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不束
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ふつゝか
ふりがな文庫
“
不束
(
ふつゝか
)” の例文
「奥さん。そんな事はありません。」ドイツ人は
不束
(
ふつゝか
)
なロシア語で答へた。そして直ぐに金網を持ち上げて、棒で鰐の頭を衝いた。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
町「
不束
(
ふつゝか
)
のもので
何処
(
どこ
)
へ参っても御意に
入
(
い
)
らず
逐出
(
おいだ
)
されたとき
宿
(
やど
)
がございません、どうかお見捨なく御膳炊きにお置き遊ばして下さい」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
落
(
おち
)
つけずや
母樣
(
はゝさま
)
には
我
(
わ
)
れ
願
(
ねが
)
はんとて
放
(
はな
)
し
給
(
たま
)
はず
夫樣
(
おくさま
)
も
又
(
また
)
くれ/″\の
仰
(
おほ
)
せに
其
(
その
)
まゝの
御奉公
(
ごほうこう
)
都會
(
みやこ
)
なれぬ
身
(
み
)
とて
何
(
なに
)
ごとも
不束
(
ふつゝか
)
なるを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
否
(
いや
)
、
不束
(
ふつゝか
)
ではございますが、
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
で
拵
(
こしら
)
へましたもの、
貴下
(
あなた
)
のお
許
(
ゆる
)
しがありませんでも、
開閉
(
あけたて
)
は
自由
(
じいう
)
でございます。」
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勿論
(
もちろん
)
私
(
わたくし
)
は
不束
(
ふつゝか
)
ながらも
一個
(
いつこ
)
の
日本男子
(
につぽんだんし
)
であれば、
其
(
その
)
國
(
くに
)
の
名
(
な
)
に
對
(
たい
)
しても、
斯
(
かゝ
)
る
塲合
(
ばあひ
)
に
第
(
だい
)
一に
逃出
(
にげだ
)
す
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
不束
(
ふつゝか
)
な假名文字で書いてはあるが、條理が善く整つてゐて、大人でもこれだけの短文に、これだけの事柄を書くのは、容易であるまいと思はれる程である。
最後の一句
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
併しその持つて行き方が余り
不束
(
ふつゝか
)
であつたので、ジユリエツトは「どうなすつたの」と云つて笑ひ始めた。
不可説
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
どうせ自分は父祖の偉業を亡ぼした
不束
(
ふつゝか
)
な子であるから、その申訳に腹を切るのは覚悟の前であるけれども、
迂濶
(
うかつ
)
に此処で死んだら、きっと自分の首は輝勝の手に渡るであろう。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
遣
(
やり
)
たき物なりと
然
(
さる
)
大家とは知ざれば
一個
(
ひとり
)
意
(
こゝろ
)
に思ひゐたるが息子殿には
不束
(
ふつゝか
)
なる娘お光を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうして
假令
(
たとへ
)
、私が多くの缺點を持ち、何んの
取柄
(
とりえ
)
もないやうな
不束
(
ふつゝか
)
な人間だとしても、ヘレン・バーンズに飽きることは決してなかつたし、これまで私の心を勵ましてくれた他のどんなものよりも
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
なされて
下
(
くだ
)
さる
筈
(
はづ
)
もなし
別
(
べつ
)
ものに
遊
(
あそ
)
ばすと
知
(
し
)
りながらお
恨
(
うら
)
みも申されぬ
身
(
み
)
の
不束
(
ふつゝか
)
が
恨
(
うら
)
めしう
存
(
ぞん
)
じますとホロリとこぼす
膝
(
ひざ
)
の
露
(
つゆ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
小「おや/\これはお初にお目にかゝります、手前は稻垣小三郎と申す
不束
(
ふつゝか
)
の浮浪人此の
後
(
ご
)
ともに幾久しく御別懇に願います」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
不束
(
ふつゝか
)
で
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
るが、
小作
(
せうさく
)
蒟蒻本
(
こんにやくぼん
)
の
蝋燭
(
らふそく
)
を
弄
(
もてあそ
)
ぶ
宿場女郎
(
しゆくばぢよらう
)
は、それから
思
(
おも
)
ひ
着
(
つ
)
いたものである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八右衞門に申付る又名主儀は
日頃
(
ひごろ
)
行屆
(
ゆきとゞか
)
ざる故家主の善惡も
辨
(
わきま
)
へざる段
不束
(
ふつゝか
)
なり以來
屹度
(
きつと
)
心付
(
こゝろつけ
)
候樣致すべき旨申渡され一件落着とぞなりける是先に一旦彦兵衞
獄門
(
ごくもん
)
と成りしは大岡殿申されし通り獄中にて病死の者の首を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
殊
(
こと
)
には貴方様と何うか御相談の上で、
不束
(
ふつゝか
)
な妹では有るが、
女房
(
にょうぼ
)
に持って貰いたいと存じて、
今日
(
こんにち
)
身請を致し、
明後日
(
みょうごにち
)
は貴方様をお招き申して
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
時
(
とき
)
に、
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
の
事
(
こと
)
なりけり。
三人
(
さんにん
)
同
(
おな
)
じく
夢
(
ゆめ
)
む、
夢
(
ゆめ
)
に
蒋侯
(
しやうこう
)
、
其
(
そ
)
の
伝教
(
さんだいふ
)
を
遣
(
つか
)
はして
使者
(
ししや
)
の
趣
(
おもむき
)
を
白
(
まを
)
さす。
曰
(
いは
)
く、
不束
(
ふつゝか
)
なる
女
(
をんな
)
ども、
猥
(
みだり
)
に
卿等
(
けいら
)
の
栄顧
(
えいこ
)
を
被
(
かふむ
)
る、
真
(
まこと
)
に
不思議
(
ふしぎ
)
なる
御縁
(
ごえん
)
の
段
(
だん
)
、
祝着
(
しうちやく
)
に
存
(
ぞん
)
ずるもの
也
(
なり
)
。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
花「はい、決して背きませんが、
不束
(
ふつゝか
)
ものでございますから、宜く御用をお言い付けなすって下さいまし、漸く
御飯
(
ごぜん
)
は炊けるようになりました」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此方
(
こちら
)
の御両親のお心持をお察し申しますと誠にお気の毒様で、どうも是程に
不束
(
ふつゝか
)
な私を、あゝ仰しゃって下さりますものを無にも致されませんから
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
武運
拙
(
つたな
)
くして谷中瑞麟寺の藪蔭で何者とも知れず
殺害
(
せつがい
)
され、
不束
(
ふつゝか
)
の至りによって
永
(
なが
)
のお
暇
(
いとま
)
を仰付けられ、討ったる
敵
(
かたき
)
が知れんというが、さぞ残念であろう
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大「えへゝゝ、
不束
(
ふつゝか
)
の大藏格別
上
(
かみ
)
のお
思召
(
ぼしめ
)
しをもちまして、重きお役を仰付けられ、冥加至極の儀で、此の上とも
何卒
(
どうぞ
)
御家老のお引立を
蒙
(
こうむ
)
りたく存じます」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さて昨日は殿様に御無理を願い早速お
聞済
(
きゝず
)
み下さいましたが、
高
(
たか
)
は
寡
(
すく
)
なし娘は
不束
(
ふつゝか
)
なり、
舅
(
しゅうと
)
は知っての通りの
粗忽者
(
そこつもの
)
、実に
何
(
なん
)
と云って取る所はないだろうが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
ど
)
うか今夜
不束
(
ふつゝか
)
な娘だが婚礼をしてくだされ、これ婆、
明日
(
あした
)
は孝助殿が
目出度
(
めでた
)
く御出立だ、そこで目出度い
序
(
つい
)
でに今夜婚礼をする積りだから、徳に髪でも取り上げさせ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さて其の頃はお屋敷は堅いもので、当主が
他人
(
ひと
)
に殺された時には、
不憫
(
ふびん
)
だから
高
(
たか
)
を増してやろうという訳にはまいりません、
不束
(
ふつゝか
)
だとか不覚悟だとか申して、お
暇
(
いとま
)
になります。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
なん
)
ともはや誠にどうも恐れ入りますなア、殿様と申し
貴方
(
あなた
)
と申し、
不束
(
ふつゝか
)
な
私
(
わたくし
)
をそれ程までに、これははや口ではお礼が述べきれましねえ、何ともヘイ分らなく有難うございます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
実は旦那様は
嘸
(
さぞ
)
お
嫌
(
いや
)
であろうと存じて居りました処が、御孝心深いあなた様、お母様の云うことをお背き遊ばさずに、親が云うからと
不束
(
ふつゝか
)
な
私
(
わたくし
)
を嫁にと仰しゃって下さりまして
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
重役の耳へ此の事が聞え、部屋
住
(
ずみ
)
の身の上でも、中根善之進何者とも知れず
殺害
(
せつがい
)
され、
不束
(
ふつゝか
)
の
至
(
いたり
)
と云うので、父善右衞門は百日の間
蟄居
(
ちっきょ
)
致して
罷
(
まか
)
り
在
(
あ
)
れという御沙汰でございますから
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何処
(
どこ
)
へか奉公に参りましょうと思いましても、
不束
(
ふつゝか
)
もの逐出されても
行
(
ゆ
)
き処がございません、心細う思うて居りました、旦那様へ御奉公に参ればお情深い旦那さま、
見捨
(
みすて
)
ては下さるまい
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
左様
(
そう
)
なさる時は
不束
(
ふつゝか
)
の妹どころでは無い立派な嫁を届かんながら山三郎が
媒妁
(
なこうど
)
して差上げたく、末永う御懇意に致しますから、何うかすっぱり魂を洗い清めて其の証拠を
私
(
わたくし
)
に見せて下さい
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
束
常用漢字
小4
部首:⽊
7画
“不束”で始まる語句
不束者
不束之筋有之