“てばな”のいろいろな漢字の書き方と例文

(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。

「俺（お）らおめえ、手洟（てばな）はかまねえよ」といつたりがら／＼と騷（さわ）ぎながら、笑（わら）ひ私語（さゝや）きつゝ、濡（ぬ）れた手（て）を前掛（まへかけ）で拭（ふ）いて再（ふたゝ）び飯（めし）つぎを抱（かゝ）へた。

土 (旧字旧仮名) ／長塚節(著)

今（いま）は早（は）や、お慈悲（じひ）、お慈悲（じひ）の聲（こゑ）も嗄（か）れて、蒋生（しやうせい）手放（てばな）しに、わあと泣出（なきだ）し、涙（なみだ）雨（あめ）の如（ごと）く下（くだ）ると聞（き）けば、氣（き）の毒（どく）にも又（また）あはれに成（な）る。

麦搗 (旧字旧仮名) ／泉鏡花、泉鏡太郎(著)

これは私（わたくし）の大事（だいじ）な品（しな）でございまして、当時（いま）斯（か）う零落（おちぶ）れまして、値（ね）を高く買（か）はうといふ人がございますけれども、なか／＼手離（てばな）しませぬで……。

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