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先立
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さきだ
ふりがな文庫
“
先立
(
さきだ
)” の例文
私
(
わたくし
)
が
三浦
(
みうら
)
へ
嫁
(
とつ
)
いだ
頃
(
ころ
)
は五十
歳
(
さい
)
位
(
くらい
)
でもあったでしょうが、
夙
(
とう
)
に
女房
(
にょうぼう
)
に
先立
(
さきだ
)
たれ、
独身
(
どくしん
)
で
立
(
た
)
ち
働
(
はたら
)
いている、
至
(
いた
)
って
忠実
(
ちゅうじつ
)
な
親爺
(
おやじ
)
さんでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
倉地は四五歩
先立
(
さきだ
)
って、そのあとから葉子と木部とは間を隔てて並びながら、また弁慶
蟹
(
がに
)
のうざうざいる砂道を浜のほうに降りて行った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
もう
空
(
そら
)
の
何處
(
どこ
)
にか
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひを
潜
(
ひそ
)
めて
躊躇
(
ちうちよ
)
して
居
(
ゐ
)
る
筈
(
はず
)
の
春
(
はる
)
に
先立
(
さきだ
)
つて一
度
(
ど
)
に
取返
(
とりかへ
)
さうとするものゝ
如
(
ごと
)
く
騷
(
さわ
)
いで/\
又
(
また
)
騷
(
さわ
)
ぐのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
早く妻を
先立
(
さきだ
)
てた私はそれと反対に、自分は家にとどまりながら成長する子供を順に送り出して、だんだん一人になるような道を歩いて来た。
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これは
結婚
(
けつこん
)
に
先立
(
さきだ
)
つて、
新
(
あたら
)
しい
家
(
いへ
)
を
建
(
た
)
てる、その
新築
(
しんちく
)
の
室
(
むろ
)
の
讃
(
ほ
)
め
言葉
(
ことば
)
で、
同時
(
どうじ
)
に、
新婚者
(
しんこんしや
)
の
幸福
(
こうふく
)
を
祈
(
いの
)
る
意味
(
いみ
)
の
言葉
(
ことば
)
なのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
おのもおのものりたまひ
竟
(
を
)
へて後に、その妹に
告
(
の
)
りたまひしく、「
女人
(
をみな
)
先立
(
さきだ
)
ち言へるはふさはず」とのりたまひき。然れども
隱處
(
くみど
)
に
興
(
おこ
)
して
子
(
みこ
)
水蛭子
(
ひるこ
)
を生みたまひき
九
。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
それよりは
少
(
すこ
)
しでも
美
(
うつく
)
しい
立派
(
りつぱ
)
な、
快適
(
くわいてき
)
な
家
(
いへ
)
を
作
(
つく
)
りたいといふ
考
(
かんが
)
へが
先立
(
さきだ
)
つて
來
(
き
)
たらねばならぬ。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
老年になってから、十も年下の弟に
先立
(
さきだ
)
たれ、四人兄弟が私一人になってしまったのですものを。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
待
(
まつ
)
て
春
(
はる
)
の
氷
(
こほり
)
に
朝日
(
あさひ
)
かげおのづから
解
(
と
)
けわたる
折
(
をり
)
ならでは
何事
(
なにごと
)
の
甲斐
(
かひ
)
ありとも
覺
(
おぼ
)
えず
誰
(
た
)
れも/\
異見
(
いけん
)
は
言
(
い
)
ふな
心
(
こゝろ
)
の
浮
(
う
)
く
話
(
はなし
)
に
氣
(
き
)
をなぐさめて
面白
(
おもしろ
)
き
世
(
よ
)
をおもしろしと
思
(
おも
)
はするのが
肝要
(
かんえう
)
ぞと
我
(
われ
)
先立
(
さきだ
)
ちて
機嫌
(
きげん
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ちちははは国に捧ぐとひとり
子
(
ご
)
の
愛児
(
まなご
)
先立
(
さきだ
)
たし老いつつ言はず
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さういふ
村落
(
むら
)
を
包
(
つゝ
)
んで
其處
(
そこ
)
にも
雜木林
(
ざふきばやし
)
が一
帶
(
たい
)
に
赭
(
あか
)
くなつて
居
(
ゐ
)
る。
他
(
た
)
に
先立
(
さきだ
)
つて
際
(
きは
)
どく
燃
(
も
)
えるやうになつた
白膠木
(
ぬるで
)
の
葉
(
は
)
が
黒
(
くろ
)
い
土
(
つち
)
と
遠
(
とほ
)
く
相
(
あひ
)
映
(
えい
)
じて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そんなことを
言
(
い
)
いながら、
右
(
みぎ
)
から
左
(
ひだり
)
からしげしげと
私
(
わたくし
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
まもるのでした。これも
生
(
う
)
みの
母
(
はは
)
なればこそ、と
思
(
おも
)
えば、
自
(
おの
)
ずと
先立
(
さきだ
)
つものは
泪
(
なみだ
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼等
(
かれら
)
はさういふ
仕事
(
しごと
)
があるので
墓
(
はか
)
へ
行
(
ゆ
)
くにも
人
(
ひと
)
よりも
先立
(
さきだ
)
つて
非常
(
ひじやう
)
に
急
(
いそ
)
いだのであつたが、それでも
米
(
こめ
)
が
蒸
(
む
)
せるまでには
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
は
薄闇
(
うすくら
)
く
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
散々
(
さんざん
)
苦労
(
くろう
)
ばかりかけて、
何
(
な
)
んの
報
(
むく
)
ゆるところもなく、
若
(
わか
)
い
身上
(
みそら
)
で、
先立
(
さきだ
)
ってこちらへ
引越
(
ひきこ
)
して
了
(
しま
)
った
親不孝
(
おやふこう
)
の
罪
(
つみ
)
、こればかりは
全
(
まった
)
く
身
(
み
)
を
切
(
き
)
られるような
思
(
おも
)
いがするのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“先”で始まる語句
先
先刻
先方
先生
先達
先鋒
先日
先祖
先途
先手