“詛:のろ” の例文
“詛:のろ”を含む作品の著者(上位)作品数
南方熊楠7
紫式部4
徳富蘇峰2
芥川竜之介2
喜田貞吉2
“詛:のろ”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > プロヴァンス文学100.0%
哲学 > キリスト教 > 聖書33.3%
文学 > イタリア文学 > 詩28.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
例せば道長公が道満法師にのろわれた時、白犬が吠えたり引いたりして公が厭物を埋めた地を踏むを止めた(『東斎随筆』鳥獣類)。
墮落の原因もとは、汝の見しごとく宇宙一切の重さにされをる者の、のろふべき傲慢たかぶりなりき 五五—五七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そういう場合にはオトヂキョもののしのろわれたけれども、別に雨乞あまごいのためには祈りタカべられてもいたのである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
昨日きのうまで机を並べて勉強した学友の就職を傍観して、むなしく世を恨み、自己おのれのろわねばならぬのです。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
斎院を誘惑しようとかかっていることなどはむろんあるべきことですよ。何事によらず当代をのろってかかる人なのです。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
欧州で中古禁厭まじないを行う者を火刑にしたが、アダム、エヴァの時代より、のろわれた蛇のみまじなう者をとがめなんだ。
我らはのろわれているのではないかとおもう、不安を感じないわけにはゆかない、見よ、緑の一色を除いて、生けるものの影とては、何もない
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
一説には瞿曇のろうて帝釈を去勢したるを諸神憐んで羊の睾丸で補充したという(グベルナチス『動物譚原』一巻四一四頁、二巻二八〇頁)。
私は、何も過去の時代のみを礼讃らいさんして、現代をのろうというような、気の強いものではありません。
のろひの花を生じて散らす、こは牧者を狼となして、羊、こひつじをさまよはしゝもの 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「よし、こうなったら、やぶれかぶれ。おれはきさまをのろってやる。金輪際こんりんざいまで詛ってやる。今更、この期になってびくつくまいぞ」
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その時、尼うらんで永劫えいごうここの男が妻に先立って若死するようとのろうて絶命した。
兄も己も大ぶ竪町を通り越してゐた。そこで黙つて引き返して並んで歩いた。兄が今口を開いたら、其口からは己をのろふ詞が出るだらうと、己は思つてゐた。
(新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
僕は二度も僕の目に浮かんだダンテの地獄をのろひながら、ぢつと運転手の背中を眺めてゐた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
長者の妻、そののち跡を尋ね来てこの有様を見、悲憤の余りに「粟稗たたれ」とのろうた。
そのヨブが友人の来訪に会して突然三章の痛歎を発してわが運命をのろうに至るは、必ずそこに彼の心理状態の急変を促すある誘因があったに相違ないのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
僕は二度も僕の目に浮んだダンテの地獄をのろいながら、じっと運転手の背中を眺めていた。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すべて人をのろふの念をいましめ、己れを詛ふ者を愛するをもて天国の極意とせり。
想断々(1) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
その娘は母を恨み、世をのろうて、ますます始末におえぬものになってしまうのであります。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
それまで彼は歴々れっきとした生みの親のある、家の後取娘として、何かにつけておとらからひけらかす様に、隔てをおかれるお島を、のろわしくも思っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼奴あいつは悪魔だ。お前と俺の生涯をドン底までのろって来た奴だ。今度彼奴に会ったら、鉄鎚かなづちで脳天を喰らわしてやるんだぞ。いいか。忘れるなよ」
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と宮がお言いになるのを聞いて、夫人はいよいよたけり立つばかりで、源氏夫婦へののろいの言葉を吐き散らした。この夫人だけは善良なところのない人であった。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
爾曹なんぢらの敵をいつくしみ、爾曹なんぢらのろふ者を祝し、爾曹なんぢらを憎む者を善視よくし、虐遇迫害なやめせむるものゝ爲に祈祷せよ。」
巨万の富をわれに与えて、一銭も使うなかれと命ぜられたる時は富なきむかしの心安きに帰るあたわずして、めいを下せる人をさかしまにのろわんとす。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて「ノア酒さめて其若き子の已に為したる事を知れり。是に於て彼言ひけるはカナンのろはれよ、彼はしもべ等の僕となりて其兄弟につかへん」と言っている。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
呻吟の声、のろいの声、ののしる声、悲しむ声——四方の辻で聞こえていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
甲を祝して、乙をのろうならばその人の人格は「愛」なる徳を所有してはいない。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
既に将門の乱が起つた時でも、浄蔵が大威徳法で将門をのろひ、明達が四天王法で将門を調伏し、其他神社仏寺で祈立て責立てゝ、とう/\祈り伏せたといふ事になつてゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
頭の上には、たつた一つ黒く消えかけた星が、小さいのろひのやうに瞬いてゐる。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
そして可憐かれんで正直で怜悧れいりな女であるが不思議と関係のない者からはいやしい人間のやうに思はれる女で実に何者にかのろはれて居るのではないかと思つた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
現身うつそみの世をゆるしえず、はたのろひえぬ觀念くわんねん
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
に自らをほこりつゝ、はたのろひぬる、あはれ、人の世。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
世をのろあまって、意地悪く吐出す罵倒や嘲笑ちょうしょう鋒尖ほこさきを彼女は全身に刺し込まれても、ただ情無く我慢するだけ、苦鳴の声さえ聞取られるのに憶している。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
君を見て昨日きのふに似たる恋しさをおぼえさせずば神よのろはむ
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
吒幾爾だきにの密法は容易ならざる呪詛じゅそであって、もし神々がそれを受けない時には還着於本人げんちゃくおほんにんと言ってのろったものに呪詛がかえるのだからといって。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
あえかなる白きうすものまなじりの火かげのはえのろはしき君
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
……この女は地上に在りとあらゆる法律上の罪人のドレよりも消極的な、つまらない存在である。……と同時に、そのドレよりものろわしい、まわしい、しつっこい存在でなければならぬ。
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)
人をのろって、人をのろって、貴方こそ、その毒蛇です。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし戦ふに及ばぬ間に将門が亡びたので賞に及ばなかつたのを恨んで、こぶしを握つて爪が手の甲にとほり、怨言を発して小野宮をののみや大臣をのろつたといふところなどは余り小さい。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
巫臣は直ちに晋から書を送って之をのろい、報復を誓った。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
このようにのろつて、かまどの上に置かしめました。
イヤ恨めしくは御座いません、情なかったのです。オヤ/\乃公おれは隠して置いた酒さえも何時いつ他人ひとしりの下にしかれてしまうのか、と自分の運命をのろったのです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その弟子中道で人が仏の無量の徳行を説くを聞きて仏に趣く途中虎に食われ、善心の報いで天に生まる、旧師波婆利慈氏のために大会を催すところへ悪波羅門ばらもん押し懸けてのろい波婆利大いに困る
「またお前、おっ母あにいじめられたんだな。お前えばかだい、ちえッ、学校休むやつがあるけえ——」それから彼は呪わしいことの一つ言葉を真顔でつぶやいた。「八幡さまにお前えはのろわれてんだぞ」
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
磐長姫が皇孫の召し給わぬを恥じ恨みて、うつしき蒼生たみくさは木の華の如くに衰えんとのろわれた事から察せられ、又磐が神のいます神聖なる場所で、皇孫の坐せる所が磐の高御座たかみくらであったことは
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
彼は軟かく二三度それを揺ぶって「お前はな、もうせん、八幡さまの池で、よ、ほら、亀の子を盗んだじゃねえか、え、そうだ、きっとお前そいでのろわれたんだ」「ちげえねえや」「おっかねえなあ」とそれが肯定されて行った。
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
オーンこれをのろう。
継母ままははである式部卿しきぶきょうの宮の夫人が始終自分をのろうようなことを言っておいでになって、左大将の結婚についても自分のせいでもあるように、曲がった恨みをかけておいでになるのであるから、この話を聞いた時に
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
すでに習慣より成立したるの万国公法にあらざるを知らば、またなんじの敵を愛し、なんじをのろうものを祝し、なんじを憎むものを善視し、なんじを虐遇迫害するもののために祈祷するの『新約聖書』にあらざることはさらに分明なり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
同じくトルストイはその編著『読書の環』にこの作品を載せて、チェーホフを旧約聖書のバラム(『民数紀略』二十二章以下)になぞらえ、「彼も初めはのろうつもりだったが、詩神がそれを制してかえって祝福せしめられたものである」と述べ
余につて曰く、「昔、矢部駿州は桑名侯へお預けの日より絶食して敵讐をのろひて死し、果たして敵讐を退けたり。いま足下もみづから一死を期するからは祈念を籠めて内外の敵を払はれよ、一心を残し置きて給はれよ」と丁寧に告戒せり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
エホバはヨブを称揚し、サタンはこれに対して言う「皮をもて皮に換うるなれば人はその一切の所有物もちものをもておのれの生命に換うべし、されど今汝の手を伸べて彼の骨と肉とを撃ち給え、さらば必ず汝の顔に向いて汝をのろわん」と。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
烏摩后その故を問うと、それがしヴィシュヌを念ずるに一心にして妻がいかにかの一儀を勤むるも顧みず「川霧に宇治の橋姫朝な/\浮きてや空に物思ふ頃」ほかにいいのがあるんだろうと、九月一日の東京ぜんと大焼けに焼けた妻が拙者をのろうて
余に謂いて曰く、「昔し矢部駿州は桑名侯へ御預けの日より絶食して敵讐てきしゅうのろいて死し、果して敵讐を退けたり、今足下そっかも自ら一死を期するからは祈念きねんめて内外の敵を払われよ、一心を残し置きて給われよ」と丁寧に告戒せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
いわんや世をのろい、時を憤る、元気の盛んな、かつ腕っ節の強い連中が、一方にはたまたま免れて、不義の富貴に太平楽を極めこんでいるものの、あるのを見ましたならば、ついにはとって活きるの道に出るようになるのも、実際やむをえない自然の成り行きであったでありましょう。
近頃の電車の中などでも、昔のように丸髷や文金などの高雅な髪を結った人が少なくなりまして、馬糞をのせたような手つくねの束髪を余計に見るようになりましたが、どんなに上等な美しい服装も一向に引立たないで、お気の毒な気もしますし、時には浅ましくさえなって現代をのろいたくなります。
朝顔日記の深雪と淀君 (新字新仮名) / 上村松園(著)
太宰大貳高遠の物へおはしける道に、女房車をやりて過ける、牛飼童の、のろごとしけるを聞て、彼車を止めて尋ね聞ければ、或殿上人の車を女房達の借て物詣でしけるが約束の程過て道の遠くなるを腹立つなりけり、大貳言れけるは、女房に車貸す程の人なれば、主はよも左樣の情無き事は思はれじ
詛言に就て (旧字旧仮名) / 南方熊楠(著)
なお生きようとする自分の心は未練で恥ずかしいが、弘徽殿こきでんあたりで言うのろいの言葉が伝えられている時に自分が死んでしまってはみじめな者として笑われるばかりであるから、とそうお思いになった時からつとめて今は死ぬまいと強くおなりになって、御衰弱も少しずつ恢復かいふくしていった。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
わたしにはそんな心持ちはみじんもありませんもの。お気の毒なという事と、二人がこうなってしまったという事とは別物ですものねえ。せめては奥さんがわたしをのろい殺そうとでもしてくだされば少しは気持ちがいいんだけれども、しとやかにしてお里に帰っていらっしゃると思うとつい身につまされてしまいます。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「だから言わんこっちゃない。ちいさい時分から私が黒い目でちゃんとにらんでおいたんだ。此方から出なくたって、先じゃとうの昔に愛相あいそをつかしているのだよ」母親はまた意地張いじっぱりなお島のちいさい時分のことを言出して、まだ娘に愛着を持とうとしている未練げな父親をのろった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)