双方さうはう)” の例文
旧字:雙方
申さば父の越度をちどとなりまたいはずば吉三郎は殺さるべし兩方まつたきやうには何事もゆかざれども能々よく/\かんがへてこゝろしづかに双方さうはう無事になるやうの御答おこたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
をりから、従弟いとこ当流たうりうの一とゝもに、九州地しうぢ巡業中じゆんげふちう留守るすだつた。細君さいくんが、その双方さうはうねて見舞みまつた。の三めのときことなので。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はじめからしまひまで間違まちがつてる』と斷乎きつぱり芋蟲いもむしひました。それから双方さうはうともくちつぐんでしまつたので、しばらくのあひだまたしんとしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
すなら御米およねてゐるいまである。いまならどんな氣不味きまづいことを双方さうはうつのつたつて、御米およね神經しんけいさは氣遣きづかひはない
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
B うゝ、それはマア双方さうはうあひだにキナくさにほひぐらゐしてゐたのだらう。其中そのうちをんなくにかへつて、しばらくしてから手紙てがみをよこしたんだ、さうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
わたし去年きよねんふゆつまむかへたばかりで、一たい双方さうはうとも内気うちきはうだから、こゝろそこから打釈うちとけるとほどれてはゐない。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
いてかゝる。ベンヺーリオー餘義よぎなく敵手あひてになる。この途端とたん兩家りゃうけ關係者くわんけいじゃ双方さうはうよりきたり、入亂いりみだれてたゝかふ。市民しみんおよ警吏長等けいりちゃうら棍棒クラッブたづさへてきたる。
享保二丁酉年ひのとゝりどし十月廿二日双方さうはうとう又々評定所ひやうぢやうしよへ呼出しに相成前規の通役人方出座にて公事くじ人名前一々呼立濟て大岡越前守殿九郎兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二人ふたりながいだかみ双方さうはうからつて、るべくるみの出來できないやうつとめたが、小六ころく時々とき/″\面倒臭めんだうくささうなかほをすると、御米およねはつい遠慮ゑんりよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さうすれば自然しぜんあのかたのお名前なまへにもきずのつくことでございますから、ふねにおりになるまで、我慢がまんしてゐたはうが、双方さうはう利益りえきだらうと、あにもさうまうしますものですから。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
A イヤおほきに結構けつこう双方さうはう一月ひとつき九十せんづつの散財さんざいだ。精々せい/″\葉書はがき贅澤ぜいたくをやりたまへ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
つて二人ふたりたがひ丁寧ていねいにお辭儀じぎをしつたときに、双方さうはう縮髮ちゞれけが一しよからみつきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
こひあだは、双方さうはうつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其外双方さうはう付添つきそひの役人共みぎの通り申わたせしにより其むね心得こゝろえよと申渡されける實にや大岡殿の裁斷さいだん明鏡めいきやうに物をうつすが如く後世こうせい才量さいりやうたゝへるもむべなるかな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫婦ふうふになつてるのがにくらしいつて、いしあたまられるおそれは、まあいですからね。しかも双方さうはうともに二十ねんも三十ねん安全あんぜんなら、まつた御目出おめでたいにちがひありませんよ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)