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金網
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かなあみ
ふりがな文庫
“
金網
(
かなあみ
)” の例文
小径の途中の土の層から大溝の
浸
(
し
)
み水が
洩
(
も
)
れ出て、音もなく平に、プールの葭簾を
撫
(
な
)
で落し、
金網
(
かなあみ
)
を大口にぱくりと開けてしまっている。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんの
鍵
(
かぎ
)
は
金網
(
かなあみ
)
の
張
(
は
)
つてある
重
(
おも
)
い
藏
(
くら
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
ける
鍵
(
かぎ
)
で、
紐
(
ひも
)
と
板片
(
いたきれ
)
をつけた
鍵
(
かぎ
)
で、いろ/\な
箱
(
はこ
)
に
入
(
はひ
)
つた
器物
(
うつは
)
を
藏
(
くら
)
から
取出
(
とりだ
)
す
鍵
(
かぎ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
珍
(
めずら
)
しい
鶏
(
とり
)
をお
求
(
もと
)
めなさったというが、どれひとつ
見
(
み
)
せていただこう。」と、
友
(
とも
)
だちは、
金網
(
かなあみ
)
を
張
(
は
)
ったかごの
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って、
内
(
うち
)
をのぞきました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
四日目、私は
遊説
(
ゆうぜい
)
に出た。鉄格子と、
金網
(
かなあみ
)
と、それから、重い扉、開閉のたびごとに、がちん、がちん、と
鍵
(
かぎ
)
の音。寝ずの番の看守、うろ、うろ。
HUMAN LOST
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その受信機は組立てられると、小屋の中にある
金網
(
かなあみ
)
で仕切った。奥の方に
据
(
す
)
えられたあらい金網が、天井から床まで張りっぱなしになっているのだ。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
何
(
なに
)
がつて、こんなところに
何
(
なに
)
か
惡
(
わる
)
いことでもした
人間
(
にんげん
)
のやうに、
誰
(
だれ
)
をみても、かうして
鐵
(
てつ
)
の
格子
(
かうし
)
か、そうでなければ
金網
(
かなあみ
)
や
木柵
(
もくさく
)
、
石室
(
いしむろ
)
、
板圍
(
いたがこい
)
なんどの
中
(
なか
)
に
閉込
(
とぢこ
)
められてさ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それでも
所々
(
ところどころ
)
宅地の隅などに、
豌豆
(
えんどう
)
の
蔓
(
つる
)
を竹にからませたり、
金網
(
かなあみ
)
で
鶏
(
にわとり
)
を囲い飼いにしたりするのが閑静に
眺
(
なが
)
められた。市中から帰る
駄馬
(
だば
)
が仕切りなく
擦
(
す
)
れ違って行った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雨水
(
あまみず
)
がはいらないようにしたり、
日
(
ひ
)
よけも
作
(
つく
)
り、
猫
(
ねこ
)
の
用心
(
ようじん
)
で、
金網
(
かなあみ
)
もあつた
方
(
ほう
)
がいいつてこと、
注意
(
ちゅうい
)
しておいてやつたんですが、どうしました、あの
金魚
(
きんぎょ
)
は、まだ
元気
(
げんき
)
ですか
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
古色
(
こしょく
)
の
夥
(
おびただ
)
しい青銅の竜が
蟠
(
わだかま
)
つて、
井桁
(
いげた
)
に
蓋
(
ふた
)
をして
居
(
お
)
りまして、
金網
(
かなあみ
)
を張り、みだりに近づいては成りませぬが、
霊沢金水
(
れいたくこんすい
)
と申して、此がために此の市の名が起りましたと申します。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おれはお前程巧妙なトラジツク・コメデイアンを見た事はない。——おれが心の中でかう
呟
(
つぶや
)
くと、猿は突然身を
躍
(
をど
)
らせて、おれの前の
金網
(
かなあみ
)
にぶら下りながら、
癇高
(
かんだか
)
い声で問ひ返した。
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
金網
(
かなあみ
)
で造った小さい小屋である。兄弟は釘で打ちつけていた。鳩は十羽であった。牡、牝、五羽ずついた。白の鳩は一羽であった。また、散歩に来て、鳩の部屋で、白の小旗が長い竿にかかっていた。
老人と鳩
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
夕日あかく馬のしりへの
金網
(
かなあみ
)
を透きてじりじり照りつけにけり
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
遼陽の
獄舎
(
ひとや
)
掃
(
は
)
かれて清けれど猶かなしきは窓の
金網
(
かなあみ
)
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
蔵
(
くら
)
の二階の
金網
(
かなあみ
)
に
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「あの
男
(
おとこ
)
は、どこへいったろう? ねずみでさえこの
金網
(
かなあみ
)
の
目
(
め
)
はくぐれないはずだ。ふしぎなこともあればあるものだ。」
おけらになった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小劇場の舞台ほどもある広い
檻
(
おり
)
の中には、
頑丈
(
がんじょう
)
な
金網
(
かなあみ
)
を
距
(
へだ
)
てて、とぐろを
捲
(
ま
)
いた二頭のニシキヘビが離れ離れの
隅
(
すみ
)
を陣取ってぬくぬくと
睡
(
ねむ
)
っていた。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
金網
(
かなあみ
)
をかけた火鉢の中には、いけてある炭の底に、うつくしい赤いものが、かんがりと灰を照らしている。その火気を感じると、内蔵助の心には、安らかな満足の情が、今更のようにあふれて来た。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこの
金網
(
かなあみ
)
を
張
(
は
)
ったかごの
中
(
なか
)
にいる
鶏
(
とり
)
は
珍
(
めずら
)
しい
鶏
(
とり
)
です。おそらく、こんな
鶏
(
とり
)
をこの
近在
(
きんざい
)
に
持
(
も
)
っている
人
(
ひと
)
はありません。
強
(
つよ
)
いことはこのうえなしです。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「中がめちゃめちゃになっているんだよ。なんでもご近所のドラ猫がとびこんだらしいんだがね、
金網
(
かなあみ
)
の中であばれて、たいへんなことになっているよ」
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
男
(
おとこ
)
は、その
鉄
(
てつ
)
の
牢
(
ろう
)
の
中
(
なか
)
では、
自由
(
じゆう
)
に
歩
(
ある
)
くことすらできませんでした。また、
指
(
ゆび
)
を
出
(
だ
)
すにも
出
(
だ
)
されないように、
外部
(
がいぶ
)
は、
金網
(
かなあみ
)
で
張
(
は
)
られていたのでした。
おけらになった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その彼は、やがて草むらのなかに、一つのまるい
金網
(
かなあみ
)
をみつけた。金網の下はまっくらでよくわからないけれども、穴があいていて、かなり下の方まで通じている様子であった。
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
人
(
ひと
)
は、
時計屋
(
とけいや
)
さんですが、
金網
(
かなあみ
)
の
箱
(
はこ
)
を
造
(
つく
)
って、その
中
(
なか
)
に、らんを
入
(
い
)
れておいたというのです。
白
(
しろ
)
い
葉
(
は
)
に、
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
という、
珍品
(
ちんぴん
)
ですから
無理
(
むり
)
もありません。
らんの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
巨大な高射砲が
金網
(
かなあみ
)
を
被
(
かぶ
)
り、夕暗が次第に濃くなってくる帝都の空の一角を
睨
(
にら
)
んでいた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして、
金網
(
かなあみ
)
を
張
(
は
)
ったかごの
中
(
なか
)
をのぞきますと、なるほど、
首
(
くび
)
の
長
(
なが
)
くて
赤
(
あか
)
い、
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い、けづめの
鋭
(
するど
)
くとがった
雄鶏
(
おんどり
)
と、一
羽
(
わ
)
のそれよりやや
体
(
からだ
)
の
小
(
ちい
)
さい
雌鶏
(
めんどり
)
がいました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その火はアルコール・ランプの
芯
(
しん
)
に近づいた。ぽっと音がして青白い
焔
(
ほのお
)
が高くあがった。するとこんどは
架台
(
かだい
)
と
金網
(
かなあみ
)
とが一しょにとんでいって、アルコール・ランプにかぶさった。
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
空腹
(
くうふく
)
のねずみは、あぶらげの
香
(
こう
)
ばしいにおいをかいで、
我慢
(
がまん
)
がしきれなかったものでした。ねずみは、そのせまい
金網
(
かなあみ
)
の
中
(
なか
)
で、
夜
(
よる
)
じゅう
出口
(
でぐち
)
をさがしながら、あばれていました。
ねずみの冒険
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その一つの部屋を
窺
(
うかが
)
ってみるならば、大きな
金網
(
かなあみ
)
の中に百匹ずつ位のモルモットを入れ、これを実験室の中に置き、技師たちは皆外へ出た上で、室外から
弁
(
べん
)
を開いて室内へ、さまざまの毒
瓦斯
(
ガス
)
を送り
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そしてばしゃんと音がして、
金網
(
かなあみ
)
が穴をふさいだ。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“金網”の解説
金網(かなあみ)は、金属の線材を織り込んで網状とした金属製品。広い産業分野や家庭生活でも使用されている。
日本において、明治初期頃には使用され始め、広く普及するようになった。柵のほか、ざる、焼肉・バーベキュー用の焼網など身近な製品にも使われている。
(出典:Wikipedia)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
網
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“金網”で始まる語句
金網張
金網火鉢
金網行灯
金網行燈