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行衛
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ゆくゑ
ふりがな文庫
“
行衛
(
ゆくゑ
)” の例文
旧字:
行衞
蛙
(
かへる
)
の
肉
(
にく
)
を
食
(
た
)
べに
來
(
き
)
た
蜂
(
はち
)
は
餌
(
え
)
をくはへて
巣
(
す
)
の
方
(
はう
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
きますが、その
小
(
ちひ
)
さな
蛙
(
かへる
)
の
肉
(
にく
)
についた
紙
(
かみ
)
の
片
(
きれ
)
で
巣
(
す
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
を
見定
(
みさだ
)
めるのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
我が恋なり、恋ゆゑに
悩
(
もだ
)
ゆるにあらず、牢獄の為に悶ゆるなり、我は籠中にあるを苦しむよりも、我が半魂の
行衛
(
ゆくゑ
)
の為に血涙を絞るなり。
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
丁度
(
ちやうど
)
廻り合つたのだと思つて孝行しますから——私の様なアバずれ者でも
何卒
(
どうぞ
)
、老女さん、
行衛
(
ゆくゑ
)
知れずの娘が帰つて来たと思つて下ださいナ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
二百疋の子供は百九十八疋まで
蟻
(
あり
)
に連れて行かれたり、
行衛
(
ゆくゑ
)
不明になったり、赤痢にかかったりして死んでしまひました。
洞熊学校を卒業した三人
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
『おや、これは大将、なんといふ高いところに、家来共は
夜
(
よ
)
の眼も寝ずに、あなたさまの
行衛
(
ゆくゑ
)
を探してをりましたのに。』
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
▼ もっと見る
何
(
なに
)
かな、
御身
(
おみ
)
は
遠方
(
ゑんぱう
)
から、
近頃
(
ちかごろ
)
此
(
こ
)
の
双六
(
すごろく
)
の
温泉
(
をんせん
)
へ、
夫婦
(
ふうふ
)
づれで
湯治
(
たうぢ
)
に
来
(
き
)
て、
不図
(
ふと
)
山道
(
やまみち
)
で
其
(
そ
)
の
内儀
(
ないぎ
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
半狂乱
(
はんきやうらん
)
に
捜
(
さが
)
してござる
御仁
(
ごじん
)
かな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
知つた人の影にも遇はないのは私にとつては幸ひだつたが、せめて知合ひの茶屋の
行衛
(
ゆくゑ
)
を往来の人を捉へて訊ねて見ると空しく言下に首を振られる。
鱗雲
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
(間)二度目の夫は旅先で女をこしらへ、
行衛
(
ゆくゑ
)
を
晦
(
くら
)
ましてしまひました。——この人が旅へ出る時は、わたくしもきつとついて行くつもりでをりました。
動員挿話(二幕)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
ちつとも
行衛
(
ゆくゑ
)
が分りませんで弱つてをりますところへ、
或日
(
あるひ
)
鶉がひよつこりとお庭の
樹
(
き
)
に飛んでまゐりました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
因にこの画は十年程前、仏国の美術館に懸けられてあつたが、盗まれて、数年
行衛
(
ゆくゑ
)
が解らなくなつてゐた。
美術上の婦人
(新字旧仮名)
/
岸田劉生
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
夢中
(
むちゆう
)
で
雷門
(
かみなりもん
)
の
方
(
はう
)
へどん/\歩いた。若い芸者の
行衛
(
ゆくゑ
)
を
見究
(
みきは
)
めやうと
云
(
い
)
ふのではない。自分の眼にばかりあり/\見えるお
糸
(
いと
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
を追つて
行
(
ゆ
)
くのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
日本諸地方に石器時代の
跡
(
あと
)
を遺したる人民にして、
體格
(
たいかく
)
風俗
(
ふうぞく
)
、日本人とも同じからずアイヌとも同じからずとせば、
此
(
この
)
人民は何者なりしか、其
行衛
(
ゆくゑ
)
は如何との二疑問次いで生ずべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
翌くる二十四日の暁天に至りて
寂
(
せき
)
として
息
(
や
)
みぬ、誰か此風の
行衛
(
ゆくゑ
)
を知る者ぞ
人生
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
謹んで秘密の
匣
(
はこ
)
たる我が
行衛
(
ゆくゑ
)
に、生涯手を触るまじきものなりと。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
とて
取次
(
とりつ
)
ぐ
文
(
ふみ
)
の
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
りても
涙
(
なみだ
)
ほろほろ
膝
(
ひざ
)
に
落
(
お
)
ちぬ
義理
(
ぎり
)
といふもの
世
(
よ
)
に
無
(
な
)
かりせば
云
(
い
)
ひたきこといと
多
(
おほ
)
し
別
(
わか
)
れしよりの
辛苦
(
しんく
)
は
如何
(
いか
)
に
或
(
あ
)
る
時
(
とき
)
はあらぬ
人
(
ひと
)
に
迫
(
せ
)
まられて
身
(
み
)
の
遁
(
のが
)
ればの
無
(
な
)
かりし
時
(
とき
)
操
(
みさを
)
はおもし
命
(
いのち
)
は
鵞毛
(
がもう
)
の
雪
(
ゆき
)
の
夜
(
よ
)
に
刄
(
やいば
)
手
(
て
)
に
取
(
と
)
りしことも
有
(
あり
)
けり
或時
(
あるとき
)
はお
行衛
(
ゆくゑ
)
たづね
詫
(
わび
)
て
恨
(
うら
)
みは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
杜鵑
(
とけん
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
は、問ふことを止めよ、天涯高く飛び去りて、絶対的の物、即ち Idea にまで達したるなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ふと獄門の上を見あげますと、獄門の横木の上に、
行衛
(
ゆくゑ
)
不明の馬賊の大将の首がのつてゐるではありませんか。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
子鶉
(
こうづら
)
は急いで巣に帰つてみますと、案の定、母鶉は
可愛
(
かはい
)
い自分の独り子の
行衛
(
ゆくゑ
)
が知れなくなつたので大変心配して、もう物も
喰
(
た
)
べられないで、ねてをりました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
御苦労
(
ごくらう
)
御苦労
(
ごくらう
)
、
真
(
まこと
)
に
御骨折
(
ごほねをり
)
を
懸
(
か
)
けて
誰方
(
どなた
)
にも
相済
(
あひす
)
まん。が、
最
(
も
)
う
御心配
(
ごしんぱい
)
には
及
(
およ
)
ばんのだ。——お
聞
(
き
)
きなさい、
行衛
(
ゆくゑ
)
の
知
(
し
)
れなかつた
家内
(
かない
)
は、
唯今
(
たゞいま
)
其
(
そ
)
の
所在
(
ありか
)
が
分
(
わか
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
〽落ちて
行衛
(
ゆくゑ
)
も
白魚
(
しらうを
)
の、舟のかゞりに
網
(
あみ
)
よりも、
人目
(
ひとめ
)
いとうて
後先
(
あとさき
)
に………
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それから
彼
(
あ
)
の靴の
請負
(
うけおひ
)
の時はドウだ、糊付けの
踵
(
かゝと
)
が雨に離れて、水兵は
繩梯
(
はしご
)
から落ちて
逆巻
(
さかま
)
く
濤
(
なみ
)
へ
行衛
(
ゆくゑ
)
知れずになる、艦隊の方からは
劇
(
はげ
)
しく苦情を持ち込む、本来ならば、
彼時
(
あのとき
)
山木にしろ、君にしろ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
はい、その通りでございます。きつと母は私の
行衛
(
ゆくゑ
)
が知れなくなつたので、ひどく心配して、死にかけてをると存じます。ですから私だけこゝにをりまして結構なものを
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
さつそく四方八方へ
手別
(
てわ
)
けをして、大将をさがしましたが、その
行衛
(
ゆくゑ
)
がわかりませんでした。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
……
私等
(
わしら
)
も
又
(
また
)
、
油断
(
ゆだん
)
なく
奥様
(
おくさま
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
な
捜
(
さが
)
しますだで、えら、
心
(
こゝろ
)
を
狂
(
くる
)
はさつしやりますな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
⦿社会党の艶福、花吉の
行衛
(
ゆくゑ
)
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
“行衛”の解説
行衛(ぎょえ)は、埼玉県川口市の大字。郵便番号は333-0814。
(出典:Wikipedia)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
衛
常用漢字
小5
部首:⾏
16画
“行衛”で始まる語句
行衛不明