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手放
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てばな
そのとき、のぶ
子は、お
人形の
着物をきかえさせて、
遊んでいましたが、それを
手放して、すぐにお
母さまのそばへやってきました。
今は
早や、お
慈悲、お
慈悲の
聲も
嗄れて、
蒋生手放しに、わあと
泣出し、
涙雨の
如く
下ると
聞けば、
氣の
毒にも
又あはれに
成る。
勘次はお
品の
手が
減つた
丈はおつぎを
使つてどうにか
從來作つた
土地は
始末をつけようと
思つた。
殊に
田は
直後なので
什麽にしても
手放すまいとした。
その
後の
事は
申し
上げるだけ、
無用の
口數に
過ぎますまい。
唯、
都へはいる
前に、
太刀だけはもう
手放してゐました。——わたしの
白状はこれだけです。
浜松城のお
使者番は、
満天の
星にくるまれた
閣の
尖端、
擬宝珠のそばで、
手放しに大声あげて泣いていた。
その中津を横に見ておッ
母さんの処を
避て来たではないか。それも
乃公が此処に居なければ
兎も
角、乃公が此処で貴様に面会しながら
之を
手放して江戸に
行けと云えば兄弟共謀だ。
余はある人に
斯う云うた、不用の地所があるなら兎も角、
恰好の代地があったら格別、でなければ農が土を
手放すは
魚の水に
離れるようなものだ、金なんか直ぐ
泡の様に消えて了う
殿さまが
惜しがって、
手放そうともなさらなかったのです。
可愛い二人の子を
犠牲にする気で泣き乍ら
手放した。
じつに、
不思議な
音がするので、いままで、
多くの
人々に
譲ってくれと
頼まれましたけれど、
手放さなかった
品です。
甲は、もう、その
娘を
自分のものにされることなら、あの
大事なものを
手放してもいいという
気になりました。そして、そのことを
乙に
相談しました。
「なにしろ、
先祖代々からの
宝物ですから、なるべくなら
手放したくないと
思っています。よく
考えてからご
返事申しあげます。」と、
男は
答えました。
男は、あほう
鳥をひとり
手放すのを
気遣って、
自分も
学校まで
先生といっしょについていきました。
そんなふうに、
骨董屋から、まことしやかにいわれて、
掛け
物は、
安い
値で
手放してしまいました。
「
持っていて、どうなるもんでなし、もうかったら、
手放すもんだよ。さいわい、
私には
見せる
口があるのだ。」と、
男は、なかなか
老人に、
渡そうとしませんでした。
いや、
商売ですから、
欲しいものでも
金になれば
手放しますが、
生涯二
度と
手に
入らないと
思うものがありますよ。そんなときは
損得をはなれて、
別れがさびしいものです。
「これを
手放してしまえば、
明日から、
自分は、
猟にゆくことができない。」と、
思いましたが、
妻が
病気なら、そんなことをいっていられませんので、ある
朝、
鉄砲を
持って