“嫌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きら37.8%
いや37.4%
きらい9.7%
ぎら3.5%
きれ2.8%
2.0%
きらひ1.8%
1.3%
いと0.8%
ぎらい0.5%
0.3%
えや0.3%
0.3%
あきたらな0.2%
きらは0.2%
きれえ0.2%
きろ0.2%
0.2%
けん0.2%
けんお0.2%
やァ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一人でこうしていると、寂しくって寂しくって、たまらない! こうしてあやまっているんだから、俺をそんなにきらわなくたって——
胎内 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
グラチアの友の女は年若くて快い人柄ではあったが、それといっしょなのが彼にはいやだった。そしてその日もだめになってしまった。
梓その時はその美しい眉も逆釣さかづッていたであろう。まさに洋燈を取って車の台になげうたむとする、めじりさがったのはまむしよりきらいな江戸ッ肌。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お面のうわさにひきつけられて、レビューぎらいの人々までも、続々と見物に押しかけてきた。どの劇場も、レビューとさえいえば満員であった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「向うは向う。こっちはこっちだ。なにも真似をするこたあねえ。第一おらあ毛唐けとうのものはきれえだ。おれの仕事は日本流で行くんだ」
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのさまれに遠慮ゑんりよらず、やなときやといふがよし、れを他人たにんをとこおもはず母樣はヽさまどうやうあまたまへとやさしくなぐさめて日毎ひごとかよへば
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
知りもしないひとところへ、くかかないかつて、いたつて。すきでもきらひでもないんだから、なんにも云ひ様はありやしないわ。だかららないわ
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だ、やだ! お父さんは一人で行け。俺は里へ遊びに行く!」と言つて京内はドン/\と、山路やまみちふもとの方へけて行きました。
熊と猪 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
ところが、ロメーンズは、豕の汚臭はもとその好むところにあらず、ただこの物乾熱よりも湿泥を好み、炎天に皮膚の焼かるるをいとうて泥に転がる。
初め抽斎は西洋ぎらいで、攘夷に耳をかたぶけかねぬ人であったが、前にいったとおりに、安積艮斎あさかごんさいの書を読んで悟る所があった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「うん。お前えも、お文に負けなえからなあ。百姓やになつたんだべよ。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
「寒くなつた。もう雪だべ。えやだな、これからの北海道つて! 穴さ入つた熊みたいによ。半年以上もひと足だつて出られないんだ——嫌になる。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
變な顏にうつるとお前にらはれるからとて美登利ふき出して、高笑ひの美音に御機嫌や直りし。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
長崎へ行って新しい文化に目が開くと、更に日本の現状があきたらなくなってくる。世界の大勢を知らずに同胞かきせめいでいる京阪の中心地に於ける闘争が、どうしても黙って見ておれない。
青年の天下 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
三ヶの津構つかまひにて事落着に及びたり元來ぐわんらい船乘ふなのりの事なれば夫よりさかひゆき船頭となりしが左右とかく博奕かけごとを好み身持惡きゆゑ人にきらはれつゝ三十歳ばかりに成しころ船中にて不※ふと人の荷物にもつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぐうづらつるつこいて打棄うつちやつて、いや本當ほんたうでがす、わしやちくなんざあいふなきれえでがすから、どこぢやがあせんお内儀かみさん、よるつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「こいさん、そんなに啓坊をきろうてるのやろか」
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
無理にも納得なつとくさせねばならぬと、の通りの御意気込み、其れに旦那様だんなさまも、梅も余りらひして居る中に、年を取り過ぎる様なことがあつてはと云ふ御心配で御座いましてネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
たゞちにそを棄て去りしといふ、そのせきを逸するのけんあるものから、かくはことわりおくのみ。
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
つながれていた鎖を、思い出の苦痛を、愛する面影やけんお悪すべき面影の幻を、のがれてしまったことは、いかにうれしいことだろう。
阿爺おとッつぁんおらこのしまやァだ」と、毎々阿娘おむすの苦情が出る。其等の車が陸続として帰って来る。東京場末の飯屋めしやに寄る者もあるが、多くは車を街道に片寄せて置いて、木蔭こかげで麦やひえの弁当をつかう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)