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人非人
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にんぴにん
ふりがな文庫
“
人非人
(
にんぴにん
)” の例文
命が惜いように見えるでしょうか? わたしはそれほど恩義を知らぬ、
人非人
(
にんぴにん
)
のように見えるでしょうか? わたしはそれほど、——
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いい訳はあるまい。あさましい
人非人
(
にんぴにん
)
。その風俗をした姿を、
羅馬
(
ローマ
)
の町の辻に
晒
(
さら
)
しものにして、お前の肉親たちにも見せてやりたい」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よくも孝助を弓の
折
(
おれ
)
で
打
(
ぶ
)
ったな、それのみならず主人を殺し、
両人
(
ふたり
)
乗込んで飯島の家を
自儘
(
じまゝ
)
にしようと云う
人非人
(
にんぴにん
)
、今こそ思い知ったか
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
普通に非人という語は「
人非人
(
にんぴにん
)
」で、人にして人に非ずだと解しておりますが、それは後世の思想で、残酷な解釈であります。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
実に立派な口上を
有仰
(
おつしや
)
いましたでは御座いませんか、それ程義のお堅い貴方なら、
何為
(
なぜ
)
こんな
淫乱
(
いんらん
)
の
人非人
(
にんぴにん
)
を
阿容
(
おめおめ
)
活
(
い
)
けてお置き遊ばすのですか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
葉子のような
人非人
(
にんぴにん
)
はこうしてやるぞといって、わたしを押えつけて心臓でも頭でもくだけて飛んでしまうほど
折檻
(
せっかん
)
をしてくれたらと思うんですの。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
我々は単に、空想、情熱、主観等の語を言うだけでも、その詩的の
故
(
ゆえ
)
に
嘲笑
(
ちょうしょう
)
され、文壇的
人非人
(
にんぴにん
)
として
擯斥
(
ひんせき
)
された。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「おのれ……コノ
人非人
(
にんぴにん
)
。キ……貴様はコノ俺を……オ……オモチャにして殺すのか……コ、コ、コノ冷血漢……」
怪夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「畜生、まったくそうだ! 畜生!……
下司
(
げす
)
野郎……
人非人
(
にんぴにん
)
! そうだ人非人だ!……おれは大嫌いだ。大嫌いだ。……死んじまうがいいや、死にやがれ!」
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
犧牲
(
ぎせい
)
にしてもお
前
(
まへ
)
さまのお
心
(
こゝろ
)
伺
(
うかゞ
)
ふ
先
(
さき
)
に
生
(
い
)
きて
還
(
かへ
)
る
念
(
ねん
)
はなし
父御
(
てゝご
)
さまの
今日
(
けふ
)
の
仰
(
おほ
)
せ
人非人
(
にんぴにん
)
の
運平
(
うんぺい
)
が
娘
(
むすめ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お辰の話
聞
(
きい
)
ては急に
角
(
つの
)
を折ってやさしく夜長の御慰みに玉子湯でもして
上
(
あげ
)
ましょうかと
老人
(
としより
)
の
機嫌
(
きげん
)
を取る気になるぞ、それを
先度
(
せんど
)
も上田の
女衒
(
ぜげん
)
に渡そうとした
人非人
(
にんぴにん
)
め
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
捉
(
とら
)
へてくれう。……やい、モンタギューめ、
破廉恥
(
はれんち
)
な
所行
(
しょぎゃう
)
を
止
(
や
)
めい。
怨
(
うらみ
)
を
死骸
(
むくろ
)
にまで
及
(
およ
)
ぼさうとは、
墮地獄
(
だぢごく
)
の
人非人
(
にんぴにん
)
め、
引立
(
ひきた
)
つる、
尋常
(
じんじゃう
)
に
從
(
つ
)
いて
來
(
こ
)
い。
生
(
い
)
けてはおかぬぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「畜生! 犬!
人非人
(
にんぴにん
)
! もう貴様には用はないんだ! 出て行けったら出て行かんか!」
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『
仮名手本
(
かなでほん
)
忠臣蔵』の作者
竹田出雲
(
たけだいずも
)
に
斧九太夫
(
おのくだゆう
)
という名を与えられて以来、殆ど
人非人
(
にんぴにん
)
のモデルであるように
洽
(
あまね
)
く世間に伝えられている大野九郎兵衛という一個の元禄武士は
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
妾は驚きつつまた腹立たしさの
遣
(
や
)
る
瀬
(
せ
)
なく、骨肉の兄と思えばこそかく大事を打ち明けしなるに、
卑怯
(
ひきょう
)
にも警察に告訴して有志の士を
傷
(
きず
)
つけんとは、何たる怖ろしき
人非人
(
にんぴにん
)
ぞ
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「さようさよう。同じ大石殿の家来の
中
(
ちゅう
)
にも、瀬尾孫左衛門のような
人非人
(
にんぴにん
)
もあれば、またあんな忠義なものもある。まさかの場合になって、始めて人の心は分るものでござるな」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
ほとんど最下等の労働者にさえ
歯
(
よわい
)
されない
人非人
(
にんぴにん
)
として、
多勢
(
たぜい
)
の侮辱を受けている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今にも
貴嬢
(
あなた
)
を
打擲
(
ちやうちやく
)
なさるかと、お側に居る私さへ身が
慄
(
ふる
)
ひました——それに奥様の悪態を御覧遊ばせ、恩知らずの、
人非人
(
にんぴにん
)
の、
何
(
なん
)
の
角
(
か
)
のと、
兎
(
と
)
ても口にされる訳のものでは御座いませぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
見返
(
みかへ
)
らぬとは鳥獸に
劣
(
おと
)
りし
奴
(
やつ
)
親でもなし子でもなし見下果たる
人非人
(
にんぴにん
)
と
切齒
(
はがみ
)
をなせども又外に
爲
(
す
)
べき樣も有ざれば
家財雜具
(
かざいざふぐ
)
を人手に渡し其身は嫁と
諸共
(
もろとも
)
に淺草諏訪町にて裏店を
借請
(
かりうけ
)
注
(
すゝぎ
)
洗濯
(
せんたく
)
賃仕事
(
ちんしごと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
横領しようと企らんだ、飛んでもない
人非人
(
にんぴにん
)
なんでございます
蛇性の執念
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
何うも生きて居ては操が立たんから自害をさしてくれと云った、な、これ
仮令
(
たとい
)
悪事を知ったとて人を
生埋
(
いきうめ
)
にするような
人非人
(
にんぴにん
)
の其の方でも
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「き、貴さま如き、義も恩も知らぬ人間から、武門の難に立った母と子の心がけを、
講釈
(
こうしゃく
)
してもらおうとは思わん。
人非人
(
にんぴにん
)
めが、恥を知れッ」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その河童はだれかに
蛙
(
かえる
)
だと言われ、——もちろんあなたも御承知でしょう、この国で蛙だと言われるのは
人非人
(
にんぴにん
)
という意味になることぐらいは。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうして吾輩をこの世に二人といない、極悪無道の
人非人
(
にんぴにん
)
として君に指摘させようとしているのだよ
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
知
(
し
)
らぬ
今
(
いま
)
まで
通
(
どほ
)
り
嫁舅
(
よめしうと
)
になりたしとか
聞
(
きい
)
て
呆
(
あき
)
れるなり
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
よ
人非人
(
にんぴにん
)
の
運平
(
うんぺい
)
の
娘
(
むすめ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
殺した事も
皆々
(
みな/\
)
汝ぢだと疑つて
居
(
ゐる
)
ぞ此
盜人野郎
(
ぬすびとやらう
)
め
乞食
(
こじき
)
に近い此彌十よりは遙か
劣
(
おと
)
りし
人非人
(
にんぴにん
)
めサア言
譯
(
わけ
)
が有なら
返答
(
へんたふ
)
仕
(
し
)
ろと
大聲
(
おほごゑ
)
に言
込
(
こめ
)
けるに
流石
(
さすが
)
不敵
(
ふてき
)
の段右衞門も更に
無言
(
むごん
)
となり此時に至つて大いに
赤面
(
せきめん
)
爲
(
し
)
たる有樣なれども未だ白状は
爲
(
せ
)
ざりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
見るも浅ましき
人非人
(
にんぴにん
)
ども、なんの面目あってこれへ来たか。ひとたび窮すれば、関羽を呉へ売り、ふたたび窮すれば、呉を裏切って馬忠の首を
咥
(
くわ
)
え来る。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相「へい、やっていますか、呆れたものだ、そういえばちら/\そんな噂もあるが、恩人の思いものをそんな事をして憎い奴だ、
人非人
(
にんぴにん
)
ですねえ、それから/\」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
実際私は殺人の罪悪をぬり隠して、N家の娘と資産とを一時盗もうと企てている
人非人
(
にんぴにん
)
なのでございます。私は顔が熱くなって参りました。胸が苦しくなって参りました。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人非人
(
にんぴにん
)
だと? おい久米一、
汝
(
うぬ
)
はどれほどな名人だか知らねえが、余り慢心して気まで変にならねえがいい。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兄の自滅をするという事を
悉
(
くわ
)
しく知って居ながら、
斯
(
こ
)
ういう不都合をするとは云おう様ない
人非人
(
にんぴにん
)
め
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恩を仇なる汝が不所存、云おう
様
(
よう
)
なき
人非人
(
にんぴにん
)
、此の場に
於
(
おい
)
て槍玉に揚げてくれるから左様心得ろ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「毒蛇といってあきたらねえ
人非人
(
にんぴにん
)
、足蹴ぐらいは
易
(
やす
)
いこったわ」
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なに……これ
人非人
(
にんぴにん
)
……その
形姿
(
なり
)
は何んだ、能くもずう/\しく
其様
(
そん
)
な真似をして此処へ来て
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
人非人
(
にんぴにん
)
、斬ってしまえッ!」伊那丸の命令一下に
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其の
咎
(
とが
)
を梅三郎に負わそうと存じて、証拠の物を取置き、其の上ならず御舎弟様を害そうと致した事も存じて
居
(
お
)
る、百八十余里
隔
(
へだ
)
った国にいても此の福原數馬は
能
(
よ
)
く心得て
居
(
お
)
るぞ、
人非人
(
にんぴにん
)
め
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いたかっ、
人非人
(
にんぴにん
)
!」と、奮いかかってきた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
云おうようなき
人非人
(
にんぴにん
)
最早逃げる道はないから覚悟をしろ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「に、
人非人
(
にんぴにん
)
めッ」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“人非人”の意味
《名詞》
(context、derogatory)人道に悖(もと)る行いをする者を罵っていう語。
人としての地位を賦与されていない人。
(出典:Wiktionary)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
非
常用漢字
小5
部首:⾮
8画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“人非人”で始まる語句
人非人共
人非人奴