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商人
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あきゅうど
ふりがな文庫
“
商人
(
あきゅうど
)” の例文
人だかりのまん中に立った
糶
(
せ
)
り
商人
(
あきゅうど
)
。彼は
呉服
(
ごふく
)
ものをひろげた中に立ち、一本の帯をふりながら、熱心に人だかりに呼びかけている。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
治平殿
貴方
(
そなた
)
も心得てなすったので有ろうが、君も前橋では立派な
商人
(
あきゅうど
)
じゃと云う事だが、実に此の上ない不品行な事じゃアないか
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なま意気をいうな。
商人
(
あきゅうど
)
なら金にさえなれば文句はあるまい。おれも意地だ、何倍にでも買ってやるからこの店で一番の上菓子をつつめ」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただの百姓や
商人
(
あきゅうど
)
など
鋤鍬
(
すきくわ
)
や帳面のほかはあまり手に取ッたこともないものが「サア軍だ」と
駆
(
か
)
り集められては親兄弟には涙の水杯で
暇乞
(
いとまご
)
い。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
辻に立って風船を売り、
生活
(
くらし
)
を立てている少年
商人
(
あきゅうど
)
、だがそれにしても何のために、こっそり弁才坊の屋敷などへ、人目を憚り忍び込んだのだろう?
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
神の氏子のこの数々の町に、やがて、あやかしのあろうとてか——その年、秋のこの
祭礼
(
まつり
)
に限って、
見馴
(
みな
)
れない、
商人
(
あきゅうど
)
が、妙な、
異
(
かわ
)
ったものを売った。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
無紋の
黒八丈
(
くろはち
)
の羽織を着た
商人
(
あきゅうど
)
風の老紳士と出会って、軽く挨拶して行去ろうとしたが、老紳士が頭を挙げないのでまた下げると同時に老紳士が頭を挙げ
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
両側に縁日
商人
(
あきゅうど
)
が店を並べているので、もともと自動車の通らない道幅は猶更狭くなって、出さかる人は押合いながら歩いている。板橋の右手はすぐ角に馬肉屋のある
四辻
(
よつつじ
)
で。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
格子の外の宵闇に
蝙蝠
(
こうもり
)
の飛ぶ町のありさまを、———昔の大阪の
商人
(
あきゅうど
)
町を胸にえがいた。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
御当家木沢左京様、又丹下備前守様御弟御さまほどの方々に対して、臙脂屋
虚言
(
うそ
)
詐
(
いつわ
)
りは申しませぬ。物の取引に申出を後へ
退
(
ひ
)
くようなことは、
商人
(
あきゅうど
)
の決して
為
(
せ
)
ぬことでござりまする。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そうかと思うと
光沢
(
つや
)
のある前掛を締めて、中折帽を妙に
凹
(
へこ
)
ました江戸ッ子流の
商人
(
あきゅうど
)
もある。その他の何やらかやらでベンチの四方が足音と人声でざわついて来た時に、切符口の戸がかたりと
開
(
あ
)
いた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
街道筋の
商人
(
あきゅうど
)
はこの寒さにも五時から店を開けている。
鍵屋の辻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
かなたにも出店もある、
広海屋
(
ひろうみや
)
という海産
商人
(
あきゅうど
)
なのじゃ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
が、この神は父の神が、まだ
聟
(
むこ
)
の神も探されぬ内に、若い都の
商人
(
あきゅうど
)
と
妹背
(
いもせ
)
の
契
(
ちぎり
)
を結んだ上、さっさと奥へ落ちて来られた。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幕
(
とばり
)
の外から弥九郎の声がする。
堺
(
さかい
)
ことばの軽快な語尾と
商人
(
あきゅうど
)
らしい気ばたらきが、みじかい
辞
(
ことば
)
の中にも鮮明に働いている。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
妾
(
わたし
)
もそうさ、一眼見た時から、
商人
(
あきゅうど
)
じゃないと睨んでいたが、思うに
優
(
ま
)
した
冴
(
さ
)
えた腕前、ほんとに妾ア惚れたよ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あの正太郎には
痩
(
やせ
)
るほど苦労をしただ、その訳と云えば、あの野郎を連れて来て
堅気
(
かたぎ
)
の
商人
(
あきゅうど
)
へ奉公に遣り、元の様な
大
(
でか
)
い
家
(
うち
)
を
拵
(
こしら
)
えさせたいと思って奉公に遣ると
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
商人
(
あきゅうど
)
はもとより、親が会社員にしろ、巡査にしろ、田舎の
小忰
(
こせがれ
)
でないものが、娘を
苛
(
いじ
)
める
仔細
(
しさい
)
はない。故あるかな、スパルタ
擬
(
もど
)
きの少年等が、武士道に対する義憤なのである。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
サ、かく大事を明かした上は、臙脂屋、其座はただ立たせぬぞ、必ず其方、武具、
兵粮
(
ひょうろう
)
、人夫、馬、車、此方の申すままに差出さするぞ。日本国は堺の
商人
(
あきゅうど
)
、商人の取引、二言は無いと申したナ。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
深川八幡前の講中茶屋へ、ぽつぽつ集まって来る顔には、医者、儒者、
商人
(
あきゅうど
)
、武家、僧侶、さまざまな
風体
(
ふうてい
)
があった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
化物
(
ばけもの
)
沙汰に心を奪われ商売の方を
疎
(
おろそ
)
かにしては
商人
(
あきゅうど
)
冥利に尽きるというものだ——それでは今夜参ると致そう」
日置流系図
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこで彼等はまず神田の
裏町
(
うらまち
)
に仮の宿を定めてから
甚太夫
(
じんだゆう
)
は怪しい
謡
(
うたい
)
を唱って
合力
(
ごうりき
)
を請う浪人になり、
求馬
(
もとめ
)
は
小間物
(
こまもの
)
の箱を
背負
(
せお
)
って
町家
(
ちょうか
)
を廻る
商人
(
あきゅうど
)
に化け
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
処が翌年になって
風
(
ふ
)
と来た客は
湯島
(
ゆしま
)
六丁目
藤屋七兵衞
(
ふじやしちべえ
)
と云う
商人
(
あきゅうど
)
、
糸紙
(
いとかみ
)
を
卸
(
おろ
)
す
好
(
よ
)
い身代で、その頃此の人は女房が
亡
(
なくな
)
って、子供二人ありまして欝いで居るから、仲間の者が参会の崩れ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かたわらのベンチに
腰懸
(
こしか
)
けたる、
商人
(
あきゅうど
)
体の
壮者
(
わかもの
)
あり。
外科室
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
商人
(
あきゅうど
)
ですもの。あんな紙きれを、銭だといって、糸屋や
織娘
(
おりこ
)
へ払っても、先で承知するもんじゃありません。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
所
(
ところ
)
の主人と申すは、
商人
(
あきゅうど
)
に似合わぬ風流人で、日頃から書画を好みますところから、文晁先生にもご
贔屓
(
ひいき
)
になり、その方面のお話なども様々承わっておりましたそうで
北斎と幽霊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
商人
(
あきゅうど
)
の店は
在郷
(
ざいご
)
と違って戸を締めても
潜
(
くゞ
)
りの障子が有るから
灯火
(
あかり
)
が表から見えるだ、すると
婆様
(
ばあさま
)
、
其処
(
そこ
)
をがらり明けて二人の泥坊が
這入
(
はえ
)
って、菓子呉れと云いながら跡をぴったり締めて
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「弥九郎。
商人
(
あきゅうど
)
というものは、目さきが大事ということをよく申すが、目さきとは、目の前という意味ではあるまいな。見越し、先行きということではないか」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
絹
商人
(
あきゅうど
)
が村へ来たが、持っている絹を売ろうともせず、
温泉宿
(
ゆやど
)
を兼ねた土地の豪農、助左衛門方へ泊まったかと思うと、近頃京都の親類先から遊びに来ていたお銀という娘と
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これ
手前
(
てまい
)
は
銭金
(
ぜにかね
)
を無心に参ったのではないが、村方の
商人
(
あきんど
)
が難渋を致す処から再度掛合に参っても侍を権にかい、土民
輩
(
ばら
)
と
侮
(
あなど
)
って不法な挨拶をして帰すので、村方の
商人
(
あきゅうど
)
が難渋致すによって
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
工匠
(
たくみ
)
らは工匠たちと、
商人
(
あきゅうど
)
は商人たちと——またその家族たちと——人々はこぞって親鸞の徳を
称
(
たた
)
え、国主の善政に感謝し、法悦の
諸声
(
もろごえ
)
は、
天地
(
あめつち
)
に
盈
(
み
)
ちあふれていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「では遠慮なくお邪魔致します」
商人
(
あきゅうど
)
はうしろで襖を立て擦り膝をして、はいって来た。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と申して酒が貰いたいという訳ではないが、貴公は村方の帳元へ一言の
談
(
はなし
)
もなく、勝手次第に
窃
(
ぬす
)
んで来るか知らねえが、
方外
(
ほうがい
)
の
廉売
(
やすうり
)
をするので、村方の
商人
(
あきゅうど
)
一同迷惑を致して
居
(
お
)
るくらいだから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五百の兵はみな
商人
(
あきゅうど
)
に仕立て、上流へ交易に行く商船に偽装し、船底には武具をかくしていた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幾年風雨に
晒
(
さ
)
らされたものか屋根も板囲いも大半崩れ見る影もなく荒れていたが、この小屋こそは十数年前に窩人の娘山吹と城下の
商人
(
あきゅうど
)
多四郎とがしばらく住んでいた小屋なのである。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
拙者に掛合ってくれろと申して参ったから出たのだが、
今日
(
こんにち
)
から
商人
(
あきゅうど
)
の仲間入をして帳元並に売ればよし、左もなくば三文出して束を乞食扱いにしたから容赦は致さんぞ、拙者も武士だ、
免
(
ゆる
)
さんぞ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
策を
凝
(
こ
)
らして方向を計っているところです。ひとつてまえも諸天狗の仲間入りをして、
人界
(
うわさ
)
をあっと云わせてみようかなどと
商人
(
あきゅうど
)
にあるまじき空想などに
耽
(
ふけ
)
っておりますよ。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
商人
(
あきゅうど
)
に成りたいと思う者はよろしく商人に成るがよい。またどうしても拙者と一緒に遊説したいと思う者は、拙者と同道するがよい。
来者
(
らいしゃ
)
拒まず
去者
(
きょしゃ
)
追わず、これが拙者の態度でござる。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其の頃は強談をする者が
商人
(
あきゅうど
)
の店先へまいり、サア
打
(
たゝ
)
き殺せと云ってどっさり坐り込みますと、表へ黒山のように人が立ちまして外聞が悪いから、余儀なく十か廿の金を持たして帰したものですが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今も、
脚絆
(
きゃはん
)
草鞋
(
わらじ
)
のまま、
沓石
(
くつぬぎ
)
に居て、縁先に腰をかけている旅
商人
(
あきゅうど
)
かのような町人が、部屋の内の兵部と声をひそめて話している。それが、南部坂で笠をとばした男だった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当日になると式服を
纒
(
まと
)
い馬上に鞭を携えて薩州の邸へ歩ませた。
芝高輪
(
しばたかなわ
)
まで向かう間に彼の眼に触れる事々物々は焦心の種ならぬはない。兵を近在に避けようとして荷車を曳く
商人
(
あきゅうど
)
の群れ。
開運の鼓
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
商人
(
あきゅうど
)
でも職人でも
無
(
ね
)
い
好
(
い
)
い男で、女の方は十九か
廿歳
(
はたち
)
ぐらいで色の白い、髪の毛の
真黒
(
まっくろ
)
な、
眼
(
まなこ
)
が細くって口元の
可愛
(
かえい
)
らしい
美
(
い
)
い女で、
縞縮緬
(
しまちりめん
)
の小袖に
私
(
わし
)
イ見たことの
無
(
ね
)
い
黒
(
くれ
)
え革の羽織を着ていたから
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ぼつぼつ
露店
(
ほしみせ
)
を並べ出し、洗濯女や一杯売りの
酒瓶屋
(
さかがめや
)
も
集
(
つど
)
い、やがて半月ともなれば、こんどは遠郷近国からも、あらゆる
商人
(
あきゅうど
)
どもが寄って来て、忽ち、市を開き、市を目あてに
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
引き違いにセカセカ入って来たのは、革
商人
(
あきゅうど
)
のヤコブであった。
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
孔明の従えてきた荊州の舟手の兵は、みな
商人
(
あきゅうど
)
に姿を変えていた。玄徳と夫人、また随員五百を各〻の舟に収容すると、たちまち、
櫓櫂
(
ろかい
)
をあやつり、帆を揚げて、入江の湾口を離れた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると
商人
(
あきゅうど
)
は困ったように、
小鬢
(
こびん
)
のあたりへ手をやったが
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
不死人は、妓たちを、駒に乗せ、自分も馬の背にまたがり、
陸奥
(
みちのく
)
の
商人
(
あきゅうど
)
が国へ帰るものと
称
(
とな
)
えて——手下の禿鷹、蜘蛛太、穴彦などに馬の口輪を持たせ、都から東海道を下って行った。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老婆と
幼子
(
おさなご
)
とを門前にのこして、範宴の後をついてきた
商人
(
あきゅうど
)
の妻らしい女が
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「延安へ行かっしゃるお
商人
(
あきゅうど
)
と聞いたが、ご老母づれではたいへんじゃな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今は正直に申しますが、じつは拙者は、ただの旅
商人
(
あきゅうど
)
などではありません。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“商人”の意味
《名詞》
商売を営む人。
(出典:Wiktionary)
“商人”の解説
商人(しょうにん、しょうひと、あきびと、あきんど、あきゅうど)
しょうにん。商売を職業としている者。本稿で後述。
*現代と区別して、商売を行っていた歴史上の職業を扱う。商売を商い(あきない)ともいうことから「あきんど」と読むこともあるが、くだけた読みであり、公式の場では用いない。
しょうにん。商法学における基本概念の一つ。商人 (商法)を参照。
(出典:Wikipedia)
商
常用漢字
小3
部首:⼝
11画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“商人”で始まる語句
商人体
商人衆
商人風
商人家
商人店
商人気質
商人宿
商人魂
商人方
商人連