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三方
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さんぽう
ふりがな文庫
“
三方
(
さんぽう
)” の例文
今
(
いま
)
のは
勝負
(
しょうぶ
)
なしにすんだので、
又
(
また
)
、四五
人
(
にん
)
のお
役人
(
やくにん
)
が、大きなお
三方
(
さんぽう
)
に
何
(
なに
)
か
載
(
の
)
せて、その上に
厚
(
あつ
)
い
布
(
ぬの
)
をかけて
運
(
はこ
)
んで
来
(
き
)
ました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お庄は銀貨を
一顆
(
ひとつぶ
)
紙に
捻
(
ひね
)
って、傍に出してあった
三方
(
さんぽう
)
の上に置いて、そこを出て来た。出る時、俥で乗り着けて来た一人の貴婦人に行き逢った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
さうしてこの
水田
(
すいでん
)
の
東西南
(
とうざいなん
)
の
三方
(
さんぽう
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
に
堅
(
かた
)
い
地盤
(
ぢばん
)
を
以
(
もつ
)
て
圍
(
かこ
)
まれてゐる。かういふ
構造
(
こうぞう
)
の
地盤
(
ぢばん
)
であるから、
地震
(
ぢしん
)
も
比較的
(
ひかくてき
)
に
烈
(
はげ
)
しかつたであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
きのうのお
祭
(
まつり
)
に、
氏子
(
うじこ
)
があげた物であろう。
三方
(
さんぽう
)
の上に、うずたかく、大げさにいえば、
富士
(
ふじ
)
の山ほど
積
(
つ
)
んであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
石
(
いし
)
の
床
(
とこ
)
が
三方
(
さんぽう
)
に
設
(
まう
)
けて
死體
(
したい
)
を
置
(
お
)
くようになつてあつたり、
天井
(
てんじよう
)
に
家屋
(
かおく
)
の
屋根
(
やね
)
をまねてあるのもあつたり、
内部
(
ないぶ
)
に
刀劍
(
とうけん
)
の
形
(
かたち
)
を
彫
(
ほ
)
つたものなどがあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
店
一杯
(
いっぱい
)
に
雛壇
(
ひなだん
)
のやうな台を置いて、
最
(
いと
)
ど薄暗いのに、
三方
(
さんぽう
)
を
黒布
(
くろぬの
)
で
張廻
(
はりまわ
)
した、壇の
附元
(
つけもと
)
に、
流星
(
ながれぼし
)
の
髑髏
(
しゃれこうべ
)
、
乾
(
ひから
)
びた
蛾
(
ひとりむし
)
に似たものを、点々並べたのは
的
(
まと
)
である。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
この
)
高山
(
かうざん
)
は、
風景
(
ふうけい
)
極
(
きわ
)
めて
美
(
うる
)
はしく、
吾等
(
われら
)
の
達
(
たつ
)
したる
頂
(
いたゞき
)
は、
三方
(
さんぽう
)
巖石
(
がんせき
)
が
削立
(
せうりつ
)
して、
自然
(
しぜん
)
に
殿堂
(
でんどう
)
の
形
(
かたち
)
をなし、かゝる
紀念塔
(
きねんたふ
)
を
建
(
た
)
つるには
恰好
(
かつこう
)
の
地形
(
ちけい
)
だから、
遂
(
つひ
)
に
此處
(
こゝ
)
に
鐵車
(
てつしや
)
を
停
(
とゞ
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
(与五郎の手をとって押しいただく、奥より玉虫は
三方
(
さんぽう
)
と
土器
(
かわらけ
)
を持ちていず。)
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「さあ、
三方
(
さんぽう
)
から
彼奴
(
きゃつ
)
を
囲
(
かこ
)
んでしまうのだ。それ、懸れッ」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこでそっと
物
(
もの
)
を
換
(
か
)
える
術
(
じゅつ
)
を
使
(
つか
)
って、お
三方
(
さんぽう
)
の中の
品物
(
しなもの
)
を
素早
(
すばや
)
く
換
(
か
)
えてしまいました。そしてすました
顔
(
かお
)
をしながら
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
荒浪
(
あらなみ
)
の
鞺々
(
どう/\
)
と
打寄
(
うちよ
)
する
岬
(
みさき
)
の
一端
(
いつたん
)
には、
高
(
たか
)
き
旗竿
(
はたざほ
)
が
立
(
た
)
てられて、
一夜作
(
いちやづく
)
りの
世界
(
せかい
)
※國
(
ばんこく
)
の
旗
(
はた
)
は、
其
(
その
)
竿頭
(
かんとう
)
から
三方
(
さんぽう
)
に
引
(
ひ
)
かれた
綱
(
つな
)
に
結
(
むす
)
ばれて、
翩々
(
へんぺん
)
と
風
(
かぜ
)
に
靡
(
なび
)
く、
其
(
その
)
頂上
(
てつぺん
)
には
我
(
わ
)
が
譽
(
ほまれ
)
ある
日章旗
(
につしようき
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
すると、あるお
社
(
やしろ
)
の拝殿にその蜜柑が見つかった。
芋
(
いも
)
だの人参だのといっしょに、
三方
(
さんぽう
)
に載って、神前に上がっていたのである。城太郎は蜜柑だけ
懐中
(
ふところ
)
に詰めこんで逃げて来たのだった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
南屋の
普請
(
ふしん
)
に
懸
(
かか
)
って居るので、ちょうど与吉の小屋と往来を隔てた
真向
(
まむこ
)
うに、小さな普請小屋が、
真新
(
まあたらし
)
い、
節穴
(
ふしあな
)
だらけな、薄板で建って居る、
三方
(
さんぽう
)
が囲ったばかり、編んで繋いだ
縄
(
なわ
)
も見え
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今一
(
いまひと
)
つ
大
(
おほ
)
きい
石
(
いし
)
で
造
(
つく
)
つたものに
石机
(
いしづくゑ
)
、すなはちどるめんといふのがあります。それは
少
(
すこ
)
しひらたい
石
(
いし
)
を
三方
(
さんぽう
)
に
立
(
た
)
て、その
上
(
うへ
)
にやはりひらたい
大石
(
おほいし
)
をのせた
一見
(
いつけん
)
てーぶるの
形
(
かたち
)
をしたものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「ではわたくしから
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げます。お
三方
(
さんぽう
)
の上にお
載
(
の
)
せになったのは、みかん十五です。」
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
東
(
ひがし
)
と
西
(
にし
)
と
南
(
みなみ
)
の
三方
(
さんぽう
)
は
此
(
この
)
島
(
しま
)
の
全面
(
ぜんめん
)
で、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
青々
(
あを/\
)
とした
森
(
もり
)
つゞき、
處々
(
ところ/″\
)
に
山
(
やま
)
もある、
谷
(
たに
)
も
見
(
み
)
える、また
逈
(
はる
)
か/\の
先方
(
むかう
)
に
銀色
(
ぎんしよく
)
の
一帶
(
いつたい
)
の
隱見
(
いんけん
)
して
居
(
を
)
るのは、
其邊
(
そのへん
)
に
一流
(
いちりう
)
の
河
(
かは
)
のある
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
“三方”の意味
《名詞》
三つの方向や面。
供物などを置くための小型で木製の台。
(出典:Wiktionary)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“三方”で始まる語句
三方子川
三方崩
三方折敷
三方原
三方飾
三方ヶ原
三方沙弥
三方荒神