“燭台:しょくだい” の例文
“燭台:しょくだい”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治7
泉鏡花5
ヴィクトル・ユゴー4
森鴎外4
山本周五郎4
“燭台:しょくだい”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語17.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
霊膳れいぜん、茶、香花こうげ、それに燭台しょくだいのそなえにも和尚の注意の行き届いた薄暗い部屋へやがそこにあった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
二つともした燭台しょくだいの百目蝋燭の火はまたたかぬが、白い障子越しに颯々さあさあと云う川瀬のおとが寒い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
——十六基の燭台しょくだい、二十幾つの提灯ちょうちんに照らされた酒池肉林は、歓楽きわまって浅ましい限りでした。
箱の中から萌黄もえぎの絹の袋入りの一刀を取り出して、手さぐりで、その紐を払うと、女は燭台しょくだいをズッと近くへ寄せて、
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
また白昼、障子の骨もしくは行灯あんどん、ランプ、燭台しょくだい等の内外を熟視するときは、細かなる塵毛の群がり立つを見る。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「ウム」と左手へ引っ提げた重喜しげよし。「その燭台しょくだいを廊下へ出して、女どももが血祭りを見物せい!」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
りっぱな、ほりもののあるテーブルがあり、その上に、西洋の燭台しょくだいがおかれ、三本のローソクが、もえていました。
海底の魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この銀の食器に加うるに、彼がある大伯母おおおばの遺産から所持している、二つの大きな銀の燭台しょくだいがあった。
たるの上には、西洋ふうの燭台しょくだいがのせてあって、二本のろうそくがチロチロと、魔物の舌のようにもえています。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
懐紙に二階の影が散る。……高い廊下をちらちらと燭台しょくだいの火が、その高楼たかどの欄干てすりを流れた。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
緑青ろくしょうのついた燭台しょくだいに一本の蝋燭ろうそくがともっていたが、へやを実際に照らしてるのはそれではなかった。
高いマロニエの枝の上に白く咲く花も盛りの時で、あだかも隠れた「春」の舞踏に向って燭台しょくだいをさし延べたかのように見えていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼は司教の燭台しょくだいにともってる蝋燭ろうそくに照らされたテーブルにひじをかけて、ペンを取り上げた。
すると、かれは、だまって、前にある一本の燭台しょくだいをひきよせ、右手の指を、いきなり、蝋燭ろうそくの炎の中につきさしました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「百物語という触れ込みで、行灯の代りに燭台しょくだいを十だけ出して置いて、百目蝋燭ろうそくを一本ずつ消して行く、九つ目が大変で」
一人の尼僧は聖像屏の傍に沿うて燭台しょくだいを入れて廻り、もう一人は枝つき燭架に灯を入れていた。
安芸が寝所から出て坐り、女がうしろから、安芸の髪を直していたものらしい、周防は燭台しょくだいを近よせた。
そのころの田舎いなかの饗宴の照明と言えば、大きなろうそくを燃やした昔ながらの燭台しょくだいであった。
映画時代 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
真鍮しんちゅう製の燭台しょくだいだとか仏飯器ぶっぱんきなどには雄大な感じさえするものを見かけます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そこは小書院で、燭台しょくだいが二基、明るい光を投げており、雨戸が閉っているため、蒸れるほど暑かった。
弾正大弼は、血の色を失ったくちびるをかみしめて、じっと燭台しょくだいの白いまたたきを見つめていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
障子はあけ放してあっても、蒸し暑くて風がない。そのくせ燭台しょくだいの火はゆらめいている。ほたるが一匹庭の木立ちを縫って通り過ぎた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「あの、明る過ぎましたら電燈でんきをお消し下さいましな、燭台しょくだいをそこへ出しておきました。」
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まあ何んという美声でしょう。薄暗い高座も、貧しい燭台しょくだいの光も目に入りません。私はただ夢中で聴きとれていました。なお唄い続けます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
小侍に、燭台しょくだいを持たせ、次に、用人の雨宮勘解由かげゆが、そっと小暗い端にかしこまった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燭台しょくだいは高きに置け、とバイブルに在るから、高いところがいい。その本箱の上へどうだろう。」
(新字新仮名) / 太宰治(著)
しばらく、燭台しょくだいが墨をいている。庄左衛門はそれをしおに、妓たちを遠ざけて、
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこには下男たちが重そうな銀の燭台しょくだいに火のともっているろうそくを持って、立っていました。
吉里は燭台しょくだい煌々こうこうたるかみまぶしそうにのぞいて、「何だか悲アしくなるよ」と、覚えず腮をえりに入れる。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
廊下に足音をさせて、矢崎忠三郎と松原十内の二人が、燭台しょくだい蚊遣かやりをはこんで来た。
目をひらくと、すぐまえに、りっぱなテーブルがあり、その上に、美しいほりもののある燭台しょくだいがおかれ、五本のロウソクが、明るくもえていました。
灰色の巨人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼女は蝋燭ろうそくの光を見つめて、燭台しょくだいの縁に流れた蝋を無意識にかき取っていた。
マグロアールはその意味を了解した。そして閣下の寝間の暖炉の上から二つの銀の燭台しょくだいを取ってきて、それにすっかり火をともして食卓の上に置いた。
根元まで燃えつきた蝋燭ろうそくは、燭台しょくだい玻璃はりに蝋のしたたりを添えていた。
縁側も窓も雨戸を閉め、燭台しょくだいを三つ脇に置き、片肌ぬぎになって、彼は酒を飲んでいた。
燭台しょくだいの火が目にちらつくようで、見まいとしている婿の姿が、横からまた目に映った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
クリストフは燭台しょくだいの底に蝋燭の燃えつきるのを、呆然ぼうぜんとしてながめていた。
燭台しょくだいの青い灯に浮いた鏡の中の黒衣の人間の顔が瞬間消えて見えなくなりました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
燭台しょくだいを蹴倒して、その灯がふすまへでも燃え移ったことから始まったらしい。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
座敷の中にはまだその時分は電燈が来ていなかったものかそれとも風情ふぜいをそえるためにわざとそうしてありましたものか燭台しょくだいがともっていて
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
で、やっぱりそれ、燭台しょくだいわきの柱に附着くッついて胡坐あぐらでさ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父親や村の若い人たちは終いに浮かれ出して、愛らしい娘を取りいて、明るい燭台しょくだいの陰で、綺麗なその目やほおに吸いつくようにしてふざけていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ろうそくはゆかの上に置いてあって、燭台しょくだいの中に深く燃え落ちていました。
燭台しょくだい鋩子先ぼうしさきに、チララチララと花の様に咲いて……。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
蝋燭ろうそくにホヤをはめた燭台しょくだい手燭てしょくもあったが、これは明るさが不充分なばかりでなく、何となく一時の間に合せの燈火だというような気がする。
石油ランプ (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そのクリスマスの晩に、テナルディエ飲食店の天井の低い広間の中では、馬方うまかたや行商人など数人の男が、四、五の燭台しょくだいのまわりに陣取って酒を飲んでいた。
そういう時には、金色の燭台しょくだいの一点が燈明に鋭く輝いて、その光点から金色のが八方にさしているのを、唯一ゆいいつのすがりどころとじっとみつめていた。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
諸大名宿泊のおりの人数、旅籠賃はたごちんから、入り用の風呂ふろ何本、火鉢ひばち何個、燭台しょくだい何本というようなことまで、事こまかにしるしつけてある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そして隅にあった燭台しょくだいをひきよせ、炉の火を移して甲斐の脇に置いた。
——庭のほうからかすかに風が吹き入って来、燭台しょくだいの火がゆらめいた。
やがて龍太郎は、おいのなかから取りのけておいた一体の仏像ぶつぞうを、部屋へやのすみへおいた。そして燭台しょくだいともしびをその上へ横倒しにのせかける。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外では雨風の音が烈しく、隙間風に燭台しょくだいの灯がちらちらと揺れる。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さあ、捜す、となると、五人の天窓あたま燭台しょくだいが一ツです。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風呂にはいり、ひげり、着替えをして出てゆくと、その座敷には燭台しょくだいが並び、雁屋信助かりやしんすけも、芸人たちもすでにそろって、酒肴の膳を前に坐っていた。
式は八畳の座敷で、燭台しょくだいの光のもとに厳粛に行われた。
血の盃 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
燭台しょくだい灯影ほかげで、つと大迫玄蕃は眉を寄せた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
部屋の隅には金の燭台しょくだいに大きな西洋蝋燭ろうそく
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
その途中、彼は、幾つもの燭台しょくだい蹴倒けたおした。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
立据たてすえた畳にも、燭台しょくだいの花颯と流るる。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紳士たちは、燭台しょくだいに波うって燃えている蝋燭ろうそくの炎をながめながら、その炎の内部が熱いか、あるいは炎をはなれた少し上のところが熱いかをろんじあっているのでありました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「どうしやがったのだなあ」「それだからおいらが蝋燭は舟で来る人なんぞに持せて来ては行けないと云ったのだ。差当り燭台しょくだいに立ててあるのしきゃないのだから」と云うような事を言っている。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いっとき、ルノワアルはびっくりして、口を休める。燭台しょくだいのような形にすわり、柔らかく息をしながら、しっかりくちを閉じ、眼の縁を薔薇色ばらいろにして、彼はじっと眼を据える。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
と、信祝は、微笑した。灯が、障子に近々と揺れると、右京の背後から、二人の腰元が、燭台しょくだいささげて、入ってきた。そのすその下を右京は、二、三尺膝行しっこうすると、平伏して
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「お燭台しょくだいがまだまいっておらぬようじゃ」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日は暮れぬ。去年の夏に新たに建てられし離家はなれの八畳には、燭台しょくだいの光ほのかにさして、大いなる寝台ねだい一つ据えられたり。その雪白なるシーツの上に、目を閉じて、浪子は横たわりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
燭台しょくだいを引き寄せて、壺の蓋をとった。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
『暮れてきた、燭台しょくだいをもらおうか』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燭台しょくだいが大小三本、何がそのご神体であるのか小さなほこらが一つ、古ぼけた小机が一個、それから、こればかりは比丘尼にふつりあいななまめかしい夜着が一組み、さらになまめかしい朱塗りのまくらが一つ
三吉は燭台しょくだいを妻の寝顔に寄せた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
残ったのは、虫の食った挟箱はさみばこや、手文庫、軸の曲った燭台しょくだい、古風な長提灯ながちょうちん、色のせたかみしもといったような、いかにもがらくたという感じのするものばかりであった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
やがてのことに、まず舞台にはあかあかと何本かの燭台しょくだいがともされて、こんなときでもないときに、変わり種の三人ばかりなお客でも、やはり芸とならば鳴り物がはいらないと太夫たゆうたちに興が移らないのか
燭台しょくだいがある。
七人の真中には、これも緋色の天鵞絨でおおわれた一つの大きな円卓子まるテーブルの上に、古風な彫刻のある燭台しょくだいにさされた、三挺さんちょうの太い蝋燭ろうそくがユラユラとかすかに揺れながら燃えていた。
赤い部屋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
包まれてる燭台しょくだい、または、変に気をひく微笑を浮かべてる古い家族の肖像、あるいは、高潔でかつみだらな勇武を示してる帝国式の版画、娼家しょうかにおけるアルキビアデスとソクラテス、アンチオキュスとストラトニス
と彼が注意でもしてやらなければ、たまに夜おそくまで紙をひろげ、燭台しょくだいを和助に持たせ、そのかげに和歌の一つも大きく書いて見ようとすると、蝋燭もろともそこへころげかかるほど眠がっているような子供は彼のすぐそばにもいた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どうぞハイゆっくり休まっしゃりましと、口上言うたが、着物はすんでに浴衣に着換えて、燭台しょくだいわきへ……こりゃな、仁右衛門やわしが時々見廻りにく時、みんな閉切ってあって、昼でも暗えから要害に置いてあった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
階の上なる広間よりは、古風いにしえぶりを存ぜるつり燭台しょくだい黄蝋おうろうの火遠く光の波をみなぎらせ、数知らぬ勲章、肩じるし、女服の飾りなどを射て、祖先よよの曲画の肖像の間にはさまれたる大鏡に照りかえされたる、いえば尋常よのつねなり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
石垣に沿うて、露にれた、老緑ろうりょくの広葉を茂らせている八角全盛やつでが、所々に白い茎を、枝のある燭台しょくだいのようにき出して、白い花を咲かせている上に、薄曇の空から日光が少し漏れて、すずめが二三羽鳴きながら飛び交わしている。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かたわらへ坐らせて、お君が、ちゃんと膝をついた拍子ひょうしに、何と思ったか、ずいと立ってそこらを見廻したが、横手よこってのその窓にならんだ二段にったたながあって、火鉢ひばち燭台しょくだいの類、新しい卒堵婆そとばが二本ばかり。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのうちに燭台しょくだいの花を飾ッて酒宴が始まると、客の求めで娘は筑紫琴つくしごとを調べたがどうして、なかなか糸竹の道にもすぐれたもので、その爪音つまおとの面白さ,自分は無論よくは分らなかッたが、調べが済むと並みいる人たちが口を極めて賞めそやした。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
ロパーヒン どうしたんだ? 楽隊、しっかりやらんか! なんでも、おれの注文どおりやるんだ! (皮肉に)新しい地主のお通りだ、桜の園のご主人さまのな! (うっかり小テーブルにぶつかり、枝付燭台しょくだいをひっくり返しそうになる)なんでも代は払ってやるぞ! (ピーシチクとともに退場)
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それほど大事を取る必要もあるんだね。おれなぞは、お前、十七のとしから見習いだぜ。しかし、おれはお前の兄さん(寿平次)のように事務の執れる人間じゃない。お大名を泊めた時の人数から、旅籠賃はたごちんがいくらで、燭台しょくだいが何本と事細かに書き留めて置くような、そういうことに適した人間じゃない——おれは、こんなばかな男だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あるある島田には間があれど小春こはる尤物ゆうぶつ介添えは大吉だいきちばば呼びにやれと命ずるをまだ来ぬ先から俊雄は卒業証書授与式以来の胸おどらせもしも伽羅きゃらの香の間から扇を挙げてさしまねかるることもあらば返すにこまなきわれは何と答えんかと予審廷へ出る心構えわざと燭台しょくだい遠退とおのけて顔を見られぬが一の手と逆茂木さかもぎ製造のほどもなくさらさらときぬの音
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)