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半途
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はんと
ふりがな文庫
“
半途
(
はんと
)” の例文
この事業はいまだ
半途
(
はんと
)
にして
如何
(
いか
)
になり行くべきや、常なき人の世のことは
予
(
あらかじ
)
めいいがたし、ただこの趣意を
貫
(
つらぬ
)
かんこそ、
妾
(
わらわ
)
が将来の務めなれ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
已
(
すで
)
に
半途
(
はんと
)
にいたれば鳥の声をもきかず、
殆
(
ほとんど
)
東西を
弁
(
べん
)
じがたく道なきがごとし。案内者はよく知りてさきへすゝみ、
山篠
(
やまさゝ
)
をおしわけ
幣
(
へい
)
をさゝげてみちを
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ことに住宅などはまだその改良の
半途
(
はんと
)
であり、敵の空襲というような、前にはかんがえて置くことのできなかった危険と不安とが、大きいのから小さいのまで
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「いや、さまでには行き届きません。しかし隠岐への旅も、ようやく
半途
(
はんと
)
、明日からはまた、非情な旅路です。どうぞ今日ばかりは心ゆくまで、一日の御休息を」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不遠慮に何にでも手を触れるのが君の流儀で、口から出かかった詞をも
遠慮勝
(
えんりょがち
)
に
半途
(
はんと
)
で
止
(
や
)
めるのが僕の
生付
(
うまれつき
)
であった。この二人の目の前にある時一人の
女子
(
おなご
)
が現れた。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
▼ もっと見る
突然と横合から飛び出した宗近君は、滑るべく余儀なくせられたる人を、
半途
(
はんと
)
に
遮
(
さえぎ
)
った。遮ぎられた人は邪魔に
逢
(
あ
)
うと同時に、一刻の安きを
故
(
もと
)
の位地に
貪
(
むさぼ
)
る事が出来る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もうよほど歩いたから、発光路も
直
(
じき
)
だろうと、
道程
(
みちのり
)
を聞いて見ると、ちょうど
半途
(
はんと
)
だというので、それからまた勇気を附けて歩きましたが、歩いても、歩いても発光路へは着かない。
幕末維新懐古談:73 栃の木で老猿を彫ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
一
番
(
ばん
)
困
(
こま
)
るのは
物質
(
ぶっしつ
)
というものの
兎角
(
とかく
)
崩
(
くず
)
れ
易
(
やす
)
いことで、いろいろ
工夫
(
くふう
)
して
造
(
つく
)
って
見
(
み
)
ても、
皆
(
みな
)
半途
(
はんと
)
で
流
(
なが
)
れて
了
(
しま
)
い、
立派
(
りっぱ
)
に
魂
(
たましい
)
の
宿
(
やど
)
になるような、
完全
(
かんぜん
)
な
人体
(
じんたい
)
は
容易
(
ようい
)
に
出来上
(
できあが
)
らなかったそうでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
只今大膳より
聞
(
きゝ
)
及び承知したり
併
(
しか
)
し
箇樣
(
かやう
)
の
大望
(
たいまう
)
は中々
浮
(
うき
)
たる事にては
成就
(
じやうじゆ
)
覺束
(
おぼつか
)
なし
先
(
まづ
)
根本
(
こんぽん
)
より申合せて
巧
(
たく
)
まねば
萬一
(
まんいち
)
中折
(
なかをれ
)
して
半途
(
はんと
)
に
露顯
(
ろけん
)
に及ぶ時は
千辛萬苦
(
せんしんばんく
)
も水の
泡
(
あわ
)
と
成
(
なる
)
計
(
ばかり
)
か其身の一大事に及ぶべし先
名乘
(
なのり
)
出る時は必ず其生れ所と
育
(
そだち
)
し所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
已
(
すで
)
に
半途
(
はんと
)
にいたれば鳥の声をもきかず、
殆
(
ほとんど
)
東西を
弁
(
べん
)
じがたく道なきがごとし。案内者はよく知りてさきへすゝみ、
山篠
(
やまさゝ
)
をおしわけ
幣
(
へい
)
をさゝげてみちを
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その上私は
神経衰弱
(
しんけいすいじゃく
)
に罹りました。最後に下らない創作などを雑誌に
載
(
の
)
せなければならない
仕儀
(
しぎ
)
に
陥
(
おちい
)
りました。いろいろの事情で、私は私の
企
(
くわだ
)
てた事業を
半途
(
はんと
)
で中止してしまいました。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
古縄
(
ふるなは
)
を
蛇
(
へび
)
とし
駭
(
おど
)
せば、おどされたる
妓
(
ぎ
)
愕
(
びつくり
)
して
片足
(
かたあし
)
泥田
(
どろた
)
へふみいれしを
衆人
(
みな/\
)
辴然
(
おほわらひ
)
す。此
途
(
みち
)
は
凡
(
すべ
)
て
農業
(
のうげふ
)
の
通路
(
つうろ
)
なれば
憇
(
いこ
)
ふべき
茶店
(
ちやみせ
)
もなく、
半途
(
はんと
)
に
至
(
いた
)
りて古き
社
(
やしろ
)
に入りてやすらふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
二人
(
ふたり
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で
沸
(
わ
)
き
返
(
かへ
)
つた
凄
(
すご
)
い
泡
(
あわ
)
の
樣
(
やう
)
なものが
漸
(
やうや
)
く
靜
(
しづ
)
まつた
時
(
とき
)
、
二人
(
ふたり
)
は
安井
(
やすゐ
)
も
亦
(
また
)
半途
(
はんと
)
で
學校
(
がくかう
)
を
退
(
しりぞ
)
いたといふ
消息
(
せうそく
)
を
耳
(
みゝ
)
にした。
彼等
(
かれら
)
は
固
(
もと
)
より
安井
(
やすゐ
)
の
前途
(
ぜんと
)
を
傷
(
きずつ
)
けた
原因
(
げんいん
)
をなしたに
違
(
ちがひ
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
古縄
(
ふるなは
)
を
蛇
(
へび
)
とし
駭
(
おど
)
せば、おどされたる
妓
(
ぎ
)
愕
(
びつくり
)
して
片足
(
かたあし
)
泥田
(
どろた
)
へふみいれしを
衆人
(
みな/\
)
辴然
(
おほわらひ
)
す。此
途
(
みち
)
は
凡
(
すべ
)
て
農業
(
のうげふ
)
の
通路
(
つうろ
)
なれば
憇
(
いこ
)
ふべき
茶店
(
ちやみせ
)
もなく、
半途
(
はんと
)
に
至
(
いた
)
りて古き
社
(
やしろ
)
に入りてやすらふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼等
(
かれら
)
は
安井
(
やすゐ
)
を
半途
(
はんと
)
で
退學
(
たいがく
)
させ、
郷里
(
きやうり
)
へ
歸
(
かへ
)
らせ、
病氣
(
びやうき
)
に
罹
(
かゝ
)
らせ、もしくは
滿洲
(
まんしう
)
へ
驅
(
か
)
り
遣
(
や
)
つた
罪
(
つみ
)
に
對
(
たい
)
して、
如何
(
いか
)
に
悔恨
(
くわいこん
)
の
苦
(
くる
)
しみを
重
(
かさ
)
ねても、
何
(
ど
)
うする
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ない
地位
(
ちゐ
)
に
立
(
た
)
つてゐたからである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ピトロクリの谷は秋の
真下
(
ました
)
にある。十月の日が、眼に入る野と林を暖かい色に染めた中に、人は寝たり起きたりしている。十月の日は静かな谷の空気を空の
半途
(
はんと
)
で
包
(
くる
)
んで、じかには地にも落ちて来ぬ。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“半途”の意味
《名詞》
半 途(はんと)
事業などの半ば。
(出典:Wiktionary)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“半”で始まる語句
半
半分
半刻
半纏
半襟
半纒
半身
半年
半切
半歳