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吸込
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すひこ
ふりがな文庫
“
吸込
(
すひこ
)” の例文
次
(
つぎ
)
の
婦
(
をんな
)
は、
腰
(
こし
)
から
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
を
地
(
つち
)
へ
吸込
(
すひこ
)
まれさうに、
悄乎
(
しよんぼり
)
と
腰
(
こし
)
をなやして
踞
(
しやが
)
む……
鬢
(
びん
)
のはづれへ、ひよろりと
杖
(
つゑ
)
の
尖
(
さき
)
が
抽
(
ぬ
)
けて
青
(
あを
)
い。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
右
(
みぎ
)
の
樣
(
よう
)
な
次第
(
しだい
)
であるから、
著者
(
ちよしや
)
の
結論
(
けつろん
)
としては、
地割
(
ぢわ
)
れに
吸込
(
すひこ
)
まれるような
現象
(
げんしよう
)
は、わが
國
(
くに
)
にては
絶對
(
ぜつたい
)
に
起
(
おこ
)
らないといふことに
歸着
(
きちやく
)
するのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
貴方
(
あなた
)
などは、
才智
(
さいち
)
は
勝
(
すぐ
)
れ、
高潔
(
かうけつ
)
ではあり、
母
(
はゝ
)
の
乳
(
ちゝ
)
と
共
(
とも
)
に
高尚
(
かうしやう
)
な
感情
(
かんじやう
)
を
吸込
(
すひこ
)
まれた
方
(
かた
)
ですが、
實際
(
じつさい
)
の
生活
(
せいくわつ
)
に
入
(
い
)
るや
否
(
いなや
)
、
直
(
たゞち
)
に
疲
(
つか
)
れて
病氣
(
びやうき
)
になつて
了
(
しま
)
はれたです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
自分は長椅子から立上り
爽
(
さわやか
)
な風に
面
(
おもて
)
を吹かせ、
暖
(
あたゝか
)
く静かな空気を肺臓一ぱいに
吸込
(
すひこ
)
み、遠くの星の殊更美しい一ツを見詰めて、さて唇を開いて声を出さうとすると
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何しろ幾百
年來
(
ねんらい
)
、
腐敗
(
ふはい
)
したあらゆる
有機體
(
いうきたい
)
の素を
吸込
(
すひこ
)
むで、土地はしツけてゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
そしてふかぶかと
胸一杯
(
むねいつぱい
)
に匂やかな空氣を
吸込
(
すひこ
)
めば、ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかつた私の
身體
(
からだ
)
や顏には温い血のほとぼりが
昇
(
のぼ
)
つて來て何だか身内に元氣が目覺めて來たのだつた。………
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
マルヂヴエ
群島
(
ぐんとう
)
の
邊
(
へん
)
から
南方
(
なんほう
)
に
向
(
むか
)
つて
走
(
はし
)
るなる、
一層
(
いつそう
)
流勢
(
ながれ
)
の
速
(
はや
)
い
潮流
(
てうりう
)
に
吸込
(
すひこ
)
まれて
居
(
を
)
ると
覺
(
さと
)
つた
時
(
とき
)
、
思
(
おも
)
はず
驚愕
(
おどろき
)
の
聲
(
こゑ
)
を
發
(
はつ
)
した
事
(
こと
)
と、
甞
(
かつ
)
て
物
(
もの
)
の
本
(
ほん
)
で
讀
(
よ
)
んだ
夥
(
おびたゞ
)
しき
鯨
(
くぢら
)
の
群
(
むれ
)
を
遙
(
はるか
)
の
海上
(
かいじやう
)
に
眺
(
なが
)
めた
事
(
こと
)
の
他
(
ほか
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
座
(
ざ
)
が
白
(
しら
)
けて、
暫
(
しば
)
らく
言葉
(
ことば
)
が
途絶
(
とだ
)
えたうちに
所在
(
しよざい
)
がないので、
唄
(
うた
)
うたひの
太夫
(
たいふ
)
、
退屈
(
たいくつ
)
をしたと
見
(
み
)
えて
顔
(
かほ
)
の
前
(
まへ
)
の
行燈
(
あんどう
)
を
吸込
(
すひこ
)
むやうな
大欠伸
(
おほあくび
)
をしたから。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雪枝
(
ゆきえ
)
はハツと
身
(
み
)
を
伏
(
ふ
)
せて、
巌
(
いは
)
に
吸込
(
すひこ
)
まれるかと
呼吸
(
いき
)
を
詰
(
つ
)
めたが、
胸
(
むね
)
の
動悸
(
だうき
)
が、
持上
(
もちあ
)
げ
揺上
(
ゆりあ
)
げ、
山谷
(
さんこく
)
尽
(
こと/″\
)
く
震
(
ふる
)
ふを
覚
(
おぼ
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
煙管
(
きせる
)
を
吹
(
ふ
)
く。とじり/\と
吸込
(
すひこ
)
んで
吹殼
(
ふきがら
)
のこそげ
附
(
つ
)
いて
拔
(
ぬ
)
けない
奴
(
やつ
)
、よこなぐりに、
並木
(
なみき
)
の
松
(
まつ
)
へトンと
拂
(
はら
)
つて、
花
(
はな
)
の
霞
(
かすみ
)
の
江戸
(
えど
)
の
空
(
そら
)
、
筑波
(
つくば
)
を
横
(
よこ
)
に
急
(
いそ
)
ぐ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
呆気
(
あつけ
)
に
取
(
とら
)
れて
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に、
下
(
した
)
の
方
(
はう
)
から
縮
(
ちゞ
)
みながら、ぶくぶくと
太
(
ふと
)
つて
行
(
ゆ
)
くのは
生血
(
いきち
)
をしたゝかに
吸込
(
すひこ
)
む
所為
(
せゐ
)
で、
濁
(
にご
)
つた
黒
(
くろ
)
い
滑
(
なめ
)
らかな
肌
(
はだ
)
に
茶褐色
(
ちやかツしよく
)
の
縞
(
しま
)
をもつた、
痣胡瓜
(
いぼきうり
)
のやうな
血
(
ち
)
を
取
(
と
)
る
動物
(
どうぶつ
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
吸
常用漢字
小6
部首:⼝
6画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“吸込”で始まる語句
吸込式真空掃除機