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よっ
ふりがな文庫
“
依
(
よっ
)” の例文
依
(
よっ
)
てかの家を彩牋堂とこじつけ候へども元より
文藻
(
ぶんそう
)
に乏しき
拙者
(
せっしゃ
)
の
出鱈目
(
でたらめ
)
何か
好
(
よ
)
き名も御座候はゞ御示教願はしく
万々
(
ばんばん
)
面叙
(
めんじょ
)
を期し申候
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
依
(
よっ
)
て此間
中
(
じゅう
)
よりギボン、モンセン、スミス等諸家の著述を
渉猟
(
しょうりょう
)
致し
居候
(
おりそうら
)
えども
未
(
いま
)
だに発見の
端緒
(
たんしょ
)
をも
見出
(
みいだ
)
し得ざるは残念の至に
存候
(
ぞんじそろ
)
。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一人の教員が文明史を教えているというから文明史はどんな書物に
依
(
よっ
)
てやっておられるか、ギゾーの文明史でも
御用
(
おもち
)
いかと問うた
今世風の教育
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「為人全く」とあるも、これもとより人より見ての完全であって、神より見ての完全ではない。完全の程度は見る人の目に
依
(
よっ
)
て異なる。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
一
其方儀
(
そのほうぎ
)
先達
(
さきだっ
)
て
長
(
なが
)
の
暇
(
いとま
)
差遣
(
さしつか
)
わし
候処
(
そうろうところ
)
以後心掛も宜しく
依
(
よっ
)
て
此度
(
このたび
)
新地
(
しんち
)
二百石に召し返され馬廻り役
被仰付候旨
(
おおせつけられそうろうむね
)
被仰出候事
(
おおせいだされそうろうこと
)
重 役 判
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
蓋
(
けだ
)
し論者のごとき当時の
事情
(
じじょう
)
を
詳
(
つまびら
)
かにせず、
軽々
(
けいけい
)
他人の言に
依
(
よっ
)
て事を
論断
(
ろんだん
)
したるが
故
(
ゆえ
)
にその論の全く事実に
反
(
はん
)
するも
無理
(
むり
)
ならず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
十五人なら十五人に
会頭
(
かいとう
)
が
一人
(
ひとり
)
あって、その会読するのを
聞
(
きい
)
て居て、出来不出来に
依
(
よっ
)
て
白玉
(
しろだま
)
を附けたり
黒玉
(
くろだま
)
を付けたりすると云う趣向で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
第三軍は、村上、来島等の海軍を以て組織し、厳島の対岸を警備し、場合に
依
(
よっ
)
ては、陶の水軍と合戦を試みんとするものだ。
厳島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
明治八年、父が始めてここに家を建てた時には、百坪の借地料が一円であったそうだが、今では一坪二十銭以上、場所に
依
(
よっ
)
ては一坪四十銭と称している。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
……この事件は如何なる心理遺伝の爆発に
依
(
よっ
)
て生じたものか? その心理遺伝を故意に爆発させた者が居るか居ないか。又、居るとすればどこに居るか。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それでこの砲台は当時比較的新らしい形式に
依
(
よっ
)
ていて、幕府が築いた品川沖の台場よりもこの方が実用に適っているといって、わが藩の者は自慢していた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
一
我等
(
われら
)
今度
(
こんど
)
下向候処
(
げこうそろところ
)
其方
(
そのほう
)
に
対
(
たい
)
し
不束之筋有之
(
ふつつかのすじこれあり
)
馬附之荷物積所
(
うまつけのにもつつみしょ
)
出来申候
(
しゅったいもうしそろ
)
に
付
(
つき
)
逸々
(
はやばや
)
談志之旨
(
だんしのむね
)
尤之次第
(
もっとものしだい
)
大
(
おお
)
きに
及迷惑申候
(
めいわくをおよぼしもうしそろ
)
依
(
よっ
)
て
御本陣衆
(
ごほんじんしゅう
)
を
以
(
もって
)
詫入
(
わびいり
)
酒代
(
さかて
)
差出申候
(
さしだしもうしそろ
)
仍而件如
(
よってくだんのごとし
)
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
依
(
よっ
)
て更に出直して「大丈夫」ト
熱気
(
やっき
)
とした
風
(
ふり
)
をして見て、歯を
喰切
(
くいしば
)
ッて見て、「一旦思い定めた事を
変
(
へん
)
がえるという事が有るものか……しらん、止めても止まらんぞ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
依
(
よっ
)
て我等老夫婦は、北海道に於ける最も
僻遠
(
へきえん
)
なる未開地に向うて我等の老躯と、僅少なる養老費とを以て、我国の生産力を増加するの事に当らば、国恩の万々分の
一
(
いつ
)
をも報じ
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
依
(
よっ
)
て、そのころ、山城国稲荷山をうつして
勧請
(
かんじょう
)
したというのだが、お末社が幅をきかしてしまって、
道灌
(
どうかん
)
が祷ったという神の名も記してない。秀郷祀るところの御本体も置いてない。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
先生の
居
(
きょ
)
、同じく
戒心
(
かいしん
)
あるにもかかわらず、数十の
生徒
(
せいと
)
を
伴
(
ともな
)
い
跣足
(
せんそく
)
率先
(
そっせん
)
して
池水
(
いけみず
)
を
汲
(
くみ
)
ては門前に運び出し、
泥塗満身
(
でいとまんしん
)
消防
(
しょうぼう
)
に
尽力
(
じんりょく
)
せらるること
一霎
(
いっしょう
)
時間
(
じかん
)
、
依
(
よっ
)
て
辛
(
かろ
)
うじてその
災
(
さい
)
を
免
(
まぬか
)
れたり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
なるほど僕は近藤
君
(
さん
)
のお
察
(
さっし
)
の通り恋愛に
依
(
よっ
)
て一方の活路を開いた男の一人である。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
……鐘を守るとも守るまいとも、勝手にしろと言わるるから、俺には約束がある……義に
依
(
よっ
)
て守っていたんだ。鳴らすなと言うに、誰がすき好んで鐘を撞くか。勿論、即時にここを去る。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
十五日 朝根室
分娩
(
ぶんべん
)
牡犢
(
おすこうし
)
である。例に
依
(
よっ
)
て母牛に
視
(
み
)
せずして
犢
(
こうし
)
を遠く移した 母牛は壮健である。杉山発情午後交尾さした。アンヤ陰部より出血 十三日頃発情したのであるを見損じたのである。
牛舎の日記
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
明日
(
みょうにち
)
は父に米を買って与える事も出来ぬ処から、其の金子を以て米薪に代えて父を救った其の孝心に
依
(
よっ
)
て父を思う処から
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
◯しかしてヨブの仲保要求の完全に充たされたるは、
勿論
(
もちろん
)
イエスの降世に
依
(
よっ
)
てである。かの微かなる叫び、遂にこの大なる実現にまで進化したのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
約束したからと云て時勢に
依
(
よっ
)
たものだ、この大変な騒動中に屋敷を買うと云うような
馬鹿気
(
ばかげ
)
たことがあるものか。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
勢い込んで駈け出そうとするのを、母は呼び止めて何事をか囁き示す
中
(
うち
)
に、日も
漸
(
ようや
)
く暮れかかったらしい。例に
依
(
よっ
)
て
濛々
(
もうもう
)
たる山霧が
潮
(
うしお
)
の如くに湧いて来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
依
(
よっ
)
てその勧められるがままに旧版を校訂し
併
(
あわ
)
せて執筆当初の事情と旧版の種類とをここに
識
(
しる
)
すことにした。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
丁野も半助も久政のにくみを受けながら、遠藤
喜右衛門
(
きえもん
)
が能く取りなしけるに
依
(
よっ
)
て、久政も
漸
(
ようや
)
く思返し、此頃は
傍
(
そば
)
近く出勤しけるにより、今日評定の席へも差加へられたり。
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
即ち意識的精神作用が熟睡に
依
(
よっ
)
て休止しおる間に於て、全身の細胞相互間の反射交感作用が
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
故に其概略を知るのみ。
片山八重藏
(
かたやまやえぞう
)
夫婦の最初より今日迄の詳細を知るには及ばざるなり。
依
(
よっ
)
て予が見聞する処の概略を記して、後年に至り幾分か創業の実况を知るが為ならんか。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
依
(
よっ
)
て至誠は天をも感ずるとか云う
古賢
(
こげん
)
の格言を力にして、折さえ有れば
力
(
つと
)
めて叔母の
機嫌
(
きげん
)
を取ッて見るが、お政は油紙に水を注ぐように、
跳付
(
はねつ
)
けて
而已
(
のみ
)
いてさらに取合わず、そして独りでジレている。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
此の花車という人は
追々
(
おい/\
)
出世をして今では二段目の
中央
(
なかば
)
まで来ているから、師匠の源氏山も出したがりませんのを、義に
依
(
よっ
)
てお
暇
(
いとま
)
を下さいまし
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
依
(
よっ
)
て余は最初の計画に変更を加え、二十章以後を逐章研究することを
罷
(
や
)
めて、最後の数章のみを講ぜんと欲する。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
動物電気に
依
(
よっ
)
て一種のヒプノヂズム式作用を起すものと見える。狐が人を化すと云ふのも嘘では無いらしい。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その方法に
依
(
よっ
)
て
何
(
ど
)
うやら
斯
(
こ
)
うやら塩酸を拵えて、
之
(
これ
)
に亜鉛を溶かして鉄に錫を試みて、鋳掛屋の夢にも知らぬ事が立派に出来たと云うようなことが面白くて
堪
(
たま
)
らぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
依
(
よっ
)
て又一を先導として、餘作同道にてウエンベツ
山
(
ざん
)
に登る。川を渉り、或は沿岸を往き、或は樹間或は湿地を通行するに、熊の
脚痕
(
あしあと
)
臥跡
(
ふしあと
)
あり。漸く進んで
半腹
(
はんぷく
)
に至るに、大樹の多きに驚けり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
今日
(
こんにち
)
の眼を以て、この台場の有用無用を論じたくない。およそ六十年の昔、初めて江戸の海にこれを築いた人々は、これに
依
(
よっ
)
て江戸八百八町の人民を守ろうとしたのである。
一日一筆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
是は芝
赤羽根
(
あかばね
)
の勝手ヶ原の
中根兵藏
(
なかねひょうぞう
)
という
家持
(
いえもち
)
町人の所へ忍入り
家尻
(
やじり
)
を切って
盗取
(
ぬすみと
)
った八百両の内の古金で、皆此の通り三星の刻印の有る古金で有るに
依
(
よっ
)
て、
其方
(
そち
)
が唯貰ったでは言訳が立たぬ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
下町は知らず、我々の住む山の手では、
商家
(
しょうか
)
でも店でこそランプを用いたれ、奥の
住居
(
すまい
)
では
大抵
(
たいてい
)
行灯
(
あんどう
)
を
点
(
とぼ
)
していた。家に
依
(
よっ
)
ては、
店頭
(
みせさき
)
にも旧式のカンテラを用いていたのもある。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此の者は其の方と面体恰好が
能
(
よ
)
う似て
居
(
お
)
るぞ、其の方が
強
(
しい
)
て隠すと此の者は重き刑に行われるが、其の方の実父なれば、清左衞門の口から士道立ち難いに
依
(
よっ
)
て申せまいが、其の方が申すに仔細はない
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
依
常用漢字
中学
部首:⼈
8画
“依”を含む語句
依頼
依怙地
依然
依怙
憑依
依嘱
依而
御依頼
依之
依旧
依羅
帰依
依怙贔屓
歸依
依田学海
帰依者
玉依姫
依附
依々
依網
...