“燦々:さんさん” の例文
“燦々:さんさん”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治22
北原白秋2
国枝史郎2
岡本かの子2
橘外男2
“燦々:さんさん”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.8%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行0.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
あなやと思うまに、丈八の蛇矛じゃぼこ、黒鹿毛の逸足、燦々さんさんたる甲盔こうがいが、流星のごとく此方へ飛んできた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燦々さんさんと、その旌旗せいきよろいかぶとに旭光きょっこうがきらめいて、群集は眼もくらむような心地に打たれた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太子の服のえりからボタンことごとく、ただ瓔珞ようらくのごとき宝玉で、燦々さんさんとしてカーテンを引いた部屋の中に
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
雨は少し小やみになったが、なお、ばばの白髪に燦々さんさんと光ってそそいだ。お通は、引摺られながら、を合せて、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春風は三軍の旗を吹いた。すなわち丞相府の前に勢揃いして、鉄甲燦々さんさんと流れゆく兵馬の編制を見ると、次のような順列であった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見おろす一面の河幅かふくは光り、光の中に更に燦々さんさんたるものが光って、その点々を舷側げんそくに、声なく浮ぶ小舟がある。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
麦の穂は青い。もう夏めいた四月である。今、越えて来た飛騨川から、さわやかな風が、その長い行列の上を燦々さんさんと渡ってゆく。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天照大神、八幡大菩薩と、金文字で打出した日輪旗が、中の一檣頭しょうとう燦々さんさんとかがやいている。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桔梗河原の矢来の外から唯一度見たことのある黒漆の長髯、逞しい五体、燦々さんさんたる二つのまなこ
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すこしへだてて、一群の騎馬隊が燦々さんさん手綱たづなくつわをそろえて来るのが見えた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
気を取り紛らす燦々さんさんたる星がなければ、永くはその凝澄こりすました注視に堪えないだろう。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
——なるほど、見てあれば、河原立ちしていた供人の同勢は、弓、長柄ながえなどを燦々さんさんとゆるぎ出して、もうそこの舟橋を彼方へ渡りかけている。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春もいくらか深くなって、そこの紅梅がむせるように匂う頃、寺の上の明るい雑木山にころがって居ると、鳥がチチと暗き、日は燦々さんさんとふりそそぐ。
(新字新仮名) / 岩本素白(著)
その陣羽織は、銀摺ぎんずりに雪南天ゆきなんてんあかをちりばめた燦々さんさんたるもの。そして、かぶとは用いず、彼が好みの道誉笠だ。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日、馬煙うまけむりは天をおおい、両軍の旗鼓きこは地を埋めた。なにやら燦々さんさんと群星の飛ぶような光を、濛々もうもうのうちに見るのだった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信玄は、毘沙門堂の縁に、床几しょうぎをおかせて腰かけていた。幹の大きな若楓わかかえでが、そのすがたに燦々さんさんと日光のをそよがせていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとり燦々さんさんとして烈日を射るが如きものは、金瓢きんぴょうの馬じるしだけであった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
灯火に射られて胸に垂らした金剛石が燦々さんさん猩々緋しょうじょうひの光を放射する。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
やがて、水のながれを前にして、まばゆ日南ひなたの糸桜に、燦々さんさんと雪の咲いた、暖簾のれんあいもぱっとあかるい、桜湯の前へ立った。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当然、あたりに居ならぶ鉄甲燦々さんさんたる諸将の感情はうごかずにいられない。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燦々さんさんたる岩のむれと、ごろた石の河原と両岸のいきるる雑草の花とだ。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
陽は燦々さんさんと降りそそぎ藪の向うも、どうやら火が燃えている様子だ。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
雨後、久しぶりな快晴だった。海も山も、燦々さんさんとしてまばゆい。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
刻、刻、見ているうちに、陽は半島の上に離れた。海はいちめん燦々さんさんと揺れた。その輝く海波の沖に——ああすでに沖の方だったが、政子の眸に、一点、黒く見えたものがあった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五十騎、或いは百騎を従え、ときには子ども(小姓)も連れ、長柄ながえの大傘をかざさせ、燦々さんさんと、馬印うまじるしを立てて練り歩く彼の「御通過」を仰ぐと、味方の兵は、
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
急に、雨雲が晴れ渡って、太陽が燦々さんさんと輝きはじめた。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
貝の音につれて、燦々さんさん、粛々、秀吉につづく隊列は流れ出した。その日の秀吉の服装はいうもおろか、小姓、近習以下、列のすそに至るまで、さながら絵巻をるような美しさだった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歌主うたぬしの心と同じように、いつも果てなく悲しい波騒なみざいとのみ見る海の色までが、きょうは明るくて、燦々さんさん睫毛まつげにかがやいて、希望そのものを波打つかに思われる。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
程なくそこの篠村八幡の境内から光秀以下、騎馬の幕僚ばくりょうたちが、西陽にしびを斜めに、燦々さんさんとして騎歩しずかに、各部隊をえっしながら順次こなたへ近づいて来るのが見られた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卯ノ花おどしのよろいに、黄金の大太刀、くわ形のかぶとを負い、その上、美男でもおわしたから、光彩、すでに大将軍らしい威容を燦々さんさんと辺りに払って、ご自身しかと、将座を自覚しているようだ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背景は燦々さんさんたる白光はっこう
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
初更しょこうの星、燦々さんさんの頃
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも眼を挙げて一歩窓外を眺むれば、そこには真昼の陽光が燦々さんさんと降りそそいで彼方の昼なお暗き鬱蒼たる糸杉や、橄欖かんらんの森を背景に、一面の繚乱眼もくらまんばかりあやな花園であった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
凍つたしづくが燦々さんさんと降り
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
村も畑も燦々さんさんと輝いた。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
絶えず燦々さんさんと放たしむ
光箭 (新字新仮名) / 今野大力(著)
山の緑が、そうして白楊ポプラのそよぎが燦々さんさんと光り、街の屋根が見え、装飾された万国旗の赤、黄、紫が見え、青い海が見え、マストが見え、私たちの高麗丸が見え、ああそうして、白いかもめの飛翔が見えた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
中にも白旄黄鉞はくぼうこうえつ燦々さんさんたる親衛兵にかこまれている白馬金鞍の大将こそ、すなわち曹操その人であろう、青羅せいら傘蓋さんがいは珠玉のかんむりのうえに高々と揺らいで、威風天地の色を奪うばかりだった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは幹の太さ五ツ抱えもある本丸前の大銀杏で、名城熊本の象徴として聳え立ち、秋となればこの大木の金葉が燦々さんさんと城下町から遠望されるので、熊本の城を称んで一名「いちょう城」とも唱えられたほど由緒ゆいしょある樹であった。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四方をかこむは、高々としたはんの木で、赤い芽ざしの浅く染められているのみですから、梢を透いてあたる太陽の木漏こもれ陽は、地上に美しい光線のを描いて、あるかないかくらいな樹上の微風も、地に燦々さんさんとうごいている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その八手の群葉むらばをくぐって、銀の線が奥へ流れて行く、日の光を貫いた吹き針の針で、五間の空間を一直線に飛んで、空にあるうちは燦々さんさんと輝き、八手の葉の蔭に流れ込むや、葉と葉とでできている陰影に溺れて、瞬間光を消してしまった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
——が、公称一万五千という士馬精鋭しばせいえいが、陣鼓じんこを打ち鳴らし、旗幟きしをひらめかせ、燦々さんさんと国境の彼方かなたへさして流れてゆくのを見た甲府の人々の眼には、依然として、信玄在世の頃とすこしも変らない威風が映じていたに違いなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お。彼処かしこを二本松と呼ぶか。……あのあたりに燦々さんさんと見ゆる大軍こそ彼の床几場しょうぎば。……しかし総大将たる義貞が低地に陣して、なぜ一部将にすぎぬ正成が、全戦場を下に、最も大事な、高地に兵をいているのか。……それが分らん。あれだけは“まぎれ”の計とも思えぬが?」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忽ち、宝蔵の屋根を越え、月も星も見えぬ夜の空の、数丈すうじょうの高さに昇ると見る間に、今まで朦朧たるその人影は、煙火えんかごとにじの如く、燦々さんさんたる光を纏うと共に、紫匂う振り袖に、東雲あけぼの染めの袴を穿き、したたるような若衆髷わかしゅわげの、若衆の姿が現われた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)