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三言
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みこと
ふりがな文庫
“
三言
(
みこと
)” の例文
とその中の
頭分
(
かしらぶん
)
らしい
侍
(
さむらい
)
がいいました。それから
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
いい
合
(
あ
)
ったと
思
(
おも
)
うと、
乱暴
(
らんぼう
)
な
侍共
(
さむらいども
)
はいきなり
刀
(
かたな
)
を
抜
(
ぬ
)
いて
切
(
き
)
ってかかりました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
案内の男が
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
支那語で何か云うと、老人は手を休めて、
暢気
(
のんき
)
な大きい声で返事をする。七十だそうですと案内が通訳してくれた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俊助と
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
雑談を交換した後で、野村は大理石のマントル・ピイスへ手をかけながら、冗談のような調子でこう云った。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おつたも
不快
(
ふくわい
)
な
容子
(
ようす
)
をしながら
南瓜
(
たうなす
)
と
葱
(
ねぎ
)
とを
脊負
(
しよ
)
つて
別
(
べつ
)
に
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
くでもなく、
只
(
たゞ
)
卯平
(
うへい
)
と
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
いつてもうどうでも
好
(
い
)
いといふ
態度
(
たいど
)
で
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
だが今朝は、作左衛門が出がけであるため、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
軽い言葉をかけられたのみで、彼は本陣を出て行く駕をなぜか知らぬ淋しい心もちで見送った。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
先
(
ま
)
づ
艦長松島大佐
(
かんちやうまつしまたいさ
)
に
向
(
むか
)
つて、
何事
(
なにごと
)
をか
二言
(
ふたこと
)
、
三言
(
みこと
)
、
公務
(
こうむ
)
の
報告
(
ほうこく
)
を
終
(
をは
)
つて
後
(
のち
)
、
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
に
向直
(
むきなを
)
つた。
快活
(
くわいくわつ
)
な
調子
(
ちようし
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
くど/\
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
云うかと思うと、「それじゃまた」とお
辞儀
(
じぎ
)
をして往ってしまった。「弟が発狂した」が彼の
口癖
(
くちぐせ
)
である。弟とは
蓋
(
けだし
)
夫子
(
ふうし
)
自
(
みずから
)
道
(
い
)
うのであろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ここは農夫の客に
占
(
し
)
められたりしがようやく
明
(
あ
)
きしなり。
隣
(
となり
)
の
間
(
ま
)
に
鬚
(
ひげ
)
美
(
うるわ
)
しき男あり、あたりを
憚
(
はばか
)
らず
声高
(
こえたか
)
に物語するを聞くに、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
の中に必ず
県庁
(
けんちょう
)
という。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
エレーナ じゃ、あと
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
——それでおしまいにしましょうね。あなた、何もお気づきじゃなくて?
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
三言
(
みこと
)
とは
呼
(
よ
)
ばれもせず
帶
(
おび
)
より
先
(
さき
)
に
襻
(
たすき
)
がけの
甲斐
(
かひ
)
/\しく、
井戸端
(
ゐどばた
)
に
出
(
いづ
)
れば
月
(
つき
)
かげ
流
(
なが
)
しに
殘
(
のこ
)
りて、
肌
(
はだへ
)
を
刺
(
さ
)
すやうな
風
(
かぜ
)
の
寒
(
さむ
)
さに
夢
(
ゆめ
)
を
忘
(
わす
)
れぬ、
風呂
(
ふろ
)
は
据
(
すゑ
)
風呂
(
ふろ
)
にて
大
(
おほ
)
きからねど
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夜の八時頃、一人で
棊譜
(
きふ
)
を開いて盤上に石を並べている父に、紅茶を運んで行ったときにも、父は
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
瑠璃子に言葉をかけたけれど、書状のことは、何も云わなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
『
間違
(
まちが
)
つてるかも
知
(
し
)
れないわ』と
愛
(
あい
)
ちやんは
恐
(
おそ
)
る/\
云
(
い
)
つて、『
二言
(
ふたこと
)
や
三言
(
みこと
)
は
變
(
か
)
へたのよ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と云つて鏡子は襟を
合
(
あは
)
せた。
何時
(
いつ
)
の間にか千枝子も伯母の膝にもたれて居た。お照が千枝子に
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
物を云つて
行
(
ゆ
)
かうとすると榮子がわつと泣き出した。鏡子は手を放して子を立たせた。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
孟丙の弟仲壬は昭公の
近侍
(
きんじ
)
某と親しくしていたが、一日友を公宮に訪ねた時、たまたま公の目に
留
(
とま
)
った。
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
、その下問に答えている中に、気に入られたと見え、帰りには親しく
玉環
(
ぎょっかん
)
を賜わった。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ヂュリ ロミオどの、もう
三言
(
みこと
)
だけ、それで
今宵
(
こよひ
)
は
別
(
わか
)
れませう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
安井
(
やすゐ
)
は
門口
(
かどぐち
)
へ
錠
(
ぢやう
)
を
卸
(
おろ
)
して、
鍵
(
かぎ
)
を
裏
(
うら
)
の
家
(
うち
)
へ
預
(
あづ
)
けるとか
云
(
い
)
つて、
走
(
か
)
けて
行
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
と
御米
(
およね
)
は
待
(
ま
)
つてゐる
間
(
あひだ
)
、
二言
(
ふたこと
)
、
三言
(
みこと
)
、
尋常
(
じんじやう
)
な
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その間に、騎馬の女と、跛行の侍は、何か、ふた
言
(
こと
)
三言
(
みこと
)
話していたが、やがて侍は馬の口輪をつかんで、伊織のかくれている草むらの前を通りすぎた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、
濱島
(
はまじま
)
は
此時
(
このとき
)
最早
(
もはや
)
此
(
この
)
船
(
ふね
)
を
去
(
さ
)
らんとて
私
(
わたくし
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
りて
袂別
(
わかれ
)
の
言葉
(
ことば
)
厚
(
あつ
)
く、
夫人
(
ふじん
)
にも
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
云
(
い
)
つた
後
(
のち
)
、その
愛兒
(
あいじ
)
をば
右手
(
めて
)
に
抱
(
いだ
)
き
寄
(
よ
)
せて、
其
(
その
)
房々
(
ふさ/″\
)
とした
頭髮
(
かみのけ
)
を
撫
(
な
)
でながら
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
野村
(
のむら
)
もその窓から首を出して、外に立っている
俊助
(
しゅんすけ
)
と、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
落着かない言葉を交換した。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女は何か
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
言葉を換すと乗るべき自動車に片手をかけて、華やかな微笑を四人の中の、誰に投げるともなく投げて、その
娜
(
しな
)
やかな身を
飜
(
ひるがえ
)
して
忽
(
たちま
)
ち車上の人となったが
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
質樸
(
しつぼく
)
なれば言葉すくなきに、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
めには、「われ一個人にとりては」とことわる
癖
(
くせ
)
あり。
遽
(
にわか
)
にメエルハイムのかたへ向きて、「君がいひなづけの妻の待ちてやあるらむ、」といひぬ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しかしKの室の前に立ち留まって、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
内と外とで話をしていました。それは
先刻
(
さっき
)
の続きらしかったのですが、前を聞かない私にはまるで解りませんでした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それからも、ふた
言
(
こと
)
三言
(
みこと
)
、門番は何かいったが、子供の声をいぶかりながら、やがて、門を少し開けて
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふた
言
(
こと
)
三言
(
みこと
)
、藤夜叉が口走りつづける訴えを聞くと、彼は、
愕然
(
がくぜん
)
と色をなした。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“三言”で始まる語句
三言五言