齬
(
そご
)
した政宗は無念さの余りに第二の一手を出して
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
今は故人の松下軍治がしたゝか者だつた事は知らぬ者もないが、
譬
(
たと
)
へば、金でも借りようとか
蔓
(
つる
)
でも
発見
(
めつけ
)
ようとかいふ
目論見
(
もくろみ
)
で人を訪ねる事があるとする。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
然し繼母に取つてはすべての
目論見
(
もくろみ
)
がはづれてしまつたのだ。貰ひ娘は、かの女がここへ這入る前に、自家へ下宿人を一人置いてたその人と一緒になつてしまつた。
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
弓之進め用心深いからな……そういう訳ならそれもよかろう。せっかくの
目論見
(
もくろみ
)
だ、とげさせてやろう
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そうすると、つまり、日本中の芸者と女郎を集めて、毛唐に見せてやりてえと、こういう
目論見
(
もくろみ
)
か」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
でも僕にはひとつの
目論見
(
もくろみ
)
があったのです。あの不破家の八畳の板の間、あるいは好天気の折は庭先を利用して、毎日曜毎に小学生相手の画の講習実習をやったらどうだろう。
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
お父さんは余程以前からこういう
目論見
(
もくろみ
)
をしていたと見えて、旅行日程の書いてある手帳を持って来た。そうして二人がなお話しているところへ
団
(
だん
)
さんがノソッと姿を現した。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
同じ拗者仲間の
高橋由一
(
たかはしゆいち
)
が負けぬ気になって
何処
(
どこ
)
からか
志道軒
(
しどうけん
)
の木陰を手に入れて来て
辻談義
(
つじだんぎ
)
を
目論見
(
もくろみ
)
、椿岳の浅草絵と
鼎立
(
ていりつ
)
して
大
(
おおい
)
に江戸気分を吐こうと計画した事があった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
これは清川八郎の
目論見
(
もくろみ
)
で、それが新徴組になったのです。こんな歴史は今改めていうまでもない話であるが、諸藩の注意人物を、どうするこうするというようなものじゃない。
中里介山の『大菩薩峠』
(新字新仮名)
/
三田村鳶魚
(著)
パリはいまだかつて彼の心を
惹
(
ひ
)
かない。彼はパリを知らないのである。パリもほかの町と違うはずはない、こう思っている。それで博覧会にも出掛けようという
目論見
(
もくろみ
)
さえ立てない。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
敵は、ああたと井上君との地盤を調べて、票を片っぱしから食うてしまう
目論見
(
もくろみ
)
じゃ
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
どこかへ売りつけようという
目論見
(
もくろみ
)
ではあったが、つい気がひけて出来なかった。
骨を削りつつ歩む:――文壇苦行記――
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「私の
伯父
(
おじ
)
と兄は恐ろしい盗人で、今晩
貴郎
(
あなた
)
方を殺して、金を
奪
(
と
)
る
目論見
(
もくろみ
)
をしておりますが、決して指一本も差させませんから、静に寝ておってくださいませ、私に考えがございます」
参宮がえり
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
蔭
(
かげ
)
ではだいぶ
不仕末
(
ふしまつ
)
の事があったそうだ、社会主義も唱えたそうだ、某婦人と仲がよかったそうだ、
謀叛
(
むほん
)
の
目論見
(
もくろみ
)
さえしたそうだ、
始終
(
しじゅう
)
下等な女や悪党の仲間につき合っておったそうだ
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ロシアは確かに北方から南下してチベットに侵入しようと
目論見
(
もくろみ
)
つつある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
カフェーの
給仕
(
きゅうじ
)
気分と、いにしえの太夫の気分とを集めたものへ、芸妓の
塩梅
(
あんばい
)
と、奥女中のとりなしとを加減して、そのころの紳士の慰楽の園としようとした
目論見
(
もくろみ
)
で、お
振袖
(
ふりそで
)
を着せて舞わせもし
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
と云うと、僕に始からある
目論見
(
もくろみ
)
があって、わざわざ鎌倉へ出かけたとも取れるが、
嫉妬心
(
しっとしん
)
だけあって競争心を
有
(
も
)
たない僕にも相応の
己惚
(
うぬぼれ
)
は陰気な暗い胸のどこかで時々ちらちら
陽炎
(
かげろ
)
ったのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
上下合体ともに太平を
謡
(
うた
)
わんとするの
目論見
(
もくろみ
)
ならん。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
目論見
(
もくろみ
)
まして、幾度私と喧嘩するかも知れません
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
振
(
ふり
)
否々
(
いや/\
)
然に非ず此は此程
手土産
(
てみやげ
)
にても持參すべきなれども其代りに進ぜるなりと種々申て
漸々
(
やう/\
)
受納
(
うけをさ
)
めさせ
猶
(
なほ
)
靱負
(
ゆきへ
)
は申樣我等未だ少々の
資本
(
しほん
)
もあれば何ぞ一
目論見
(
もくろみ
)
致し度思ふなり何と
金貸渡世
(
かねかしとせい
)
は如何有らんと
相談
(
さうだん
)
なせば主は
駭
(
おどろ
)
き御身何程の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
教師はしきりにその用途を問いただしたが、恥じやすい
乙女心
(
おとめごころ
)
にどうしてこの夢よりもはかない
目論見
(
もくろみ
)
を白状する事ができよう。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「
内儀
(
かみ
)
さんを一人世話しましょう。いいのがありますぜ。」と和泉屋は、新吉の店がどうか成り立ちそうだという
目論見
(
もくろみ
)
のついた時分に口を切った。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして、その本拠が製氷工場であること、倭文子さん達がそこに
幽閉
(
ゆうへい
)
されたことが分ると、僕はすぐ、谷山の恐ろしい
目論見
(
もくろみ
)
を感づいたのです。……
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
更
(
ふ
)
けて遅く帰るようで有ったらば隙を
覗
(
うかゞ
)
って打果してしまうか、
或
(
あるい
)
は旨く
此方
(
こちら
)
へ引入れて、家老ぐるみ抱込んでしまうかと申す
目論見
(
もくろみ
)
でございます。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いつも錢形の親分にばかり手柄を持つて行かれるから、今度こそはこちとらだけで、左傷の五右衞門を擧げようといふ
目論見
(
もくろみ
)
だ。捕頭は秋葉の小平親分
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……ふん、フランスじゃそうかも知れないけれど、このロシアじゃ、そんな
目論見
(
もくろみ
)
もへったくれもありゃしない。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一つヤンヤといわせる
目論見
(
もくろみ
)
であるのだが、それには一趣向あるので、自分の案としていろいろ考えた結果、日本の鳥を主題にして諸家に製作を頼んだのである。
幕末維新懐古談:56 鶏の製作を引き受けたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
先日
(
こなひだ
)
の朝も、上西氏が郵船株の
目論見
(
もくろみ
)
で夢中になつてゐると、鞍の下では馬は哲学上の大発見をした。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「そうするとつまり、日本中の芸者と女郎を集めて毛唐に見せてやりてえと、こういう
目論見
(
もくろみ
)
か」
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
水を飲ませて貰っている中に、住職に会って、東洋行の
目論見
(
もくろみ
)
を話したんだね。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それから考えるとそれは当時新聞社の慣用手段のふところ
金
(
がね
)
をむさぼろうという
目論見
(
もくろみ
)
ばかりから来たのでない事だけは明らかになった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「それは
俺
(
おれ
)
に任せて置けばいいのだ。君達は、黙って俺の
指図
(
さしず
)
に従っていればいいのだ。二三日の内に、俺のすばらしい
目論見
(
もくろみ
)
が、君達にも分るだろう」
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
横井源太郎は物々しくうなづきました、打越金彌の
目論見
(
もくろみ
)
が、次第にわかつて來るやうな氣がするのです。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして、
目論見
(
もくろみ
)
通りをやったところ、予期通りそれが
旨
(
うま
)
く行って、文句なしに畠を通してくれました。
幕末維新懐古談:73 栃の木で老猿を彫ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「
私
(
わし
)
もそういつまでぶらぶらしてはいられないで、今度という今度は商売をやろうと思って、そのことでいろいろ用事もあるで……。」と言うていたが、父親の
目論見
(
もくろみ
)
では
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
してみれば、やっぱり何物をか新たにその台座の上に建てようとの
目論見
(
もくろみ
)
に相違ない。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夜詰
(
よづめ
)
の御家来も
多勢
(
おおぜい
)
附いて居ります、其の中には悪い家来が、
間
(
ま
)
が
宜
(
よ
)
くば毒殺をしようか、
或
(
あるい
)
は縁の下から忍び込んで、殺してしまう
目論見
(
もくろみ
)
があると知って、忠義な御家来の注意で
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
葉子は張り出しになっている六畳の
部屋
(
へや
)
をきれいに片づけて、
火鉢
(
ひばち
)
の中に
香
(
こう
)
をたきこめて、心静かに
目論見
(
もくろみ
)
をめぐらしながら古藤の来るのを待った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
僕は父親のある極悪非道な
目論見
(
もくろみ
)
を想像して
身慄
(
みぶる
)
いした。あれは僕に顔を見られることさえ恐れているのだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
論
常用漢字
小6
部首:⾔
15画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
“目論見”で始まる語句
目論見書
目論見通