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きょうだい
ふりがな文庫
“
姉妹
(
きょうだい
)” の例文
この伯母さんは、女学校を出て、
行燈袴
(
あんどんばかま
)
を
穿
(
は
)
いて、四円の月給の小学教師になったので、私の母から
姉妹
(
きょうだい
)
の縁を切るといわれた
女
(
ひと
)
だ。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私は炬燵にあたりながら、
姉妹
(
きょうだい
)
の子供を眺めて、どうして自分の仕事を完成しよう、どうしてその間この子供等を養おう、と思った。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
……(桔梗ヶ池の奥様とは?)——(お
姉妹
(
きょうだい
)
……いや一倍お
綺麗
(
きれい
)
で)と
罰
(
ばち
)
もあたれ、そう申さずにはおられなかったのでございます。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仲のいいこの
姉妹
(
きょうだい
)
の間に争いが起ったらしく、あろうことか、あるまいことか! 妹は到頭、姉を撃ち殺してしまったというのです。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
おそらく、姉も城下の獄に
繋
(
つなが
)
れているのであろう。そうなれば、
姉妹
(
きょうだい
)
ひとつ
蓮
(
はす
)
の
台
(
うてな
)
だと思う。どうしてもない一命とすれば、せめて
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
あるところに、
性質
(
せいしつ
)
の
異
(
ちが
)
った
姉妹
(
きょうだい
)
がありました。
同
(
おな
)
じ
母
(
はは
)
の
腹
(
はら
)
から
産
(
う
)
まれたとは、どうしても
考
(
かんが
)
えることができなかったほどであります。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おしお やがてもう暮れるというに、
姉妹
(
きょうだい
)
の方々は何をしてござるのやら……。このごろの
日和
(
ひより
)
くせで、又降って来たようじゃが……。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
(
姉妹
(
きょうだい
)
二人が揃ったのだから、すぐにも荏原屋敷へ乗り込んで行って、主馬之進を殺して復讐したい。お父様の怨みを晴らしたい)
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
食卓をかこんでいた
姉妹
(
きょうだい
)
は、一様に視線を合せたが、新子は、前川氏からだろうと思うと、大いそぎで立ち上ろうとすると、美和子が
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
二人は
午餉
(
ひるげ
)
を食べながら、身の上を打ち明けて、
姉妹
(
きょうだい
)
の誓いをした。これは伊勢の
小萩
(
こはぎ
)
といって、二見が浦から買われて来た女子である。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大納言家の内が急に寂しくなった気がして、西の姫君などは始終いっしょに暮らした
姉妹
(
きょうだい
)
なのであるから、物足らぬ寂しい思いをしていた。
源氏物語:45 紅梅
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
鷺太郎の眼を奪った、その三人組の少女は、二人
姉妹
(
きょうだい
)
とそれに姉のお友達で、
瑠美子
(
るみこ
)
——というのが、その姉娘の名であった。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
母は失望したような顔をして、いっしょに行っておいでなと云った。僕は黙って遠くの海の上を
眺
(
なが
)
めていた。
姉妹
(
きょうだい
)
は笑いながら立ち上った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いっそ迎えに行こうか? しかし、どこを探したらいいのだ?
姉妹
(
きょうだい
)
のところか? けれど、姉妹のところへ行って訊ねるのは馬鹿げている。
クロイツェル・ソナタ:01 クロイツェル・ソナタ
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
そして、三人のうちの一人が、その目を或る時間の間使うと、それを
眼窩
(
めのあな
)
からはずして、次の番に当った
姉妹
(
きょうだい
)
の一人に渡す。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「子供はほんとにすぐに仲よくなるものですね。」とテナルディエの
上
(
かみ
)
さんは叫んだ。「あんなにしているとまるで三人の
姉妹
(
きょうだい
)
のようですね。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
……市蔵という兄だけでおんな
姉妹
(
きょうだい
)
もないし父が厳しくて稽古ごとなどもみんな師匠を家へ呼んで習ったから奈尾には友達というものがなかった。
合歓木の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
二人の
姉妹
(
きょうだい
)
はブロンドで、姉妹同士似ており、バルナバスにも似ているが、バルナバスよりもきつい顔つきをして、大柄でじょうぶそうであった。
城
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
「わかります。私の印度に居るお父様が、西洋人から領地を取上げられかけた時に、私たち
姉妹
(
きょうだい
)
を買い取って、お父様を助けて下すった方でしょ」
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
またお悦さんおきせさんなど
姉妹
(
きょうだい
)
の都合の好いままに任せ、私は自分の家なる前回
度々
(
たびたび
)
申した彼の源空寺門前の親たちの家にいることになりました。
幕末維新懐古談:24 堀田原へ引っ越した頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
なんでもそれは、あらしの夜、ふたりの
姉妹
(
きょうだい
)
が勉強をしていると、ふいに停電してしまうので、古いランプを持ち出してきてともすのだそうである。
嘘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
しかし翌日の午後駅へついてみると、葉子
姉妹
(
きょうだい
)
や弟たちも出迎えていて、初めての時と別に
渝
(
かわ
)
りはなかった。彼は再び例の離れの一室に落ちついた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それであるから、
姉妹
(
きょうだい
)
もただならぬほど
睦
(
むつ
)
まじいおはまがありながら、別後一度も、相思の意を交換した事はない。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
たぶん私との性格の相違でしょうが、ご
姉妹
(
きょうだい
)
ではあっても異性でなければわからぬところがあるかもしれません——
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
勇敢なことにかけては雄の鵞鳥もかなわないくらいで、悪い犬などが来ても立派に
姉妹
(
きょうだい
)
の鵞鳥たちを
庇
(
かば
)
ってやる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
姉妹
(
きょうだい
)
という姉妹はみんなよそへ
嫁
(
とつ
)
いでしまっていたので、ミーチャはまる一年というもの、グリゴリイのもとで、下男小屋に暮らさなければならなかった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「ねえ、お寿女さん、あたくしたち
姉妹
(
きょうだい
)
なんですもの、これからは、せいせい、あたくし、お役に立ちますわ」
痀女抄録
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
わたしはまた弟たちや、女の
姉妹
(
きょうだい
)
と握手した。小さい子をうでにだき上げようとしたが、かの女はすっかりカピに気を取られていて、わたしをおしのけた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
だが
彼様
(
あん
)
な人は諦めておくんなましよ、
確
(
しっ
)
かりしなましよ、おまはんも
親族
(
みより
)
兄弟もなし、
私
(
わちき
)
も親族兄弟がないから、お互に素人に成ったらば
姉妹
(
きょうだい
)
になろうと
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それまで竜子は
小石川
(
こいしかわ
)
茗荷谷
(
みょうがだに
)
の小じんまりした土蔵付の家に母と二人ぎり
姉妹
(
きょうだい
)
のようにくらして来た。
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
近所の町や近在からも見識らぬ人たちがたずねて来て、この奇蹟を礼讃して行った。ラザルスの
姉妹
(
きょうだい
)
のマリーとマルタの家は、蜜蜂の巣箱のように賑やかになった。
世界怪談名作集:14 ラザルス
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
「うむ、ひょっとするとこれやア
姉妹
(
きょうだい
)
かも知れねえ。——だが、あいつの肌に、まともに
触
(
さわ
)
る
間
(
ま
)
もねえうちに、
箆棒
(
べらぼう
)
な、あんな野郎が、あすこへ現れるなんて。——」
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
境遇では天と地程も違った、この二人の娘は、忽ちにして、
姉妹
(
きょうだい
)
の様に仲よしになってしまった。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
美濃
(
みの
)
の、
神大根王
(
かんおおねのみこ
)
という方の
娘
(
むすめ
)
で、
兄媛
(
えひめ
)
弟媛
(
おとひめ
)
という
姉妹
(
きょうだい
)
が、二人ともたいそうきりょうがよい子だという評判をお聞きになって、それをじっさいにお
確
(
たし
)
かめになったうえ
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
もうたった三里行きさえすれば清水港、そこに
姉妹
(
きょうだい
)
のようにしていたお松さんが待っている。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ところが源三と小学からの
仲好
(
なかよし
)
朋友
(
ともだち
)
であったお浪の母は、源三の亡くなった叔母と
姉妹
(
きょうだい
)
同様の
交情
(
なか
)
であったので、
我
(
わ
)
が親かったものの
甥
(
おい
)
でしかも我が娘の仲好しである源三が
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
霊
(
みたま
)
の
因縁
(
いんえん
)
と
申
(
もう
)
すものはまことに
不思議
(
ふしぎ
)
な
力
(
ちから
)
を
有
(
も
)
っているものらしく、これが
初対面
(
しょたいめん
)
であり
乍
(
なが
)
ら、
相互
(
おたがい
)
の
間
(
あいだ
)
の
隔
(
へだ
)
ての
籬
(
かき
)
はきれいに
除
(
と
)
り
去
(
さ
)
られ、さながら
血
(
ち
)
を
分
(
わ
)
けた
姉妹
(
きょうだい
)
のように
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
西宮さんがそんな
虚言
(
うそ
)
を言う人ではないと思い返すと、小万と二人で自分をいろいろ慰めてくれて、小万と
姉妹
(
きょうだい
)
の約束をして、小万が西宮の妻君になると自分もそこに同居して
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
このひとは、台所の歌い手で、それに、お茶わかしとは
腹
(
はら
)
ちがいの
姉妹
(
きょうだい
)
だったのです。
空とぶトランク
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それから「皆さん、救われた一人の
姉妹
(
きょうだい
)
のために祈って下さい」と自分がまず、跪いて声を
慄
(
ふる
)
わせながら熱心に祈った。それにつづいて、伊藤を初めほかのものも感謝の祈りをささげた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
姉妹
(
きょうだい
)
二人、角兵衛獅子に売られたのを、佐吉が引取ってしばらく
稼
(
かせ
)
がせていましたが、角兵衛を廃業してからは、下女にして使って、少しは給金でも溜めさせて、故郷の越後へ帰すつもり——
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おとら 昔は随分仲好しで、世話になったり世話したり、
姉妹
(
きょうだい
)
同然にしていたんだが、この何年というものは、途中で会えば顔をそむけ、よんど困って尋ねてくれば、今のように叩き出させる。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
紳士の
随伴
(
つれ
)
と見える
両人
(
ふたり
)
の婦人は、一人は今様おはつとか
称
(
とな
)
える
突兀
(
とっこつ
)
たる大丸髷、今一人は
落雪
(
ぼっとり
)
とした妙齢の束髪頭、
孰
(
いず
)
れも
水際
(
みずぎわ
)
の立つ玉
揃
(
ぞろ
)
い、
面相
(
かおつき
)
といい
風姿
(
ふうつき
)
といい、どうも
姉妹
(
きょうだい
)
らしく見える。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
時勢
(
とき
)
が
時勢
(
とき
)
で、
良人
(
おっと
)
は滅多に
宅
(
うち
)
にいませず、
舅姑
(
しゅうと
)
に良人の
姉妹
(
きょうだい
)
が
二人
(
ふたり
)
=これはあとで縁づきましたが=ありまして、まあ主人を五人もったわけでして、それは人の知らぬ心配もいたしたのですよ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
女義太夫
(
たれぎだ
)
の巴好巴生
姉妹
(
きょうだい
)
が躍りあがるようにして抱き合った。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
サナギ小屋の
姉妹
(
きょうだい
)
たちを知っている
休日に:――工場に働く女工さん達に捧ぐ――
(新字新仮名)
/
藪田忠夫
(著)
姉妹
(
きょうだい
)
の
著物
(
きもの
)
貸し借り花の旅
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「よかった! ……俺の生涯にたった一つ、きれいなものがこれで残る……。三人の
姉妹
(
きょうだい
)
から、やっぱり、俺は、拾うものを拾った」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玉琴 そのお叱りはとくより知っていれど、むかしに変る今の身の上、唯うかうかとしていては
姉妹
(
きょうだい
)
ふたりが何となりましょうぞ。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼女は、近年は
殆
(
ほとん
)
ど、高橋
元子
(
もとこ
)
(
藤間勘素娥
(
ふじまかんそが
)
)の舞踊
茂登女会
(
もとめかい
)
に出演し、作曲していた。元子のお母さん
姉妹
(
きょうだい
)
も、浜子の友だちだった。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“姉妹”の解説
姉妹(しまい)は、本人からみて傍系2親等の(すなわち共通の親をもつ)女性、結婚や養子縁組によって前述の女性と同等の関係となった女性のこと、またそのような関係にある2人以上の女性のことも指す。
(出典:Wikipedia)
姉
常用漢字
小2
部首:⼥
8画
妹
常用漢字
小2
部首:⼥
8画
“姉妹”で始まる語句
姉妹品
姉妹中
姉妹分
姉妹城
姉妹敵
姉妹等