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絞
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し
ふりがな文庫
“
絞
(
し
)” の例文
「間違ひもなく首を
縊
(
くゝ
)
つて、——それも檢死の樣子では、人に
絞
(
し
)
められたのでは無くて、自分で首を縊つた年寄の巡禮だつたんです」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「わが夫の神よ、それではこのしかえしに、日本じゅうの人を一日に千人ずつ
絞
(
し
)
め殺してゆきますから、そう思っていらっしゃいまし」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「
絞
(
し
)
める時、花のような
唇
(
くちびる
)
がぴりぴりと
顫
(
ふる
)
うた」「
透
(
す
)
き通るような
額
(
ひたい
)
に紫色の筋が出た」「あの
唸
(
うな
)
った声がまだ耳に付いている」
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
万年筆は、園長を館の入口で
絞
(
し
)
めあげるときに落ちたもので、それを後に何かの事情があって
遺失品
(
いしつひん
)
として届けたものであろう。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その沈黙はたちまち
絞
(
し
)
め
木
(
ぎ
)
のように、色を失った陳の額へ、冷たい
脂汗
(
あぶらあせ
)
を絞り出した。彼はわなわな
震
(
ふる
)
える手に、戸のノッブを探り当てた。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
しかし何者かに口を
塞
(
ふさ
)
がれ、
咽喉
(
のど
)
を
絞
(
し
)
められつゝも、懸命に抵抗しているように、今にも呼吸が詰まりそうに云うのであった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
殺害して、例えば毒殺するなり、
絞
(
し
)
め殺すなりしてだね。それからこの淋しい場所へ運んで来て、ソッと叢の中へ隠して置いたという考え方だ
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
立廻
(
たちまわり
)
の間に帯が解け
襦袢
(
じゅばん
)
一枚になった女を押えつけてナイフで乳をえぐったり、
咽喉
(
のど
)
を
絞
(
し
)
めたりするところは最も必要な
見世場
(
みせば
)
とされているらしい。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし、梶はそこで、急いで栖方の口を
絞
(
し
)
めさせたかった。それ以上の発言は栖方の生命にかかわることである。青年は危険の限界を知らぬものだ。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「うぬ!畜生!」とルパンはショルムスに飛びついて
咽喉
(
のど
)
を
絞
(
し
)
め上げた。ショルムスは苦しさに身をもがくばかり。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
当り前の
打
(
ぶ
)
ったり
絞
(
し
)
めたりする遊びなんかじゃ我慢出来ないの……一と思いにあんたを殺すかどうかして
終
(
しま
)
わなくちゃトテモやり切れないと思うくらい
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
たくさんのそういう犬どもがひっぱり出されて
絞
(
し
)
め殺されたし、この次の部屋(わしの寝室)では、わしたちの知っているところでも、一人の奴などは
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
あのクリストの
磔刑
(
はりつけ
)
の像よりも更に血の汗を浴びて、まるで首を
絞
(
し
)
められている人のように感じました。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
「主人公が父や母の首を
絞
(
し
)
めたり、溺死者が出て来たりしないような小説にして下さい。わたしは水死した人たちのことを見たり聞いたりするのが恐ろしくってね」
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
石は私の足の下から轉げ落ち、掴んだ
常春藤
(
きづた
)
の枝は切れ、赤ン坊は恐ろしがつて私の首にすがりついて危く私を
絞
(
し
)
め殺しさうになるのです。やつと頂上に來ました。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
拳闘
(
けんとう
)
と
柔道
(
じゅうどう
)
では、そのやり方がまるで
違
(
ちが
)
う。拳闘はなぐるいっぽうである。柔道は投げる、おさえこむ、
絞
(
し
)
める、
逆
(
ぎゃく
)
をとるという
技
(
わざ
)
だ。どうして試合をしたらいいか。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
その力は、ものすごく強かった。博士はドアを開けさせまいとして、
奮闘
(
ふんとう
)
した。ドアのすき
間
(
ま
)
からガウンの
腕
(
うで
)
がのびた。博士はのどを
絞
(
し
)
めつけられ、把手をはなした。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
麻油は驚いた。が
非力
(
ひりき
)
な伊豆をいっぺんに
跳
(
は
)
ね返すと、あべこべに伊豆の首筋を
執
(
とら
)
えて有無を云わせずに
絞
(
し
)
めつけた。伊豆はばたばた
踠
(
もが
)
いて危く
悶絶
(
もんぜつ
)
するところまでいった。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
そうだ、君があんなにぱすぱすとしゃべるまではなかったんさ。己は、あんな
大金
(
てえきん
)
を手に入れ
損
(
そこ
)
ねるし、おまけに首を
絞
(
し
)
められるとなったんで、やけっぱちになりかかっていた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「その家は何かに
祟
(
たた
)
られているんですよ。雇い婆さんは眼を大きくあいたままで、寝床のなかに死んでいたんです。世間の評判じゃあ、化け物に
絞
(
し
)
め殺されたんだと言いますが……」
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
と
掻拂
(
かきはら
)
ふ
手
(
て
)
をぐる/\
捲
(
ま
)
きに、
二捲
(
ふたまき
)
卷
(
ま
)
いてぎり/\と
咽喉
(
のど
)
を
絞
(
し
)
める、
其
(
そ
)
の
絞
(
しめ
)
らるゝ
苦
(
くる
)
しさに、うむ、と
呻
(
うめ
)
いて、
脚
(
あし
)
を
空
(
そら
)
ざまに
仰反
(
そりかへ
)
る、と、
膏汗
(
あぶらあせ
)
は
身體
(
からだ
)
を
絞
(
しぼ
)
つて、
颯
(
さつ
)
と
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
に
目
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
知らず知らず自分は、神尾主膳を
絞
(
し
)
め殺してしまったものらしくあります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これは
窖
(
あなぐら
)
の中や又は森の片すみで、人を
絞
(
し
)
め殺しながら歌われたのである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
瞬間
(
しゅんかん
)
、ア、しまった、と思った時にはすでに
遅
(
おそ
)
く、その
隙
(
すき
)
に立ち直った沢村さんが、「貴様やる気だな」と
叫
(
さけ
)
びざま、ぼくを
突
(
つ
)
きとばすと、
直
(
す
)
ぐのしかかって来て、ぼくの
頸
(
くび
)
を
絞
(
し
)
めつけました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ちかき野に
喉
(
のど
)
絞
(
し
)
めらるる
淫
(
たは
)
れ
女
(
め
)
のゆるき
痙攣
(
けいれん
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
絞
(
し
)
め上げた上、本當にあれが木枯小僧の傳次なら、人樣の手を借りるまでもない、この平次が其場で繩を打つて、三輪の親分に引渡さう
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二重
(
ふたえ
)
に細い
咽喉
(
のど
)
を巻いている胞を、あの細い所を通す時に外し
損
(
そく
)
なったので、
小児
(
こども
)
はぐっと気管を
絞
(
し
)
められて窒息してしまったのである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
このままじっとしていたら、
絞
(
し
)
め殺されるばかりだ。どうせ死ぬ命なら、この怪物を道連れに、
一
(
いち
)
か
八
(
ばち
)
か、命がけの冒険をやってみようと決心した。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
オルガは唇を噛み
絞
(
し
)
めると、黙って泣きながら、参木の腕をぐいぐい引いた。参木はオルガの力に抵抗しながらも、足が辷って寝台の方へ引き
摺
(
ず
)
られた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「離さないか。貴様こそ、——ああ、喉が
絞
(
し
)
まる。——あれほど離すと云った癖に、貴様こそ嘘をつく奴だ。」
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
といっても、人間とちがうのだから、
絞
(
し
)
められたり、刺しころされたり、頭を割られたりしているのではない。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
首をもうすこしで死ぬとこまで
絞
(
し
)
められたり、縛って宙釣りにされたり、
髪毛
(
かみのけ
)
だけで吊るされたりして、とても我慢出来ない位、苦しかったり痛かったりしたのよ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それを考えただけでも己は頸が
硬
(
こわ
)
ばるくれえだ。多分、手前らも見たことがあるだろう、鎖で
絞
(
し
)
め殺されて、鳥がその周りに集ってる奴らを。
潮
(
しお
)
で流されてゆくのを船乗が指してるんだ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
と
掻拂
(
かつぱら
)
ふ
手
(
て
)
を、ぐる/\
捲
(
ま
)
きに、
二捲
(
ふたまき
)
卷
(
ま
)
いてぎり/\と
咽喉
(
のど
)
を
絞
(
し
)
める、
其
(
そ
)
の
絞
(
しめ
)
らるゝ
苦
(
くる
)
しさに、うむ、と
呻
(
うめ
)
いて、
脚
(
あし
)
を
空
(
そら
)
ざまに
仰反
(
のけぞ
)
る、と、
膏汗
(
あぶらあせ
)
は
身體
(
みうち
)
を
絞
(
しぼ
)
つて、
颯
(
さつ
)
と
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
に
目
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めた。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二重
(
ふたへ
)
に
細
(
ほそ
)
い
咽喉
(
のど
)
を
卷
(
ま
)
いてゐる
胞
(
えな
)
を、あの
細
(
ほそ
)
い
所
(
ところ
)
を
通
(
とほ
)
す
時
(
とき
)
に
外
(
はづ
)
し
損
(
そく
)
なつたので、
小兒
(
こども
)
はぐつと
氣管
(
きくわん
)
を
絞
(
し
)
められて
窒息
(
ちつそく
)
して
仕舞
(
しま
)
つたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その紐で
絞
(
し
)
められた
白粉
(
おしろい
)
っ気もない顔は、涙を誘う
初々
(
ういうい
)
しさと、邪念のない美しさを、
末期
(
まつご
)
の苦悩も奪う
由
(
よし
)
はなかったのです。
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一つはビイアスの小説だが、この怪物が通ることは、唯草が動くので知れる。
尤
(
もつと
)
も動物には見えると見えて、犬が
吠
(
ほ
)
えたり、鳥が逃げたりする、しまひに人間が
絞
(
し
)
め殺される。
近頃の幽霊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
首の所は、よくは分らぬが、どうやら、
絞
(
し
)
められた
痕
(
きず
)
が紫色になっているらしい。
D坂の殺人事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
喉佛
(
のどぼとけ
)
の碎けて居る樣子や、たいした抵抗もなくやられた樣子は、明らかに恐しい剛力で後ろから
絞
(
し
)
めたものに違ひありません。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ホホホホホホ、どうもしないの。あなたを
絞
(
し
)
め殺すのよ。分って? 鳥井さん」
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
万一縄の具合で死に切れぬ時は
再度
(
ふたたび
)
同様の刑罰を受くべきものだとしてありますが、妙な事にはピヤース・プローマンの中には
仮令
(
たとい
)
兇漢でも二度
絞
(
し
)
める法はないと云う句があるのです。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしはこの部屋のまん中に立ち、片手に彼女を
絞
(
し
)
め殺そうとしていた。
夢
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そんな證據は殘さねえが、首を
絞
(
し
)
めて殺した上、生き返つちや惡いと思つたか、
玄能
(
げんのう
)
で頭を叩き割つて行つた」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ええ顔を洗うたんびに
鵝鳥
(
がちょう
)
が
絞
(
し
)
め殺されるような声を出す人でござんす」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
場所は亡き善五郎が溜め込んだ
夥
(
おびたゞ
)
しい錢箱の前、お茂與は細引で喉を
絞
(
し
)
められて、黄金の中に死んで居たのです。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「母親と一緒に風呂へ行つた歸り、——一と足先に歸つて來たところを路地の中で
絞
(
し
)
められて——」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「母親と一緒に風呂へ行った帰り、——一と足先に帰って来たところを路地の中で
絞
(
し
)
められて——」
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
刺される前に死んで居たとすれば、毒害でなければ、首を
絞
(
し
)
められたことだらうと思つたが、首筋に絞め殺した跡が無い。そこでフト、柔術の絞めのことを考へたよ。
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「細引で
罠
(
わな
)
を
拵
(
こさ
)
へて自分の首をくゞらせ、足を伸ばして自分で首を
絞
(
し
)
めるといふのは、新手ですね」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それが、伯父の死骸は仰向になつて居るから、伊之吉が變な顏をしたのも無理はありません。その上、首を
絞
(
し
)
めた丈夫な紐が、後ろで結んである。尚ほ變ぢやありませんか」
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“絞(
絞首刑
)”の解説
絞首刑(こうしゅけい)とは、死刑の一種で、絞殺する刑罰である。絞死刑(こうしけい)または絞殺刑(こうさつけい)ともいう。
(出典:Wikipedia)
絞
常用漢字
中学
部首:⽷
12画
“絞”を含む語句
絞殺
絞首台
鳴海絞
豆絞
子絞
角絞
絞木
一絞
絞盤
絞首
絞臺
紺絞
揚錨絞盤
緋鹿子絞
鹿子絞
振絞
絞罪
絞染
絞出
取絞
...