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めえさま
ふりがな文庫
“
前様
(
めえさま
)” の例文
旧字:
前樣
聞
(
き
)
けば
聞
(
き
)
くほど、へい、
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
ひやうはねえ。けんども、お
前様
(
めえさま
)
、お
少
(
わけ
)
えに、
其
(
そ
)
の
位
(
くらゐ
)
の
事
(
こと
)
に、
然
(
さ
)
う
気
(
き
)
い
落
(
おと
)
さつしやるもんでねえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
漸く
後
(
あと
)
を追って
参
(
めえ
)
りまして、
此家
(
こゝ
)
へ来るとお
前様
(
めえさま
)
足い洗って
上
(
あが
)
るところだ、
他人
(
ひと
)
の荷物を自分の荷物のように知らぬ顔をして呆れた人だア
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そうでがすよ。」と、七兵衛は
首肯
(
うなず
)
いて、「お
前様
(
めえさま
)
よく知っていなさるね。
這奴
(
こいつ
)
、若旦那を
釣出
(
つりだ
)
そうと思ったって、
然
(
そ
)
うは行かねえ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「お
前様
(
めえさま
)
ならタダで上げます。」と言つて、
怎
(
ど
)
うしてもお
銭
(
あし
)
を請取らなかつただらう、などと、
取留
(
とりとめ
)
もない事を考へて、
畏
(
おそ
)
る
畏
(
おそ
)
る叔父を見た。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「あのお
前様
(
めえさま
)
の
位所
(
くらいどころ
)
は、どこらあたりでごぜえますな?」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「
此処
(
ここ
)
はお
前様
(
めえさま
)
たちにゃ危ねえだ」
案内人風景
(新字新仮名)
/
百瀬慎太郎
、
黒部溯郎
(著)
ぢやが、お
前様
(
めえさま
)
は
山
(
やま
)
が
先生
(
せんせい
)
、
水
(
みづ
)
が
師匠
(
ししやう
)
と
言
(
い
)
ふわけ
合
(
あひ
)
で、
私等
(
わしら
)
が
気
(
き
)
にや
天上界
(
てんじやうかい
)
のやうな
東京
(
とうきやう
)
から、
遥々
(
はる/″\
)
と……
飛騨
(
ひだ
)
の
山家
(
やまが
)
までござつたかね。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『ホホヽヽ。』と
再
(
また
)
笑つて、『先生様ア、お
前様
(
めえさま
)
狐踊踊るづア、
今夜
(
こんにや
)
俺
(
おら
)
と一緒に踊らねえすか?
今夜
(
こんにや
)
から盆だず。』
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
這奴等
(
こいつら
)
ア毎日毎晩、酒ばかり
食
(
くら
)
っているのが
商売
(
しょうべえ
)
だからね。お
前様
(
めえさま
)
も用心しなせえ。こんな
阿魔
(
あま
)
が蛇のように若旦那を狙っているんだから……。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ハイ
今日
(
こんにち
)
出ましたのは
他
(
ほか
)
の訳でもございませんが、ソノマアお
前様
(
めえさま
)
はお
侍
(
さむれえ
)
のことで
商売
(
あきねえ
)
のことは御存じも有りますめえが、江戸の
商売
(
しょうばい
)
と
違
(
ちげ
)
えまして
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ヒャッ、お
前様
(
めえさま
)
は福の神様かね?」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お
前様
(
めえさま
)
湯治
(
たうぢ
)
にござつて、
奥様
(
おくさま
)
の
行方
(
ゆきがた
)
が
知
(
し
)
れなく
成
(
な
)
つたは、つひ
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
の
事
(
こと
)
ではねえだか、
坊様
(
ばうさま
)
は
何処
(
どこ
)
で
聞
(
き
)
いて、
奥様
(
おくさま
)
の
言
(
こと
)
づけを
為
(
し
)
たゞがの。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
前様
(
めえさま
)
ア留守勝で
家
(
うち
)
の事は御存じござんねえが、
悪戯
(
いたずら
)
は
果
(
はた
)
すかは知らねえが、
頑是
(
がんぜ
)
がねえ
十
(
とお
)
にもなんねえ正太郎だから、少しぐれえの事は勘弁して下さえ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『成程。それで何かな、先生、お
前様
(
めえさま
)
は一人でも此村に信者が出来ると、何処へも行かねえて言つたけが、
真箇
(
ほんと
)
かな? それ聞かねえと
意外
(
とんだ
)
ブマ見るだ。』
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「奴なんぞと云うじゃアねえ。何処に
立聞
(
たちぎき
)
をしていて、
何
(
ど
)
んな
祟
(
たたり
)
をするか知れねえ。幾らお
前様
(
めえさま
)
が理屈を云ったって、𤢖に逢ったが最後、
何
(
ど
)
んな人間だって
敵
(
かな
)
うものじゃねえから……。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「頼んます、はい、どうぞお
前様
(
めえさま
)
持たっせえて、ついでにその
法衣
(
ころも
)
着さっせえ姿から、光明
赫燿
(
かくやく
)
と願えてえだ。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
随つて、其昔「お
前
(
めえ
)
」とか「
其方
(
そご
)
」とか呼び慣してゐた村の人達も、期せずして皆「お
前様
(
めえさま
)
」と呼んだ。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
よくまア……ほんにマア
宜
(
よ
)
く御無事でお帰りなさいましたなア、
何
(
ど
)
うして助かりやしたえ、あの時
私
(
わし
)
があれ程お
前様
(
めえさま
)
に、ありゃア海賊の手下だと申しやしたのに
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「主人も
糸瓜
(
へちま
)
もあるものか、
吾
(
おれ
)
は、何でも重隆様のいいつけ通りにきっと勤めりゃそれで
可
(
い
)
いのだ。お
前様
(
めえさま
)
が何と謂ったって耳にも入れるものじゃねえ。」
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
清「お前さま帰るなんて云わねえが
宜
(
い
)
い、さゝ冷たくなって、歯を
咬
(
くい
)
しばっておっ
死
(
ち
)
んだ、お
前様
(
めえさま
)
が
余
(
あんま
)
り小言を云うからだ……ア
痛
(
いた
)
え、己の頭へ石頭を
打附
(
ぶッつ
)
けて」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから
私
(
わし
)
が
此処
(
こゝ
)
の
家来
(
けれえ
)
になっただね、して見るとお
前様
(
めえさま
)
、私のためには
大事
(
でえじ
)
なお人で、私は
家来
(
けらい
)
でござえますから、永らく居る内にはお
互
(
たげ
)
えに
心安立
(
こゝろやすだ
)
てが出て来るだ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……
先
(
せん
)
に案内をした時に、彼これ日が暮れたで、取り
敢
(
あえ
)
ず
点
(
とも
)
して置いたもんだね。そのお
前様
(
めえさま
)
、
蝋燭火
(
ろうそくび
)
の
傍
(
わき
)
に、首い
傾
(
かし
)
げて、腕組みして坐ってござるで、気になるだ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前様
(
めえさま
)
には始めてお目に懸って意趣遺恨のある
理由
(
わけ
)
がござえません、
私
(
わし
)
は
何
(
なん
)
にも知んねえ
田舎漢
(
いなかもの
)
で、年も取ってるし、御馳走の酒を戴き、酔払いになったもんだから
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そりゃ
不可
(
いけね
)
えだ。何でも、は、お
前様
(
めえさま
)
に気を着けて、
蚤
(
のみ
)
にもささせるなという、おっしゃりつけだアもの。眼を潰すなんてあてごともない。飛んだことをいわっしゃる。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それを左へ開けさっせえまし、入口の板敷から二ツ目のが、男が立って
遣
(
や
)
るのでがす。行抜けに北の縁側へも出られますで、お
前様
(
めえさま
)
帰りがけに取違えてはなんねえだよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前様
(
めえさま
)
を
後添
(
のちぞえ
)
にしべえと、分家の旦那様と
私
(
わし
)
が勧めたけれども、旦那様は
堅
(
かて
)
えから、
余
(
あんま
)
り歳が違うから村の者へ外聞が悪いというのを、多助さんには叔母さんの事だから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
作「
私
(
わし
)
もヤアぶち出し
悪
(
にく
)
かったが、お
前様
(
めえさま
)
が承知なら頼まれげえが有って
有難
(
ありがて
)
えだ、
然
(
そ
)
うなれば
私
(
わし
)
イ及ばずながら
媒妁
(
なこうど
)
する了簡だ、それじゃア大丈夫だろうネ、
仔細
(
しせえ
)
無
(
ね
)
えね」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何を謂わッしても駄目なこんだ。そりゃ、は、とても駄目でござる。こんなことがあろうと思わっしゃればこそ、旦那様が
扶持
(
ふち
)
い着けて、お
前様
(
めえさま
)
の番をさして置かっしゃるだ。」
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
與「けれども小言を云ったって、旦那様もお
前様
(
めえさま
)
の身を案じてねえ、新吉さんと手が切れて
家
(
うち
)
へ
帰
(
けえ
)
れるようにしたいと思うから意見を云うので、悪く思わねえ様に、よう/\」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今しがた
小雨
(
こさめ
)
が降って、お天気が上ると、お
前様
(
めえさま
)
、雨よりは大きい
紅色
(
べにいろ
)
の露がぽったりぽったりする、あの桃の木の下の
許
(
とこ
)
さ、
背戸口
(
せどぐち
)
から
御新姐
(
ごしんぞ
)
が、紫色の
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
さして出てござって
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何かお
前様
(
めえさま
)
を追出させるように
巧
(
たく
)
んだに違え
無
(
ね
)
えだ、本当にあのくれえ憎らしい野郎も無えもんだ、ちょいと何一つくれるんでもお
前
(
めえ
)
さんと番頭とではこう違うだ、こんな物は
己
(
おら
)
ア
嫌
(
きれ
)
えだ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まあ、お
前様
(
めえさま
)
。まあ、こんな中に
先刻
(
さっき
)
にからござらせえたか。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前様
(
めえさま
)
の顔を一日見ねえば、
恰
(
なか
)
ら百日も見ねえようでがんすよ……見ねえようでがんすよはおかしいナ……それに
親父
(
おやじ
)
が婿を取れと云いやんすから、厭でなりやしねえよ、
明日
(
あす
)
は
日待
(
ひまち
)
だから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「後を頼むとって、お
前様
(
めえさま
)
、どこさ
行
(
ゆ
)
かっしゃる。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前様
(
めえさま
)
の字イ書くのを見て、此の女ア
只者
(
たゞもの
)
じゃア
無
(
ね
)
えちゅうて、わざ/″\越後からお前様に会いにござらしって、
私
(
わし
)
が
家
(
うち
)
にいるだ、悪い事アあんめえから、ちょッくら私が家へござらっしゃい
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(やあ、お
前様
(
めえさま
)
いけましねえ。いけましねえ。)
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
田「お
前様
(
めえさま
)
にゃア何うして、なに其の金ア此の野郎から
貰
(
もれ
)
えますわ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わし
)
奉公人でがんす、多助さんは
此家
(
こゝ
)
な相続人だよ、お
前様
(
めえさま
)
より多助さんの方が先へ
此家
(
こゝ
)
へ貰われて来たは、十四年あとの八月で、お
前
(
めえ
)
さまは其の年の九月に来て、其の
翌年
(
よくとし
)
先
(
せん
)
の
内儀
(
かみ
)
さんが死んだから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
相「誠にお
前様
(
めえさま
)
、御親切が恐れ入り奉ります」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“前様”で始まる語句
前様方