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見当
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けんとう
ふりがな文庫
“
見当
(
けんとう
)” の例文
旧字:
見當
約六十キログラムぐらいの重量をのせてとべるほどの大きなものと
見当
(
けんとう
)
をつけた、この重量は、連盟員中の最重量者の目方である。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
とうとう
神社
(
じんじゃ
)
というところまで
話
(
はなし
)
が
進
(
すす
)
んだのでございました、まことに
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
というものは
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やらさっぱり
見当
(
けんとう
)
がとれませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
湖
(
みずうみ
)
の上で、こんなにキラキラ光るのは、いったいなんだろうと考えてみましたが、さいしょのうちは、さっぱり
見当
(
けんとう
)
がつきません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そして
乗
(
の
)
っている
人
(
ひと
)
たちは、みな
顔
(
かお
)
を
包
(
つつ
)
んで
目
(
め
)
ばかり
出
(
だ
)
しているので、こちらの
国
(
くに
)
の
船
(
ふね
)
とも
外国
(
がいこく
)
の
船
(
ふね
)
とも
見当
(
けんとう
)
がつかないのです。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「さァ——」横瀬は、モシャモシャ
頭髪
(
かみのけ
)
を、指でゴシゴシ
掻
(
か
)
いた。「注射器は判るが、
尖端
(
さき
)
についている針が無いから、
見当
(
けんとう
)
がつかねえ」
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
王子は道案内者としてまっ先に進みましたが、一昨日の夜ほの白い道が続いていたのはどの方向だか、さっぱり
見当
(
けんとう
)
がつきませんでした。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
いっその事また停車場を飛び出そうかしらと思って、今までプラットフォームの方を向いていた足を、入口の
見当
(
けんとう
)
に向け易えた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
若者
(
わかもの
)
には、命の木がどこにあるのか、
見当
(
けんとう
)
もつきません。とにかく、
旅
(
たび
)
にでて、足のつづくかぎり、どこまでも歩いていこうと思いました。
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
しかし、子どものほうではだれもまだ着物の先生に
見当
(
けんとう
)
がつかぬらしく、ま顔で見つめている。笑いかけてもわからぬらしい。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
自分もその物音を聞いたばかりで、その正体を見とどけないのであるから、物に馴れている留吉にも
見当
(
けんとう
)
が付かなかった。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「はてね……。だが、
相州
(
そうしゅう
)
とか
伯耆
(
ほうき
)
とか京ものとか、およそ、その短刀の系図ぐらいは
見当
(
けんとう
)
がついていねえんでしょうか」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
岩とも泥とも
見当
(
けんとう
)
のつかぬ、灰色をなすった
断崖
(
だんがい
)
は高だかと曇天に聳えている。そのまた断崖のてっぺんは草とも木とも見当のつかぬ、
白茶
(
しらちゃ
)
けた緑を煙らせている。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やら、一
向
(
こう
)
見当
(
けんとう
)
が
付
(
つ
)
かなくなった
藤吉
(
とうきち
)
は、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
に
取
(
と
)
って
返
(
かえ
)
すと、
箪笥
(
たんす
)
をがたぴしいわせながら、
春信
(
はるのぶ
)
が
好
(
この
)
みの
鶯茶
(
うぐいすちゃ
)
の
羽織
(
はおり
)
を、
捧
(
ささ
)
げるようにして
戻
(
もど
)
って
来
(
き
)
た。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「今日までは何を話して好いのか
見当
(
けんとう
)
がつかないで困っていたけれども」などと肇は云ったりした。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それがどこへ来るか、さっぱり
見当
(
けんとう
)
がつかぬ、浅く来るか深く来るかさえ見当がわからないのです。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
気を留めて聞くと
慥
(
たしか
)
に別の音がある。ハテナ、あの辺か知らんと、その別の音のする方の雨煙
濛〻
(
もうもう
)
たる
見当
(
けんとう
)
へ首を向けて眼を
遣
(
や
)
ると、もう心安げになった蔵海がちょっと肩に触って
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
コンティニ宮がどこにあるかさえも、まったく
見当
(
けんとう
)
がつきませんでした。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
「こいつはいかん、どこへ
手錠
(
てじょう
)
をはめればいいんだ、
見当
(
けんとう
)
がつかんぞ」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
わたしは広間から飛んで出たが、なにしろ真っ暗であるので、どこが出口であるか
見当
(
けんとう
)
がつかない。そのうちに私のうしろでは、ひゅうひゅうという鞭の音がきこえて、女の叫び声がひびいて来た。
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
どこにひそんでいるのか
皆目
(
かいもく
)
見当
(
けんとう
)
のつかないことだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
どんな人か
見当
(
けんとう
)
がつくでしょう。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
見当
(
けんとう
)
が皆間違って来て
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
自分の愛と人の愛と云えば、たとい分量性質が同じでもついに所有者が違って参ります。愛の
見当
(
けんとう
)
が違います。方角が違います。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
議員さんがたは、この
事件
(
こと
)
をいっしょけんめいに相談しましたが、さて、男の子をどう
処置
(
しまつ
)
していいか、
見当
(
けんとう
)
がつきません。
子どもたちが屠殺ごっこをした話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
それは二人にとって
更
(
さら
)
に
見当
(
けんとう
)
のつかないことだった。話はそれまでとなって、白丘ダリアと伯父とは、警視庁を
辞去
(
じきょ
)
した、というのであった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小川
(
おがわ
)
も、
田
(
た
)
も、
畑
(
はたけ
)
も
雪
(
ゆき
)
の
下
(
した
)
にうずもれてしまって、どこが
路
(
みち
)
やら、それすら
見当
(
けんとう
)
がつかなくなってしまったのであります。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さて、少年は、つかまえてはみましたが、さいしょのうちは、この小人をどうしたらいいのか、
見当
(
けんとう
)
がつきませんでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「じゃ何しろ、馬春堂と伊兵衛から先に片をつけるとしよう。お粂の方は駕屋を洗ってみたらほぼ
見当
(
けんとう
)
がつくだろうから、そう急ぐにも当るまい」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さァ
自分
(
じぶん
)
にはさっぱりその
見当
(
けんとう
)
がつきませぬが、
指導役
(
しどうやく
)
のお
爺
(
じい
)
さんのお
話
(
はなし
)
では、あれでも
現世
(
げんせ
)
の三十
年
(
ねん
)
位
(
くらい
)
には
当
(
あた
)
るであろうとの
事
(
こと
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ただだまって一本松の方を見ているのは、そこまでの
距離
(
きょり
)
が、自分たちの計算では
見当
(
けんとう
)
がつかなかったからだ。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「これで
一廉
(
いっかど
)
の手柄をした積りでいたところが、ちっと
見当
(
けんとう
)
が狂いましたよ」と、半七老人は額をなでながら笑い出した。「まあ、だんだんに話しましょう」
半七捕物帳:36 冬の金魚
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かねて
見当
(
けんとう
)
をつけておいた
質屋
(
しちや
)
の蔵へ行って、その戸口で術を
施
(
ほどこ
)
しますと、不思議にも、戸と壁とのわずかな
隙間
(
すきま
)
から、すーっと中にはいり込むことが出来ました。
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
逃がしたのは残念だが、
見当
(
けんとう
)
のついたのは喜ばしい。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
目測
(
もくそく
)
で岸までは、約百メートルの
見当
(
けんとう
)
だ。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
けれどもその呑みかけているのが何であるかは、握りの先が丸く
滑
(
すべ
)
っこく
削
(
けず
)
られているので、
蛙
(
かえる
)
だか
鶏卵
(
たまご
)
だか誰にも
見当
(
けんとう
)
がつかなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、これからさき、どのくらいのあいだ、このアシと
泥
(
どろ
)
の岸とを、鳥たちがじぶんのものとしていられるかは、ちょっと
見当
(
けんとう
)
がつきません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
弟はすみっこにすわって、じぶんもその話をきいているのですが、それがなんのことやら、さっぱり
見当
(
けんとう
)
がつきません。
こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
おじさんは、それがなんの
音
(
おと
)
であるか
見当
(
けんとう
)
がつかないので、
賢二
(
けんじ
)
くんの
兄
(
にい
)
さんか、
姉
(
ねえ
)
さんかが
子供
(
こども
)
の
活動写真
(
かつどうしゃしん
)
でもやっているかと
思
(
おも
)
ったのでした。
北風にたこは上がる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
指差
(
ゆびさ
)
しをして
卜斎
(
ぼくさい
)
の顔を見あげたが、その卜斎は、
蛾次郎
(
がじろう
)
とは、まるで
見当
(
けんとう
)
ちがいなほうに目をすえているのであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「うへえ、やっぱりそうか。もうすこしで戸まどいするところだった。なんしろこうきれいに焼けちまっちゃ
見当
(
けんとう
)
がつきやしない。じゃあ、アバよ」
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
街道
(
かいどう
)
が
何
(
ど
)
の
位
(
くらい
)
続
(
つづ
)
いているかとお
訊
(
たず
)
ねですか……さァどれ
位
(
くらい
)
の
道程
(
みちのり
)
かは、ちょっと
見当
(
けんとう
)
がつきかねますが、よほど
遠
(
とお
)
いこと
丈
(
だけ
)
は
確
(
たし
)
かでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
すすきや雑草をかきわけて、声のした方角へたどって行ったが、ふだんでもめったにはいったことのない草原で、しかも夜なかのことであるから、父にも確かに
見当
(
けんとう
)
はつかない。
穴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ところが、紳士はとても巧妙で、トニイにはどうしても
見当
(
けんとう
)
がつきませんでした。とったと思っていると、一枚もとっていません。まだとらないと思ってると、四五枚ポケットにしまいこんでいます。
街の少年
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
始めは何の音ともまたどこから来るとも
判然
(
はっきり
)
した
見当
(
けんとう
)
がつかなかったが、聞いているうちに、だんだん耳の中へ
纏
(
まと
)
まった観念ができてきた。
変な音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三
人
(
にん
)
の
男
(
おとこ
)
は、
思
(
おも
)
い
思
(
おも
)
いのことをいいました。しかし、その
宝
(
たから
)
のはいっている
箱
(
はこ
)
は、どこにあるものか、まったく
見当
(
けんとう
)
すらつかなかったのであります。
三つのかぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「まあ、そんな
見当
(
けんとう
)
だな。どうしてもまた、五十両ばかり
要
(
い
)
ることができちゃって、
暮
(
くれ
)
じゃああるし、弱ってるんだ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なぜだか、われわれには、まだ分っていない。自分たちの姿をわれわれに見せることを
極端
(
きょくたん
)
にきらっているのだろうが、なぜそうなんだか
見当
(
けんとう
)
がつかない」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
くれなきゃ、おらの金がいくらあるだか、ちゃんとわかるになあ。これじゃ、手あたりしだいにねじこんだやつが、いくらになるのか、
見当
(
けんとう
)
もつきゃあしねえ。
うまい商売
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
その時は隠居もかなり激しく怒った様子で、お亀も蒼い顔をしていたというから、その喧嘩がもとでこんな事になったらしいが、どんな喧嘩をしたのか誰も知らねえから
見当
(
けんとう
)
が付かねえ。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そうして鼓を
抱
(
か
)
い
込
(
こ
)
んだ。自分は少し待ってくれと頼んだ。第一彼がどこいらで鼓を打つか
見当
(
けんとう
)
がつかないからちょっと打ち合せをしたい。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“見当”の意味
《名詞》
まだ確かめられていない事柄について、推測をすること。みこみ。めぼし。
おおよその方角。
おおよその位置。
版画や印刷で、刷る位置を示す目印。
(出典:Wiktionary)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
“見当”で始まる語句
見当違
見当摺