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煙草屋
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たばこや
ふりがな文庫
“
煙草屋
(
たばこや
)” の例文
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
の
煙草屋
(
たばこや
)
にて
北八
(
きたはち
)
嗜
(
たし
)
む
處
(
ところ
)
のパイレートを
購
(
あがな
)
ふ。
勿論
(
もちろん
)
身錢
(
みぜに
)
なり。
此
(
こ
)
の
舶來
(
はくらい
)
煙草
(
たばこ
)
此邊
(
このへん
)
には
未
(
いま
)
だ
之
(
こ
)
れあり。
但
(
たゞ
)
し
濕
(
しめ
)
つて
味
(
あじはひ
)
可
(
か
)
ならず。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
煙草屋
(
たばこや
)
へ二町、湯屋へ三町、行きつけの
床屋
(
とこや
)
へも五六町はあって、どこへ
用達
(
ようたし
)
に出かけるにも坂を
上
(
のぼ
)
ったり
下
(
くだ
)
ったりしなければならない。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
願
(
ねが
)
はれ
何卒
(
なにとぞ
)
私
(
わたく
)
し
儀
(
ぎ
)
御役
御免下
(
ごめんくだ
)
さるべしと
云
(
いは
)
れしかば何故
退役
(
たいやく
)
を
願
(
ねが
)
はるゝやと申さるゝに大岡殿
此度
(
このたび
)
煙草屋
(
たばこや
)
喜八
裁許
(
さいきよ
)
違
(
ちが
)
ひ
科
(
とが
)
なき者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
蒲鉾屋
(
かまぼこや
)
の新公や、下駄屋の幸次郎や、あの連中は今でも仲よく連れだって、
煙草屋
(
たばこや
)
の柿内の二階で毎日々々芝居ごっこをして居るだろうか。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
角の
煙草屋
(
たばこや
)
の老婆が、姿を見て、
薬研
(
やげん
)
の側からあいさつした。賛五郎は
水府
(
すいふ
)
のたまを一つ求めながら、軽い言葉で
訊
(
き
)
いてみた。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
お関という女が録之助という
車夫
(
くるまや
)
になっている、
幼馴染
(
おさななじ
)
みの
煙草屋
(
たばこや
)
の息子と出会すところがあるでしょう、ちょっとあれみたようなものです。
雪の日
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
いまいましいことだが、結局、いつものように近くの
煙草屋
(
たばこや
)
まで行き、ソバ屋にでも電話しなければ食事にはありつけない。
待っている女
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
煙草屋
(
たばこや
)
の
角
(
かど
)
に
立
(
た
)
ったまま、
爪
(
つめ
)
を
煮
(
に
)
る
噂
(
うわさ
)
をしていた
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、あわてて八五
郎
(
ろう
)
に
目
(
め
)
くばせをすると、
暖簾
(
のれん
)
のかげに
身
(
み
)
を
引
(
ひ
)
いた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
だが、その頃から叔父はもう小さな
破戒僧
(
はかいそう
)
だったのだ。叔父は学院に通いながらある
煙草屋
(
たばこや
)
の娘を追っかけまわしていた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
神田
小川町
(
おがわまち
)
の通にも私が
一橋
(
ひとつばし
)
の中学校へ通う頃には大きな銀杏が
煙草屋
(
たばこや
)
の屋根を
貫
(
つらぬ
)
いて電信柱よりも高く
聳
(
そび
)
えていた。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
とにかく記事を読んでみようと思い、お座敷の帰りに、角の
煙草屋
(
たばこや
)
で朝日を買い、今朝の新聞があるかと訊いてみた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
某日
(
あるひ
)
お岩が
庖厨
(
かって
)
の庭にいると、
煙草屋
(
たばこや
)
の
茂助
(
もすけ
)
と云う刻み煙草を売る男が入って来た。この茂助はお岩の家へも商いに来ていたのでお岩とも親しかった。
四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
つり橋のたもとの
煙草屋
(
たばこや
)
を見つけて絵はがきと切手を買う。三銭切手二十枚を七十五銭に売るから妙だと思って聞くと「コンミッシォン」だと言った。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
白地の
浴衣
(
ゆかた
)
がぞろぞろと通る。
煙草屋
(
たばこや
)
の前に若い細君が出ている。氷屋の
暖簾
(
のれん
)
が涼しそうに夕風に
靡
(
なび
)
く。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
帰ったのか、下駄箱へしまわしたのか、または気を
利
(
き
)
かして隠したのか、彼にはまるで
見当
(
けんとう
)
がつかなかった。表へ出るや否や、どういう
料簡
(
りょうけん
)
か彼はすぐ一軒の
煙草屋
(
たばこや
)
へ飛び込んだ。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
何事
(
なにごと
)
も
不思議
(
ふしぎ
)
なり、「おい、ちよいと
煙草屋
(
たばこや
)
の
娘
(
むすめ
)
はアノ
眼色
(
めつき
)
が
不思議
(
ふしぎ
)
ぢやあないか。」と
謂
(
い
)
ふは
別
(
べつ
)
に
眼
(
め
)
が
三
(
み
)
ツあるといふ
意味
(
いみ
)
にあらず
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
目ざまし草の
胴乱
(
どうらん
)
をかけた
煙草屋
(
たばこや
)
ていの男、しらみ絞りで顔をくるんだ男、或いは物売り或いは旅人、そうした者に、四、五町ごとに出逢います。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
役員や待合の若い
子息
(
むすこ
)
に、耳鼻
咽喉
(
いんこう
)
の医師、
煙草屋
(
たばこや
)
の二男に酒屋の主人など、予備の中年者も多かった。地廻りの不良も召集され、運転士も幾人か出て行った。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
店のものにも
必
(
かならず
)
顔を見知られているにちがいないと、俄に
眉
(
まゆ
)
深く帽子の
鍔
(
つば
)
を引下げ、急いで通り
過
(
すぎ
)
ると、その先の駄菓子屋と
煙草屋
(
たばこや
)
の店もまだ戸をしめずにいたが
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
掛
(
かけ
)
ける處に町内の
自身番屋
(
じしんばんや
)
へ火附盜賊改役奧田主膳殿組下與力笠原粂之進は同心を
引連
(
ひきつれ
)
來
(
きた
)
りて平兵衞を呼び
其方
(
そのはう
)
店子
(
たなこ
)
煙草屋
(
たばこや
)
喜八事御用の
筋
(
すじ
)
有
(
ある
)
に
依
(
より
)
案内
(
あんない
)
致せとて平兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
弾
(
はじ
)
かれた
煎豆
(
いりまめ
)
のように、
雨戸
(
あまど
)
の
外
(
そと
)
へ
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、
酔
(
よ
)
いも一
時
(
じ
)
に
醒
(
さ
)
め
果
(
は
)
てて、一
寸先
(
すんさき
)
も
見
(
み
)
えなかったが、それでも
溝板
(
どぶいた
)
の
上
(
うえ
)
を
駆
(
か
)
けだして、
角
(
かど
)
の
煙草屋
(
たばこや
)
の
前
(
まえ
)
まで
来
(
く
)
ると
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その便所には窓があって、そこからまっすぐに
煙草屋
(
たばこや
)
のある
四辻
(
よつつじ
)
がながめられる。
待っている女
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
煙草屋
(
たばこや
)
、うどん屋、
医師
(
いしゃ
)
の大きな玄関、
塀
(
へい
)
の上にそびえている形のおもしろい松、
吹井
(
ふきい
)
が清い水をふいている豪家の前を向こうに出ると、草の
生
(
は
)
えた
溝
(
みぞ
)
があって、白いペンキのはげた門に
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
鉄槌
(
てっつい
)
でがんと脳天をやられたような気持で、
煙草屋
(
たばこや
)
を出たのだったが、どうしても本家へ帰る顔がなく、二丁ばかりある道を夢中で歩いて、河縁へ出て来たのだった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
直き町の角の
煙草屋
(
たばこや
)
も見たし、絵葉がき屋も
覗
(
のぞ
)
いたが、どうもその類のものが見当らない。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さて坂を下り
尽
(
つく
)
すと両側に居並ぶ駄菓子屋荒物屋
煙草屋
(
たばこや
)
八百屋
(
やおや
)
薪屋
(
まきや
)
なぞいずれも見すぼらしい
小売店
(
こうりみせ
)
の間に米屋と醤油屋だけは、柱の太い昔風の
家構
(
いえがまえ
)
が何となく憎々しく見え
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「……
煙草屋
(
たばこや
)
の前に、
誰
(
だれ
)
かいなかったか?」
待っている女
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
道をきくべき酒屋も
煙草屋
(
たばこや
)
もないので、迷い迷って
遂
(
つい
)
に
津
(
つ
)
ノ
守阪
(
かみざか
)
の
中途
(
ちゅうと
)
に出てしまった。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“煙草屋”の解説
煙草屋(たばこや)とは、日本において煙草や喫煙具などを扱う販売店を指す。一般的にはたばこ専売店(街のたばこ屋)と、米屋や酒屋・食料品店、コンビニエンスストア、駅などの売店(キヨスク)などの兼業店に二分される。
(出典:Wikipedia)
煙
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“煙草屋”で始まる語句
煙草屋喜八