“すひこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
吸込100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分は長椅子から立上りさわやかな風におもてを吹かせ、あたゝかく静かな空気を肺臓一ぱいに吸込すひこみ、遠くの星の殊更美しい一ツを見詰めて、さて唇を開いて声を出さうとすると
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
何しろ幾百年來ねんらい腐敗ふはいしたあらゆる有機體いうきたいの素を吸込すひこむで、土地はしツけてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そしてふかぶかと胸一杯むねいつぱいに匂やかな空氣を吸込すひこめば、ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかつた私の身體からだや顏には温い血のほとぼりがのぼつて來て何だか身内に元氣が目覺めて來たのだつた。………
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)