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沙汰
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ざた
ふりがな文庫
“
沙汰
(
ざた
)” の例文
東京の第×区から立候補しそうな取り
沙汰
(
ざた
)
があったのが、いつのまにかうやむやのうちに沙汰やみとなったことをおぼえているだろう。
私はかうして死んだ!
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
他人からみれば気ちがい
沙汰
(
ざた
)
としか思われない、お気の毒に、お勤めも不首尾になって、主家を浪人され、ひどく貧乏したらしいね
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
巴里
(
パリイ
)
唯一の芸術新聞コメデイアの記者で常に直截鋭利な議論を書く有名な若手の劇評家エミイル・マス君との間に決闘
沙汰
(
ざた
)
が
持上
(
もちあが
)
つて
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
内乱を
煽動
(
せんどう
)
する記事を毎日掲げていた。実を言えば、それもただ言葉の上のことだけで、実際の腕力
沙汰
(
ざた
)
になることはめったになかった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
重々しく落ち着いた人格で、尊い親王がた、大臣家から令嬢との縁談を申し込まれても承知しないという取り
沙汰
(
ざた
)
を聞いても
源氏物語:46 竹河
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
廷珸も人命
沙汰
(
ざた
)
になったので土地にはいられないから、出発して跡を
杭州
(
こうしゅう
)
にくらました。周丹泉の造った模品はこれで土に返った訳である。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
上皇の、この御一言に、うるさ
方
(
がた
)
の公卿
沙汰
(
ざた
)
も、一応は、
退
(
ひ
)
きさがったが、しかし陰性は、
即
(
そく
)
公卿性である。決して、
熄
(
や
)
んだわけではない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんでえ! また色
沙汰
(
ざた
)
か。おいらがひとり者だと思って、意地わるくまたおのろけ騒動ばかし起こしゃがらあ。相手の女はどこのだれだよ」
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それがため他人の嫁入
沙汰
(
ざた
)
を聞いても他人は他人、自分は自分の運命があるという風に思って、結婚などをする自分ではないと堅く信じていた。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
こうした喧嘩
沙汰
(
ざた
)
はこの時代に珍しくないとはいいながら、自分の店先で無遠慮に刃物を振り
閃
(
ひらめ
)
かされては迷惑である。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「焼餅だんが。———阿呆らしい、
猫
(
ねこ
)
可愛
(
かわい
)
がり過ぎる云うて焼餅やくもん、
何処
(
どこ
)
の国にあるか知らん、気違い
沙汰
(
ざた
)
や。」
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その一例は、横浜桜木町の幽霊
沙汰
(
ざた
)
である。今より十四年前夏ごろの出来事にて、諸新聞に報道せる大要は左のとおり。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
つい先ごろはまた、彼らの幾人かが石ノ巻に
奔
(
はし
)
ったとも取り
沙汰
(
ざた
)
されていた。そこに置かれた新政府の鎮台に、求めに応じて兵士となるためであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
何分にも奴にむかって芸人の浮気
沙汰
(
ざた
)
として許すが、不義の
快楽
(
けらく
)
は厳しくいましめたほどの亀吉、そうした話を聴くと汚ないものに触れたように怒った。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
まだまだ命のある限り
馬鹿
(
ばか
)
の限りを尽すだろうが、ひょっとするとこの世で一番長もちのするものが、あの男の乱行
沙汰
(
ざた
)
の中から生れ出るかも知れん。……
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
御念仏をも人の聞かぬように御申しある人なりと、常々京都の取り
沙汰
(
ざた
)
にてはべるよし、
一定
(
いちじょう
)
誠に思いいらせたまえる
後世者
(
ごせしゃ
)
にてわたらせおわしますよな
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
その人たちはこの物語を気違い
沙汰
(
ざた
)
だと思って、極力彼女の名声を
挫
(
くじ
)
こうとするとともに、一方には狼狽してその物語を一笑にふしてしまおうと努めている。
世界怪談名作集:07 ヴィール夫人の亡霊
(新字新仮名)
/
ダニエル・デフォー
(著)
その附近に屡々強盗
沙汰
(
ざた
)
があったものだから、護身の意味で弾丸まで込めて、机の上に置いていたのである。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
同情三分にからかい七分の気もちできいてみたのだが……世上の取り
沙汰
(
ざた
)
とちがって、今その壺は、チャンとこの柳生の手におさまっている——という返事。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼の父は
流石
(
さすが
)
に
狼狽
(
ろうばい
)
していた。彼は警察へ訴える事を主張した。
然
(
しか
)
し警察
沙汰
(
ざた
)
になっては何にもならない。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
徳川幕府あって以来いまだかつて聞いたこともないような、公儀の
御金蔵
(
おかねぐら
)
がすでにからっぽになっているという
内々
(
ないない
)
の取り
沙汰
(
ざた
)
なぞが、その時、胸に浮かんだ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
婚礼
沙汰
(
ざた
)
が初まってから、毎日のように来ては養父母と
内密
(
ないしょ
)
で
談
(
はなし
)
をしていた青柳は、その当日も
手隙
(
てすき
)
を見てはやって来て、床の間に古風な島台を飾りつけたり
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ここで我れが
幸福
(
しやわせ
)
といふを考へれば、帰国するに先だちてお
作
(
さく
)
が
頓死
(
とんし
)
するといふ様なことにならば、一人娘のことゆゑ
父親
(
てておや
)
おどろいて
暫時
(
しばし
)
は家督
沙汰
(
ざた
)
やめになるべく
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
強
(
あなが
)
ち自己に奉ずるの念、薄きところからきたものとのみは、解し難い。むしろ御性格中に、守銭奴的な、黄金
狂
(
マニヤ
)
的なものがあるのではなかろうか? と、取り
沙汰
(
ざた
)
されている。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
結婚
沙汰
(
ざた
)
の
止
(
や
)
みてより、妾は一層学芸に心を
籠
(
こ
)
め、学校の助教を辞して私塾を設立し、親切
懇到
(
こんとう
)
に教授しければ、さらぬだに祖先より
代々
(
よよ
)
教導を以て任とし
来
(
きた
)
れるわが
家
(
いえ
)
の名は
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「いや、仲々大金だからなア……。ひよいとしたら、警察
沙汰
(
ざた
)
にしないとも限らんぜ」
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
中山両卿へ内申に及び候処忠至参殿の上
篤
(
とく
)
と御様子見上げ参るべき様にとの
御内
(
おんうち
)
沙汰
(
ざた
)
を
蒙
(
かうむ
)
り、右薫と申談じ、同人同道一条殿へ参殿の上御姉妹へ拝謁、御次女の御方御様子復命に及びたり。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一体、浅草は余り火事
沙汰
(
ざた
)
のない所
故
(
ゆえ
)
、土蔵など数えるほどしかなかった。それに安政の
大地震
(
おおじしん
)
の際、土蔵というものが余り役に立たなかったことを経験しているので、一層数が少なかった。
幕末維新懐古談:13 浅草の大火のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
かような
頭
(
つむり
)
を致しまして、あてこともない、化物
沙汰
(
ざた
)
を申上げまするばかりか、
譫言
(
うわごと
)
の薬にもなりませんというは、誠に早やもっての外でござりますが、自慢にも何にもなりません、
生得
(
しょうとく
)
大の臆病で
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あなたは裁判
沙汰
(
ざた
)
のことはたいしてご存じじゃありませんね」
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
こんな平和な、安穏な環境に生きている自分に、一体警察
沙汰
(
ざた
)
になるような事件の渦中に巻きこまれる可能性があるだろうか?
犠牲者
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
どうしても遊戯じゃない。金吾もそうだ、あの男こそ分けても遊戯
沙汰
(
ざた
)
じゃあるまい、一個の
仮面
(
めん
)
のために、生々しい苦しみをしているだろう
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
利己的な結婚
沙汰
(
ざた
)
さえなければ、おりおり不愉快なことはありましてもまずまず平和なうちに今までどおりあなた様もおいでになれたのですがね
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「そうら、」と彼女は言った、「こんどはまた別な狂気
沙汰
(
ざた
)
になってきた!……だがそうならなければならないんなら、まだこんどの方がよい。」
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
なにか不吉のことが二、三度続くと、たちまち妖怪騒ぎ、迷信
沙汰
(
ざた
)
を起こすのは、やはり論理力の薄弱なるためである。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
まだまだ命のある限り
馬鹿
(
ばか
)
の限りを尽すだらうが、ひよつとするとこの世で一番長もちのするものが、あの男の乱行
沙汰
(
ざた
)
の中から生れ出るかも知れん。……
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
殺人、盗賊、
駈落
(
かけおち
)
、男女の情死、諸役人の腐敗
沙汰
(
ざた
)
なぞは、この街道でめずらしいことではなくなった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「なんぼ女同士やかて
昼日中
(
ひるひなか
)
若い女が裸になったりして、お前らまるで気違い
沙汰
(
ざた
)
やな。」「うちあんたのようにコンヴェンションに
囚
(
とら
)
われてえへんよってなあ。 ...
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
両君が決闘するに到る迄の経過は以上の如くであるが、決闘
沙汰
(
ざた
)
の伝はるに従つて周囲の騒ぎが大きくなり、
之
(
こ
)
れに対する名士の批評が多く新聞紙上に発表された。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
一体まあ、これは何という気違い
沙汰
(
ざた
)
でありましょう。そうしたことに慣れぬ私は身も知らぬ相手と、暗闇の中で踊り狂っている自分が、ふと空恐しくなるのでした。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
只今
(
ただいま
)
の我国の有様ではとても筆や楽器は鉄砲に
叶
(
かな
)
いませんから、素直に鉄砲に屈従して離婚
沙汰
(
ざた
)
などには立至らずに納まりそうなものでしたが、どういうものでしょうか。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
棄て置けば
狐狸
(
こり
)
の
棲処
(
すみか
)
、さもないまでも乞食の宿、
焚火
(
たきび
)
の火
沙汰
(
ざた
)
も不用心、給金出しても人は住まず、持余しものになるのを見済まし、立腐れの柱を根こぎに、瓦屋根を踏倒して、
股倉
(
またぐら
)
へ
掻込
(
かいこ
)
む算段
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さへ
持
(
も
)
てりと
聞
(
き
)
くに
娘
(
むすめ
)
の
爲
(
ため
)
にも
我
(
わ
)
が
爲
(
ため
)
にも
行末
(
ゆくすゑ
)
わろき
縁組
(
えんぐみ
)
ならずとより/\の
相談
(
さうだん
)
も
洩
(
も
)
れきく
身
(
み
)
の
腹
(
はら
)
だゝしさ
縱令
(
たとひ
)
身分
(
みぶん
)
は
昔
(
むかし
)
の
通
(
とほ
)
りならずとも
現在
(
げんざい
)
ゆるせし
良人
(
をつと
)
ある
身
(
み
)
に
忌
(
いま
)
はしき
嫁入
(
よめいり
)
沙汰
(
ざた
)
きくも
厭
(
いや
)
なり
表
(
おもて
)
にかざる
仁者顏
(
じんしやがほ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
江戸中の職人衆のとり
沙汰
(
ざた
)
でございますよ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いや! 谷の者らが、専ら取り
沙汰
(
ざた
)
するところによると、座主の僧正には、少納言に対して、
依怙
(
えこ
)
を持たれると承る」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこに、戦争に酔ってるドイツ帝国主義の
傲慢
(
ごうまん
)
な狂気
沙汰
(
ざた
)
が認められ、また、ドイツの為政家らが他民族をまったく理解し得ないことが認められた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
世間の取り
沙汰
(
ざた
)
を恐れてお帰りになって以来、容易にお通いになれずお手紙だけを日ごとに幾通もお送りになった。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
もしそのままに捨て置き、翌日動かぬようになって見たならば、蛇はすでに逃げ出しておらぬから、必ず化け物
沙汰
(
ざた
)
になるであろうと、校長当人の
直話
(
じきわ
)
。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
カ君は社長とも決闘
沙汰
(
ざた
)
に訴へざるを得ない形勢になつた。
其処
(
そこ
)
へマス君との決闘の日が来た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
とにかく普通の離婚
沙汰
(
ざた
)
だけのものでなかつたことは娘ごころにも察しがつきました。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
沙
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
汰
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
“沙汰”で始まる語句
沙汰止
沙汰書
沙汰人
沙汰罷
沙汰触