“妹背”の読み方と例文
読み方割合
いもせ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、この神は父の神が、まだむこの神も探されぬ内に、若い都の商人あきゅうど妹背いもせちぎりを結んだ上、さっさと奥へ落ちて来られた。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
山路で、ふと、物の気配に見れば、語らい遊ぶ妹背いもせの山鳥。こうして三月尽の日記は曰く、「鶯の初音をきく。滑らかにして鋭く、群鳥の声、ために消し失せらる……」
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
と言い、襖子を中にしてこちらのへやで眠ろうとしたが、ここは川の音のはげしい山荘である、目を閉じてもすぐにさめる。夜の風の声も強い。峰を隔てた山鳥の妹背いもせのような気がして苦しかった。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)