トップ
>
立
>
だて
ふりがな文庫
“
立
(
だて
)” の例文
ところが困つた事には、このお医者がエマアソンを読まうとすると、
極
(
きま
)
つたやうに
其処
(
そこ
)
へ飛び込むで来て、邪魔
立
(
だて
)
する者がある。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
岸の、弓形の、その椰子の並木路を、二頭
立
(
だて
)
の馬車や、一頭立の
潚洒
(
しょうしゃ
)
な軽い馬車が、しっきりなしに通っている。めずらしい自動車も通る。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ロダン先生の馬車に乗るのは名誉だと云つて皆の心は
跳
(
おど
)
つた。
併
(
しか
)
し馬車は随分質素な一頭
立
(
だて
)
で、張つた羅紗の
処処
(
ところどころ
)
擦れ切れたのが目に附く。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
だから、何も洗い
立
(
だて
)
をして、どうの、こうのと、
詮議立
(
せんぎだて
)
をするんじゃあないけれども、今来る途中で、松の
鮨
(
すし
)
が、妙なことをいって
当
(
あて
)
っ
擦
(
こす
)
ったよ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
穀蔵に広い二階
立
(
だて
)
の物置小屋、——其
階下
(
した
)
が土間になつてゐて、
稲扱
(
いねこき
)
の日には、二十人近くの男女が口から出放題の
戯談
(
じようだん
)
やら唄やらで賑つたものだ。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
「馬鹿なッ、若し僕が真犯人であったら、一目で分るそんな兇器を、死骸の胸に残して置くものですか。それは却て、僕の無実を証拠
立
(
だて
)
ているのだ」
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それじゃあおまえあんまりというものだよ、何もわたし達あおまえの
叔母
(
おば
)
さんに
告口
(
いつけぐち
)
でもしやしまいし、そんなに
秘
(
かく
)
し
立
(
だて
)
をしなくってもいいじゃあないか。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
父は官を辞した
後
(
のち
)
商となり、その年の春頃から上海の或会社の事務を監督しておられたので、埠頭に立っていた大勢の人に迎えられ、二頭
立
(
だて
)
の箱馬車に乗った。
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
八「手前は盲目かも知れん、また此の者が何うしたか存ぜんけれども、予が服へ斯様に泥を附けて、其の上に理窟を申し、杖を以て手向い
立
(
だて
)
をすれば許さんぞ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ラフマニノフのレコードは、普通『前奏曲=嬰ハ短調』と『三頭
立
(
だて
)
の
橇
(
そり
)
』だけでも事足りるだろう。協奏曲やソナタを蒐集に加えるのは特別な興味を持った人だけでいい。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
ここまで追いつめられながら、まだ隠し
立
(
だて
)
をしようとはさすがの自分にも道理と思えなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先
(
ま
)
づ今夜は帰つてくれとて手を取つて
引出
(
ひきいだ
)
すやうなるも事あら
立
(
だて
)
じの親の慈悲、阿関はこれまでの身と覚悟してお
父様
(
とつさん
)
、お
母様
(
つかさん
)
、今夜の事はこれ限り、帰りまするからは私は原田の妻なり
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さっそく馭者台の下から何やら灰色の羅紗の
襤褸
(
ぼろ
)
をひっぱりだして袖をとおし、しっかり手綱を
掴
(
つか
)
むなり、彼のお説教を聞きながら好い気持に疲れてよたよたと脚を運んでいた三頭
立
(
だて
)
の馬を
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
先生箇条
立
(
だて
)
をした試験をお
受
(
うけ
)
になりましたね。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「いいえ、異なことをいうんじゃあない、隠し
立
(
だて
)
をされてはおかしくないよ、お前、松の
鮓
(
すし
)
は一体どうしたんだえ、」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
両側とも
菜飯田楽
(
なめしでんがく
)
の
行燈
(
あんどう
)
を出した二階
立
(
だて
)
の料理屋と、
往来
(
おうらい
)
を
狭
(
せば
)
むるほどに
立連
(
たちつらな
)
った
葭簀張
(
よしずばり
)
の
掛茶屋
(
かけぢゃや
)
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
早く其の刀を取返し、
仇
(
あだ
)
を討って御帰参になるようにして下せえ、今お前がいう通り、主人と知って
刃向
(
はむけ
)
え
立
(
だて
)
をした丈助だから、
磔刑
(
はりつけ
)
に上っても飽き足らねえ奴だが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは原氏が旅へ出ると、いつも
無益
(
やくざ
)
な買物ばかりするので、成るべく
側
(
そば
)
にゐて
留
(
と
)
め
立
(
だて
)
して欲しいといふ事なのだ。高橋氏は頭のなかに、原夫人の険しい顔を思ひ浮べた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「あらっしゃいましょうより、いらっしゃいましょうの方が聞きいいよ、ねえ
苦沙弥君
(
くしゃみくん
)
」とまた迷亭が
咎
(
とが
)
め
立
(
だて
)
をすると主人は「どっちでも同じ事だ」と気のない返事をする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先
(
ま
)
づ
今夜
(
こんや
)
は
歸
(
かへ
)
つて
呉
(
く
)
れとて
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
引出
(
ひきいだ
)
すやうなるも
事
(
こと
)
あら
立
(
だて
)
じの
親
(
おや
)
の
慈悲
(
じひ
)
、
阿關
(
おせき
)
はこれまでの
身
(
み
)
と
覺悟
(
かくご
)
してお
父樣
(
とつさん
)
、お
母樣
(
つかさん
)
、
今夜
(
こんや
)
の
事
(
こと
)
はこれ
限
(
かぎ
)
り、
歸
(
かへ
)
りまするからは
私
(
わたし
)
は
原田
(
はらだ
)
の
妻
(
つま
)
なり
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さし
詰
(
つむ
)
る
癪
(
しゃく
)
押
(
おさ
)
えて御顔
打守
(
うちまもり
)
しに、
暢
(
のび
)
やかなる御気象、
咎
(
とが
)
め
立
(
だて
)
もし玉わざるのみか何の苦もなくさらりと
埒
(
らち
)
あき、重々の御恩
荷
(
にの
)
うて余る
甲斐
(
かい
)
なき身、せめて肩
揉
(
も
)
め脚
擦
(
さす
)
れとでも
僕使
(
つかい
)
玉わばまだしも
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
小紅屋の
奴
(
やっこ
)
、
平
(
たいら
)
の茶目が、わッ、と
威
(
おどか
)
して飛出す、とお千世が云ったはその溝端。——稲葉家は真向うの細い露地。片側
立
(
だて
)
四軒目で、一番の奥である。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
余が桜の杖に
頤
(
あご
)
を
支
(
ささ
)
えて真正面を見ていると、
遥
(
はる
)
かに対岸の
往来
(
おうらい
)
を
這
(
は
)
い廻る霧の影は次第に濃くなって五階
立
(
だて
)
の町続きの下からぜんぜんこの
揺曳
(
たなび
)
くものの
裏
(
うち
)
に薄れ去って来る。
カーライル博物館
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二頭
立
(
だて
)
の箱馬車が電車を追抜けて行った。左側は車の窓から
濠
(
ほり
)
の景色が絵のように見える。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
別に
咎
(
とが
)
め
立
(
だて
)
もしないが、同じ持つて帰るなら、もつと美しい物を見つけて欲しかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
汝をおっ殺すべえと思ってるところへ、汝が来るてえのは
罰
(
ばち
)
だ、只た一人の忰を親の身として殺したんだぞ野郎、御主人さまへ
刃向
(
はむけ
)
え
立
(
だて
)
をしたんだから、汝は
磔刑
(
はりつけ
)
にあがる程の悪党だが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
諸慾
(
しよよく
)
が
沸
(
わ
)
くほど
出
(
で
)
て
參
(
まゐ
)
りますから、それは/\
不足
(
ふそく
)
だらけで、それに
私
(
わたし
)
が
生意氣
(
なまいき
)
ですものだからつひ/\
心安
(
こゝろやす
)
だてに
旦那
(
だんな
)
さまが
外
(
そと
)
で
遊
(
あそ
)
ばす
事
(
こと
)
にまで
口
(
くち
)
を
出
(
だ
)
して、
何
(
ど
)
うも
貴郎
(
あなた
)
は
私
(
わたし
)
にかくし
立
(
だて
)
を
遊
(
あそ
)
ばして
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
という時、二枚
立
(
だて
)
のその障子の引手の
破目
(
やぶれめ
)
から
仇々
(
あだあだ
)
しい目が二ツ、頬のあたりがほの見えた。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すべて将軍家とか、
大家
(
たいけ
)
の檀那方とかいふものは、出入の者が白い徳利を持つてゐようと、
短銃
(
ピストル
)
を持つてゐようと、成るべく見て見ぬ振をしなければならぬ。もしか
咎
(
とが
)
め
立
(
だて
)
をして
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
舞台の道具
立
(
だて
)
はそのまま役者絵の背景に移され布局上最も重大なる一要素となりぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一体殿様だの、物特だのが何か大それた事でも
仕出来
(
しでか
)
さうとする時には、次の
室
(
ま
)
からよく人が
留
(
と
)
め
立
(
だて
)
に出て来るもので、それが二千石の家老であらうが、篆刻家であらうが少しの差支もない。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今後
(
これから
)
は誰一人間違つた事を
止
(
と
)
め
立
(
だて
)
して呉れるものも無くなるだらう
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
隠
(
かく
)
し
立
(
だて
)
をする友人には随分気味を悪がられた程の人だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と、
達
(
たつ
)
て
留
(
と
)
め
立
(
だて
)
をしたといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“立”を含む語句
佇立
出立
突立
腹立
引立
立会
追立
衝立
逆立
立留
直立
言立
立派
建立
焦立
立退
立停
屹立
立籠
立出
...