生意氣なまいき)” の例文
新字:生意気
手本てほんもとにして生意氣なまいきにも實物じつぶつ寫生しやせいこゝろみ、さいは自分じぶんたくから一丁ばかりはなれた桑園くはゞたけなか借馬屋しやくばやがあるので、幾度いくたびとなく其處そこうまやかよつた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
生意氣なまいき謂ツてゐら………」と投出なげだすやうに謂ツて、「して、何かえ。其の、お百度の御利益ごりやくがあツたのかえ。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さけんだがひません。むかしのことかんがへると、病苦びやうくすくはれたおよねさんにたいして、生意氣なまいきらしくはづかしい。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だからあなたも自分を守つて、あなたのまるつきり知らない一般的なことを、生意氣なまいきに云ふのはお止しなさい。
そろひの浴衣ゆかたはでものこと、銘々めい/\申合まをしあわせて生意氣なまいきのありたけ、かばきももつぶれぬべし、横町組よこてうぐみみづからゆるしたる亂暴らんぼう子供大將こどもたいしやうかしらちやうとてとしも十六
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
新聞しんぶんには講演かうえん梗概かうがいたが、新聞しんぶん記事きじには、信用しんようはらはぬ一にんであるので、しようとせぬ)として、生意氣なまいきながらごとせつするのである。
此奴こやつ生意氣なまいき!。』と水兵すいへいさけんだ。
ありがたう御座ございますとましてかほつき身長せいさへあればひと串戯じようだんとてゆるすまじけれど、一寸法師いつすんぼし生意氣なまいきつまはじきしてなぶりものに烟草休たばこやすみのはなしのたねなりき。
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ところ汽船きせんは——うそだの、裏切うらぎつたのと、生意氣なまいきことふな。直江津なほえつまで、一人前いちにんまへ九錢也きうせんなり。……明治二十六七年頃めいぢにじふろくしちねんごろこととこそいへ、それで、午餉ひる辨當べんたうをくれたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
天道樣てんたうさまかなどゝいふことが、わたし生意氣なまいきこゝろからばかりではありますまい、かならず、屹度きつと何方どなたのおくちからもれずにはりますまい、わたし自分じぶんすこしもわること
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
生意氣なまいきステツキつてつてるのが、くるめくばかりにおもはれました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何時いつとほつてものぞかれて、あゝ高坂かうさかろくさんが子供こどもであつたころ、學校がくかう行返ゆきもどりにつては卷烟草まきたばこのこぼれをもらふて、生意氣なまいきらしう吸立すいたてたものなれど、いま何處どこなにをして
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
舌打したうち生意氣なまいきなものひで
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
をとこ塵塚ちりづかさがす黒斑くろぶちの、ありてようなきものともゆべし、此界隈このかいわいわかしゆばるゝ町並まちなみ息子むすこ生意氣なまいきざかりの十七八より五にんぐみにんぐみこししやく八の伊達だてはなけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
背負しよひあるくさま、としはとへば生意氣なまいきざかりの十六にもりながら其大躰そのづうたいはづかしげにもなく、表町おもてまちへものこ/\とかけるに、何時いつ美登利みどり正太しようたなぶりものになつつて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
諸慾しよよくくほどまゐりますから、それは/\不足ふそくだらけで、それにわたし生意氣なまいきですものだからつひ/\心安こゝろやすだてに旦那だんなさまがそとあそばすことにまでくちして、うも貴郎あなたわたしにかくしだてあそばして
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)